平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年08月29日

来週の米国株式市場と日本株式市場


先週説明した、「インベスターズ・インテリジェンス」の
ブル・ベア・レシオ」の最新数値です。

8月25日現在、2.60です。
このレベルは、2007年末から2008年初にかけての水準です。

ブル・ベア・レシオ」が2.00を超えると、「過度の強気」で相場の天井を、
また、0.60を下回ると、「過度の弱気」で相場の底を、
それぞれ示唆すると経験的に言われています。

先週も申し上げましたが、米国株式の現状は、
ブル・ベア・レシオ」から見れば、警戒すべき水準になっています。


1)今週の経済指標のまとめ



今週米国で発表された経済指標は、このところの米国経済の
流れに沿うものでした。

生産や企業活動は、大底から脱却して堅調です。
しかし、個人を取り巻く経済指標は、住宅関係を除き、
それほど強くないと思います。

6月S&Pケース・シラー住宅価格指数は、前月比+1.4%、
前年比-15.4%でした。
住宅価格は上昇し始めています。

また、7月新築住宅販売件数は、前月比+9.6%の
年率43.3万戸のペースで、2005年2月以来の高い伸びです。

住宅価格が大きく下落したので、それなりの需要が生じていることは事実です。
しかし、住宅ローンが支払えず、差押さえられる物件数も最高水準です。

調査によると、サブプライム・ローン以外の住宅ローンのうち、
7.32%の債務者のローン支払いが、30日以上遅延しています。
この比率は13〜4軒の1軒の割合です。

一方、悪名高いサブプライム・ローンでは、39.38%の債務者の
ローン支払いが、30日以上遅延しています。
これは、2〜3軒に1軒の割合です。

まだまだ、敗戦処理は続きます。

住宅取得者に対して、8000ドルの補助があります。
住宅を初めて購入する人に対しての補助金で、
11月まで継続されますので、住宅建設・販売には効果があると思います。


ポンコツ車現金補助政策は、急遽、今週初めで終了しました。
大変な反響だったようで、新車が沢山売れました。

今回、補助金を申請して新車を購入した人たちは、
本来は使用中のポンコツ車を売って、
中古車を購入するタイプの人たちではないか、との見方があります。

そうだとすると、今回の政策では、新車需要の先取りではなく、
あらたな需要が生まれた可能性があります。


7月耐久財受注は前月比+4.9%と、過去2年で最大のプラスですが、
この伸びの要因は航空機の受注が大きかったためだと分析されています。

漢字だらけで、長ったらしい名称ですが、お許しください。
民間の設備投資の先行指標として、とても重要な数字で、
「非防衛資本財受注」があります。

これは、耐久財受注から、国防関連の受注と、
ブレの大きな航空機の受注を除いたものです。

7月のそれは前月比-0.3%と、耐久財受注の+4.9%とは
ずいぶん異なる風景です。

失業保険請求(8月22日までの週)は57万件と高水準でした。

第2四半期GDP改定値は、事前予想よりは良く、
変わらずの前期比-1.0%でした。

7月の個人消費支出は、前月比+0.2%と、
自動車販売の効果が出ています。

7月個人所得は、前月比変わらずの±0.0%でした。

また、8月ミシガン大学消費者心理指数は65.7で、
事前予想よりは良かったですが、それほど芳しくはありません。



2)今週の相場展開


米国は、良い内容の経済指標が発表されても、
市場の反応は大きくなく、週を通して小動きでした。

ダウS&P500ナスダックとも、小幅の上昇で、
年初来高値を更新しました。

日本は、案の定、上海の動向を気にしながらの1週間でしたが、

前週末比2%以上上昇して終えました。


3)来週の主な経済指標


<米国>


31日(月) 8月シカゴPMI
1日(火)  8月ISM製造業指数
       8月新車販売台数
2日(水)  ADP雇用統計
3日(木)  8月ISM非製造業指数
        新規失業保険請求件数
4日(金)  8月雇用統計


最近の傾向である生産の回復から、シカゴPMIISM製造業指数は、
回復局面が裏付けられる数字が出てくるものだと思います。

ポンコツ車現金補助政策の効果で、
新車販売が市場予想を大きく超える数字の場合は、
分かっていることとは言え、ポジティブ・サプライズになる可能性があります。

市場が注目しているのは、当然、雇用統計です。

8月のNFPは、-25万人とサプライズだった7月より、
少し悪化すると予想されています。

失業率も、+0.1%の9.5%と予想されています。


<日本・中国>

日本 31日(月) 7月鉱工業生産指数
中国 1日(火)  8月PMI

日本の鉱工業生産は、4-6月期はV字回復を見せました。
さすがに、7-9月期は一服すると考えられます。


中国のPMI指数が興味深いです。
経済対策の効果で、急激な景気回復と資産価格の高騰を演じました。
しかし、実態は、中小企業の景況感は依然良くなく、
失業問題もくすぶっています。

例によって、各種補助金は、汚職に回っているのではないか
との観測すらあります。

輸出が伸びない中で、いかに内需を盛り上げるのか、
資産価格の高騰と言うバブルを避けながら、当局の腕が試されます。

幸運なことに、一党独裁ですから、経済運営や経済統計を含めて、
全て当局の裁量次第です。



4)来週の米国株式市場動向


今回は予想が外れて、笑いものになることを、あえて気にせずに予想します。

週初または週央までに、年初来高値をつけた後
(もしかすると、金曜日の高値が年初来高値であった可能性もあり得る)、
週末の雇用統計への警戒感から、ジリジリと値を消す展開を想定します。

雇用統計を受けて、相場は下げるのではないかと思います。

ただし、雇用統計が事前予想を上回る好結果である場合は、
再度高値に挑戦すると思いますが、筆者は下げる方だと考えています。

市場が下落しやすい9月に入ります。

筆者の個人的な相場観は、日米株式市場ともに、
既に、この2週間は「様子見」です。

相場の下げが確認できれば、「売り」から入りますが、
来週中には判断材料が得られるのではないかと思います。


5)来週の日本株式市場動向


民主党が大勝する選挙結果は、ほとんど織込み済みですが、
そうでない場合、波乱要因となります。

新型インフルエンザも、警戒すべき現象だと思います。

企業活動にも影響が出て、一部のマスクやワクチン等を作る会社の
業績にプラスですが、経済全体にはマイナスで、
株式市場にもマイナスの影響が出ると思います。

久しぶりに売りに回った外国人投資家がまた日本株を買うのか、
中東はラマダンに入っていますので、しばらく欧州経由の
外人買い(オイル・ダラー)は望めません。

米国株式が堅調であれば、米国年金が日本株を買うかも知れませんが、
選挙結果次第です。

これまで通り、米国と中国の影響を強く受けますが、
為替市場で円高の可能性もあり、
少し日本独自の動きが出てくる可能性はあります。


6)その他


CFTCの規制強化、デリバティブ取引の規制強化等を受けて、
銀行や証券会社の自己ポジション部門の売買手法や、
ヘッジ・ファンドCTA等の運用手法が、変化することが考えられます。

結果として、原油価格や金価格や商品先物や
金融先物(債券先物と株価指数先物)が予想していない方向へ
動くこともあります。

十分注意しておきたいです。

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