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2009年09月29日

失業保険制度


今回は、米国の失業保険制度について、基礎知識として解説します。
既に、本制度について、造詣の深い読者の方は、読み飛ばしてください。


<通常の制度と緊急対策>

通常の各州レベルの失業保険は、自己都合退職ではない失業者へ、
最長26週間給付されます。

給付資格は、きちんと正社員への就職活動をすることです。
パートタイムのみを探す場合は不可です。

26週間を使い切った失業者は、最長20週間の、
連邦政府緊急失業対策(以下EUC)に、移行します。

この層をティア1と呼び、保険給付は各州で行います。

それでも就業できない場合、ティア2となり、
最長13週間保険給付を受取ることができます。

EUC下でも就業できない失業者には、
連邦政府の延長保険(以下EB)の給付が用意されています。

延長期間は最長で20週間です。

<現状>

9月第1週、約950万人が失業保険を受給しています。
そのうち、約370万人はEUCとEBの受給者です。

連邦政府は上述のように、今回の金融危機で、
失業保険期間を最長79週まで延長しました。

今回の景気後退局面で、失業保険請求した人のうち、
半数以上の人が、26週以降も就業できず、
失業保険請求権を使い切ってしまっているからです。

8月の失業率は9.7%でした。

失業者数は約1500万人で、500万人以上が半年以上失業中です。

日本でもそうですが、職探しを止めたり諦めたりすると、
定義上、失業状態ではなくなってしまいます。

失業保険を受給しなくても、失業者には算入されますが、
失業保険請求権を失うと、失業者ではなくなります。

多くのエコノミストは、失業率は2010年まで上昇し続け、
その後は、じわじわと下げると見ています。

延長失業保険制度は、時限立法ですから、来年前半でその効力がなくなります。

<政治の動き>

下院は、最長79週のEUCとEBを、2010年一杯まで延長する法案を可決し、
さらに13週延長する、最長92週の再延長失業保険制度を、
高失業州に適用できるようにもしています。

上院での審議が待たれます。

9月末で、約40万人の失業者が、最後の失業保険の給付を、
受取ると推計されています。

また、年末には、合計140万人の失業者が、
最後の小切手を現金化すると計算されています。

失業保険制度は、雇用者に課せられますが、
保険料率は、ほとんどが、安い賃金に合わせた形になっています。

いくつかの州では、失業保険基金が底をついているため、
連邦政府が、料率を引き上げました。

各州で料率は異なり、需給資格も微妙に異なります。

国全体としては、給付額は、就業期間や賃金に基づいて、
おおまかに言って、就業中の約6割程度が、支払われます。

給付の最低はミシシッピ州で、1週間で193ドル、
最高はミネソタ州で、408ドルとなっています。

失業保険基金からは、失業者への保険給付のみならず、
雇用対策や景気刺激策のための支出もあります。

今年は、現在まで、約760億ドルが支払われました。

そのうち、188億ドルは景気刺激策のための支出です。

支払われた金額は、個人所得の0.9%に相当します。

延長失業保険給付のための、各州への資金交付のほかに、
失業者に1週間25ドル上乗せして給付する政策も、
連邦所得税から配分されています。

一部の研究で、13週延長して保険給付を受取ると、
就業が2週遅れるとのことですが、現実は厳しいです。

有効求人倍率は、0.5前後でなかなか就業できない状況です。

今週金曜日に発表予定の、雇用統計の予想の中心値は、
ブルームバーグによると、NFPは17万人減、
失業率は9.8%となっています。


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