平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年09月26日

来週の米国株式市場と日本株式市場(09月28日〜10月-02日)


1)今週発表された経済指標等のまとめ


<米国>

項目                 実数       予想      前月/前週/前期
景気先行指数          +0.6
      +0.7%         +0.9%
7月住宅価格指数        +0.3%       NA          +0.1%

FOMC議事録
新規失業保険請求件数    53.0万人    55.0万人        55.1万人*
8月中古住宅販売       510万戸     535万戸         524万戸
8月耐久財受注         -2.4
      +1.0%          +4.8%*
消費者心理指数         73.5        70.2           70.2
8月新築住宅販売        42.9万戸    44.5万戸        42.6万戸*


(出所:ブルームバーグ

今週は、新規失業保険請求件数と、消費者心理指数以外は、
予想に届かない経済指標の発表が、多かったのが特徴です。

また、*印は前月発表された数字が、下方修正されたものです。
唯一、景気先行指数のみ前月の数字が、上方修正されました。

米国経済は、最悪期からは脱出しましたが、
今後の成長の持続性と力強さに、小さな疑問符がつき始めました。

FOMCでは、現状維持のゼロ金利政策が継続されました。

不動産担保証券と政府機関債の、購入プログラムは、総額は変えずに、
来年3月まで延長しました。

前回のFOMC同様、絶妙な綱さばきですが、
悪口を言えば、時間稼ぎです。

バーナンキFRB議長は、景気はボトム・アウトした、と言明していますが、
「出口戦略」に踏み出すことはしませんでした。

一部の市場参加者は、インフレの可能性を考えています。

巨額な財政赤字、ドル余剰、ドル安、金価格上昇等、
確かに将来のインフレを示唆するものは、目に付きますが、
現状の米国は明らかにデフレに見えます。

企業部門、特に国際的に活躍する大企業は、
人員削減やコスト・カットを実施して、損益分岐点を下げました。
今後は売上が増加するかが問題です。

しかし、GDPの7割を占める消費の源泉である、
個人消費は雇用不安と逆資産効果で、萎縮しています。

米国は構造転換し始めました。

米国民は過剰な消費を止め、貯蓄をします。
経済学の公式では、「所得=消費+貯蓄」です。
また、「貯蓄=投資」です。

最近の耐久財受注、特に非防衛資本財受注の数字を見ていると、
向こうしばらくの間、企業は設備投資を必要としません。
それでも、設備投資をするのでしょうか。

需要が少ない中で、生産を増加させれば、
デフレ圧力がますます増大します。

中国や日本が内需を刺激して、米国から輸入するでしょうか。
多少は輸入を増加させても、これには時間がかかります。

設備投資が大きくないのであれば、お金に投資をするのでしょうか。
有価証券や不動産に投資するのでしょうか。
バブルを作りに行くのでしょうか。

「羹に懲りて」いるでしょうから、お金への投資もほどほどではないでしょうか。

<日本>

貿易統計が発表されましたが、内容は新味に欠けるもので、
材料にはなりませんでした。


2)今週の株式相場展開


<米国>

主要株価指数は、週半ばまで、年初来高値を連日で更新しました。
その後、高値での利益確定売りと、少々失望を買う経済指標で、下げました。

週間では、ダウが-1.58%、ナスダックが-1.97%、
S&P500が-2.24%、ダウ輸送株指数が-4.30%でした。
輸送株指数は、高値からの下落率が5%超の-6.09%です。

