平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年07月12日

原油(その1)


今回の円高は、現在までのところ、それほどスピードが早くありません。
前回の日銀短観では、輸出企業の今期想定為替レートは、
1ドル94.85円でした。

ゆっくりと円高に進むようであれば、採算割れレベルの滞留時間が長くなり、
輸出企業の業績が、少し気になります。

そもそも、景気が底の時期に、策定された業績予想ですから、
弱気な予想であることは、容易に想像がつきます。

増して、将来的に、下方修正することを嫌う、日本の上場企業経営者が、
多いことからも、堅めの数字を出している筈です。

為替相場と同等の、コスト要因である原油価格に変動が…。

原油価格が下げています。

原油相場は、昨年12月以降、半年あまりで、倍になった訳ですから、
2割程度の下落は、当然の値動きと言えます。
半値押しの、50ドル前半くらいは、視野に入れておくべきでしょう。

但し、「半値戻しは全値戻し」と言うくらいですから、
春以降の上昇の全てを失う可能性も、あるかも知れません。

今回の下落のきっかけは、2点あります。

1つは米国雇用統計です。
3月以降、早期景気回復シナリオで、リスク資産が買われてきました。
遅行指標とは言え、失業者数が、事前の予想よりも悪化して、
早期景気回復シナリオに、冷水を浴びせることになりました。

2つ目は、
CFTCの、持ち高規制観測です。
秋までには、規制強化されそうです。

もしも、持ち高規制が、実際に強化されれば、直接的には、
ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー等には、痛手になるでしょう。
彼らは、商品市場の、アービトラージスワップ取引の、最大手業者です。

実需に伴わない、投機的な動きを封じ込めたい当局は、
エネルギー市場を、「正常化」させたいのです。

これは、米国の絶妙な、バランス感覚でもあります。
ストレス・テストで、甘い査定基準を、認めることにより、
公的資金の、早期返済を可能にさせました。

それにより、経営の自由度が回復し、結果として、高額報酬に対する、
当局のチェック外しが、可能になった一連の動きがあります。

この反作用として、国民感情にも配慮し、ガソリン価格に直結する、
無用なエネルギー相場の変動を、抑制したい当局の意向に沿い、
収益チャンスとしての、商品市場での、トレーディング機会を喪失させる、
持ち高規制強化を、導入する訳です。(続く)

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