平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年09月05日

米国株式市場と日本株式市場(09月07日〜09月11日)


1)発表された経済指標のまとめ


<米国>

9月2日までに発表された米国の経済指標は、
既に説明しましたので、それ以降の発表分についてです。

経済指標                  実数      予想     前月
/前週/前期
8月ISM非製造業景気指数       48.4       48.0         46.4
新規失業保険請求件数(8月29日)  57万人     56.5万人      57.4万人
8月NFP                  -21.6万人   -23.3万人     -24.7万人
8月失業率                 9.7%      9.5%         9.4%

(出所:マーケット・ウォッチブルームバーグ、ヤフー)

ISMが発表した、8月非製造業景気指数も、
先日の製造業のそれと同様、予想を上回る改善を示しました。
しかし、新規失業保険請求件数は、予想より悪化し、
雇用の足取りが重いことを裏付けました。

今週の最大のイベント雇用統計は、NFPが、
予想より減少幅が少ない、-21.6万人でしたが、
前月分の-24.7万人が-27.6万人と2.9万人下方修正されました。
また、失業率は26年ぶりの高水準の9.7%でした。

市場の反応は、前月雇用者数の下方修正と失業率ではなく、
予想より少ない-21.6万人に、目が向けられました。
ただし、このような数字が8月に出ていれば、
株式市場は強烈に上昇していたと思います。

最近の株式市場は、良い経済指標にはポジティブに反応しますが、
上昇幅が小さくなってきています。

上記以外で、興味深いものは、8月大規模小売店売上です。
残念ながら、最大の小売業であるウォルマートは、
同社の事情で数字を発表しなくなりました。

この時期の売上げは、クリスマス・セールほど大きくありませんが、
新学期前の「バック・トゥー・スクール・セール」と言って、
米国小売業にとっては大切な時期です。

全般的に、高級店の売上げは大きく減少し、
ディスカウント店の売上げは健闘しています。

これは、まさしく「トレード・ダウン」現象です。
トレード・ダウン」については、7月1日の配信で説明しています。


消費に関して、今年の8月は、2つの特徴があります。

一つ目は、米国では各州が独自に売上税を課しています。
例年7月に、夏休み時期の消費を促すため、「非課税休日」が実施されます。

しかし、今年は一部の州で8月に「非課税休日」が移されました。
理由は定かでありません。
これで、一部の州では1ヵ月消費のズレが発生しています。


二つ目は、「レーバー・デー」がカレンダーの都合で、
8月最終週ではなく、9月にズレたことです。

通常米国では、「レーバー・デー」で夏休み期間が終わります。
また、この日には、「バック・トゥー・スクール・セール」と相俟って、
消費が盛り上がります。

カレンダーのズレにより、「レーバー・デー」消費の一部が、
9月に流れたことになります。
ディスカウント店大手のコストコでは、「レーバー・デー」がズレた影響が、
0.75%あると言っています。

「ポンコツ車現金補助政策」のため、消費が車に流れた可能性もあります。
8月と9月の個人消費の数字はとても興味深いです。

<日本・中国>

日本では、7月鉱工業生産指数が、+1.9%と発表されました。
事前予想よりは良い数字でした。
しかも、8月と9月の生産予想も上向きでした。
まだ、輸出増の余韻があるのでしょうか。

中国では、8月PMIが54.0と、前月の53.3から改善しました。
改善は6ヶ月連続です。
いち早い経済対策の効果が持続しています。


2)今週の株式相場展開


<米国>

週初から金融株が売られて、相場全体に下げて始まりました。
木曜日には、中国市場の大幅反発の影響もあり、少し持ち直しました。
金曜日の雇用統計の発表を好感して、連騰しました。

週間騰落は、ダウで-1.1%、S&P500で-1.2%、
ナスダックで-0.5%と、じり安でした。

筆者の予想は、雇用統計後の反応は大ハズレでしたが、
週全体としてはOKだったと思います。

<日本>

週初は、民主党の圧勝を受けて、朝方はCTAと思われる、
大口買いが株価先物市場に入り、急騰しましたが、続かず下げました。
上下はありますが、下げ基調です。

上海は、高値から20%以上下落して、弱気相場入りしました。
さすがに、値頃感も働き、2日(水)に大きく反発しました。

今後3000ポイントを回復できるか鍵です。


3)来週の主な経済指標等


<米国>

日付       項目                   予想     前月/前週/前期
9日(水)    ベージュ・ブック
10日(木)   7月貿易統計              -265億ドル    -270億ドル
10日(木)   新規失業保険請求件数        55.6万人      57万人
11日(金)   9月ミシガン大学消費者心理指数   67.0         65.7

(出所:マーケット・ウォッチブルームバーグ、ヤフー)

4)来週の株式相場動向


<米国>

週間シナリオは3つです。

A)長期休暇が明け、動意薄で静かな展開、高値を維持する
B)年初来高値を更新する
C)1年で最悪のパフォーマンスの9月に備え、現金比率を高める、
結果として相場は下げる。

それぞれの確率は、Aが40%、Bが30%、Cが30%と考えます。

<来週の一本勝負>

ときどきあるケースです。
長期休暇明け、ファンド・マネージャーは冷静に、
現金比を上げることがあります。

8月までの相場は、業績の回復とリセッションからの脱却で、
相場はV字回復を示しました。

安値から5割の上昇は正当化できました。

しかし、これ以上、業績では買えないレベルです。

明らかに「金融相場」ですから、相場上昇には、FRB
さらなる、金融緩和が必要です。

金利は下げられません。
量的緩和はそろそろ限界のようです。

欧州からは「出口戦略」の準備が囁かれています。

そこで、筆者は、来週も相場は下げると思います。

<日本>

米国市場を受けて、週初はしっかりでスタートです。
その後は、米国が休みですから、動きにくい展開になりそうです。
上海が上昇すれば、少しそれについて行くと思います。

もし、日経平均が10000円を下回れば、下値の目途は9500円辺りです。
週末には「SQ」が控えていますので、日本独自では大きく動けない状況です。

新政権の顔ぶれが、相場に少し影響を与える可能性はあります。


5)その他


景気の立ち直りと株式相場の上昇で、原油価格は高値を伺って良いと
思うのですが、そうでもありません。

それよりも金価格の上昇が気になります。

為替相場に何か起きるのでしょうか。
リーマン・ショックから丁度1年で、単純に金が買われているのでしょうか。

金と原油の動きが気になります。

米国の株式市場の、面白い言葉を紹介します。

キッズ(子供)が学校に戻ると、相場は南に向かう」、

南に向かうとは、下げることを言います。
9月の新学期に入り、米国株式は下げることが多いのです。


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