3月からの長期上昇相場で、6月から7月にかけて、
一瞬上昇歩調を止めた時期も、ダウ輸送株指数がいち早く、
5
以上の調整をしていましたので、要注意です。

<日本>

シルバー・ウィークのため、2営業日のみでした。
9月末の配当権利取りの動きや、CTAの大きな売買で、上下しました。

金曜日の日本株式の取引時間中、
ドル円はかろうじて90円台をキープしていました。

1週間で日経平均は-1.01%下げました。
TOPIXは金融株の下げがきつく-1.79%でした。

<中国>

上海総合指数は、上下200ポイントで、ボラティリティーの高い状態を
継続しています。


3)来週の主な経済指標等



<米国>

日付      項目                予想
       前月/前週/前期
29日(火)  7月S&Pケース・シラー住宅価格指数(注)
29日(火)  9月消費者信頼指数        57.0           54.1
30日(水)  9月ADP雇用指数(注)
30日(水)  第2四半期GDP改定値      -1.2%         -1.0%
30日(水)  9月シカゴPMI            52.0           50.0
1日(木)   9月新車販売           800万台         1010万台

1日(木)   8月個人所得            +0.1%         ±0.0%
1日(木)   新規失業保険請求       53.7万人         53.0万人
1日(木)   ISM製造業景況指数       53.5           52.9
1日(木)   8月建設支出           -0.1%          -0.2%
2日(金)   9月NFP              -17.0万人       -21.6万人
2日(金)   8月製造業受注          +1.0%          +1.3%

(出所:ブルームバーグ

(注)予想数値がない


<日本>

29日(火)  CPI
30日(水)  鉱工業生産
1日(木)   企業短期経済観測調査(短観
2日(金)   雇用統計



4)来週の株式相場動向


<米国>

経済指標の発表が多い週です。
週末の雇用統計で、相場の風景が大きく変わることも時々あります。
短期相場動向を予想することは困難な週です。


週間シナリオは3つです。

A)久しぶりの調整局面に入る
B)切り替えして高値挑戦
C)消化困難な経済指標に相場は一進一退で変わらず

それぞれの確率は、Aが30%、Bが30%、Cが40%と考えます。

月初は、投資資金が市場に入ってくることが多いです。
また、新しい四半期のスタートですから、
流入資金はいつもの月よりも多い可能性があります。

9月22日時点の、「インベスターズ・インテリジェンス」の調査では、
ブルの減少が続きました。

2.00以上が「極端な強気」で警戒水準の「ブル・ベア・レシオ」は
1.91まで低下しました。

同様の調査で、「米国個人投資家協会」が行っている調査があります。

9月23日時点で、ブルが39.09%、ニュートラルが16.36%、
ベアが44.55%となっています。

興味のある方は、下のURLを見てください。

http://www.aaii.com/

<日本>

90円割れになった為替市場と、弱い海外株式市場から、
週初は安くスタートします。日経平均先物のサポートを切ってしまいそうです。
日経平均の1万円割れを覚悟しましょう。

<中国>

上海総合指数は、2700から3000ポイントのレンジで、
上下激しく動くシナリオに変化はありません。

但し、長期休暇前に、あまり下落すると、政府が支えると思います。

<来週の一本勝負>

今週の筆者の高値警戒スタンスはOKだったと思います。
来週も継続です。
いったん調整入りする方が相場らしいと思います。

調整しても前回同様、期間は短くて値幅の浅い調整の可能性が大きいです。

しかし、相場はいつも考えられない方向へ動きますので、
もしかすると、年初来高値トライが続くかも知れません。

または、深い調整になるかも知れません。

以前レポートしたことがある、コーポレート・インサイダーの自社株売りが
さらに増加しています。

近いうちに、レポートします。


5)その他


金価格は1トロイ・オンス1000ドルを切りました。

為替相場はドルが下げています。
株式市場はもたついています。
相対的に金が下げる状況ではありません。
高値挑戦したものの、果たせず下げました。

恐らく金相場独自の動きだと思います。
為替や株が調整するのであれば、高値は更新すると思います。


ドル円為替は、ようやく90円を切りました。
胸がすっとします。

今週、ガイトナー財務長官が、就任後初めて「強いドル」発言をしました。
ゴールドマン・サックスシティが「円安」を唱えています。

彼らは大きな玉を振り回します。


87円くらいは、視野に入りますが、今日現在、80円を切るまでには、
ならないのではないかと思っています。

ここからは、用心深くドル売りでしょう。

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