平松雄二の 株と為替に勝つ!
ホーム>過去のメルマガ
過去のメルマガ
2009年
2010年
チャートの小部屋
用語集
欧州信用危機小年表

2009年08月15日

来週の米国株式市場と日本株式市場(その1)


<金融政策>

米国市場は、FOMCを無事に通過しました。

FRBは絶妙な政策決定を行いました。

国債買い入れプログラムの終了時期を、1ヶ月延長
(当初の9月末から10月末へ)し、買い入れ規模は
変更しないことにしました。

米国政府は景気対策のため、財政赤字を増加させています。
結果として、国債が増発され、中央銀行としてFRBが、
増発された国債を買い取っています。

買い取った国債の代金は、ドル紙幣を印刷して支払っています。

市場は、FRBの国債買い入れが長く続くことにより、
将来的にインフレにつながるのではないかと危惧しています。



読者の方もよくお分かりのように、ドル紙幣が、
実体経済で、必要とされる量以上に大量に発行流通すると、
ドルの価値が相対的に下落します。

通貨の価値下落はインフレです。
また、インフレは、為替市場でドルが他通貨に対して
売られることが通常です。

また、FOMC声明文で、米国経済の底打ちを
宣言したと考えられます。
FRBは用心深く、米国民に自信と希望を与えようと腐心しています。



<経済指標>

7月の小売売上高は、事前の予想よりも悪い内容でした。
自動車の買い替え促進策(ポンコツ車現金政策とも言います)の
効果が出て、自動車販売は好調でしたが、
その他の消費は不振でした。


株式市場があまり下げなかったのは、
ヘッジ・ファンドを運営するジョン・ポールソン氏が、
バンク・オブ・アメリカ等の銀行株を購入していたことが、
SECに提出した報告で、明らかになったからだと思います。

同氏は、2007年の住宅危機と、昨年の信用危機を言い当てたとされています。

同氏が強気で銀行株を購入した事実で、株式市場は底堅かったと考えられます。

個人消費は、米国のGDPの70%を占める、最大の項目です。

消費と貯蓄の合計が所得です。

現在、米国の大きな構造改革は、貯蓄を増やして、
消費を減らす流れです。

その上、雇用が増加しないと言うことは、所得が増加しないことを意味します。

雇用が増加しないうちは、個人消費は伸びません。

このことはとても重要です。

鉱工業生産指数が、前月比+0.5%と発表されました。

表面の数字からは、2007年12月以来の前月比上昇で、
景気の谷を超えたものと判断されると思います。

米国はリセッションから脱したことは、鉱工業生産からも言えそうです…。

しかし、その実態は、ポンコツ車現金政策の影響で、
自動車や自動車部品の生産が、前月比+20%と異常に大きく貢献しています。

自動車を除くと、鉱工業生産は-0.1%でした。
確かに、自動車産業の裾野の広さや大きさは認めますが、
果たして、米国の鉱工業生産が立ち直ったかどうかの判断はとても難しいです。

ポンコツ車現金政策は、未来永劫続くものではありません。

ミシガン大学消費者心理ド指数が、63.2と発表されました。

7月の数字は66.0で、事前の予想では、8月は7月よりもさらに
上方へ行くものと期待されていましたが、逆でした。

株式市場も上昇しています。

住宅関係の指標も徐々に改善しています。

表面的には、雇用統計も少し改善していました。

数字の裏側には、消費者が肌で感じとる「何か」があるのでしょう。

株式市場も、敏感に反応して、金曜日の相場に暗雲を投げかけました。

CPIも週末に発表されました。
前月比±0.0%でしたが、前年比では-2.1%でした。
前年比マイナスの数字は、なんと約60年ぶりです。

米国も現状はデフレではないかと思います。


デフレ退治>

米国経済は底打ちしたと言われています。
昨年のリーマン・ショック以降の激しい落ち込みは、
迅速な政策対応で止まりました。

在庫調整や生産調整は、かなり緩和され、
少しずつ「正常」に近い状態に向かい始めています。

しかし、実態は「正常」には程遠い状態です。
その上、構造改革をしている米国は、
以前の「正常」に戻ることは困難です。

借金して過剰に消費することが、米国の「正常」でした。
世界経済のけん引役で、基軸通貨を持つ国民に課せられた、
足かせだとも言えますが…。

経済成長を確実にさせるためには、まず、
デフレ状態から抜けることが大切です。

米国政府とFRBは、脱デフレ政策をますます推進させなくては、
日本が経験している、失われたXX年の後追いをしてしまいます。

評価はいろいろありますが、これまでの米国の諸政策のスピードは、
日本よりは早いことは事実です。

                    ページ・トップへ     ホームへ