平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年10月07日

資産運用の実際(その3)


2-1.分散投資

欧米では、「卵は一つのかごに入れてはいけない」と言う、ことわざがあります。

卵はお金のことです。
かごは投資する対象を指します。

つまり、お金は一種類の資産、
たとえば、一銘柄にのみ投資してはいけないと言う意味です。

言い換えれば、お金は分散して投資をしなさいと言う教えです。

分散とは、投資対象として、複数の資産に分散することを言いますが、
さらに、投資タイミングとして、時間も分散することを言います。
一度で全部投資することなく、複数回に分けて投資することも分散投資です。


2-2.分散投資資産配分

具体的に、どのように資産やタイミングを分散するのかを、
考えて決めるのが資産配分です。

アセット・アロケーション

資産配分のことを、英語でアセット・アロケーションと言うことが多いので、
覚えておくと便利だと思います。

また、似たような意味で使われる英語に、ポートフォリオがあります。

両者に特別大きな差はありません。

アセット・アロケーションは、株式・債券・現金等の資産を、
どのような比率で、または、どのくらいの量で保有するかの、
配分を決める作業や意思決定のことを言います。

ポートフォリオ

一方、ポートフォリオは、資産配分によって組み合わされた、
ひと塊の資産全体のことを言います。

つまり、ポートフォリオは、資産配分の結果、出来上がった全部の資産、
と考えていただければ理解しやすいと思います。

アセット・クラス


株式や債券等の個別の資産のことを、運用の世界では、資産クラスと言います。

英語で、アセット・クラスとも言いますので、
この際、覚えておくと、理解が深まると思います。

<まとめ>

資産配分とは、資産クラスの組み合わせを決めることです。

言い換えると、資産配分とは、
国内株式・国内債券・外国株式・外国債券・現金等の
保有比率を決めることです。

その上、有価証券ではない不動産や金等の資産を、
保有するのか否か、保有する場合は、どのような比率で保有するのかの、
配分を決めることです。


2-3.運用期間・運用目的と資産配分


筆者が、以前運用していた資金は、年金や投資信託の資金でした。

長期で慎重に運用されるべき資金ですが、
機関投資家の場合は、単年度で運用パフォーマンスが評価され、
資産運用契約そのものが、継続されたり、解約されたりするものでした。

年金運用の場合、評価するのは年金スポンサーです。

年金スポンサーとは、企業年金の担当部署で、
通常は総務や人事の部署を指したり、
当該部署から委託された年金コンサルタントを指したりします。

投資信託運用の場合、評価するのは、
投資信託の受益証券保有者(投資家本人)や、
投信コンサルタントや投信販売証券会社の投信評価部門です。

長期の運用ですが、運用パフォーマンスが芳しくなく、
短期間で打ち切りになる(実際は1年では解約されません)こともあり、
本当の意味で長期運用かどうかは、今から考えれば、忸怩たるものがあります。

ここでは、個人投資家の運用期間や目的に絞って説明しようと思います。

運用期間や目的は、投資家が置かれた状況や条件により、とても複雑です。

例えば、まとまった資金を長期間運用する目的なのか、
目標額に向かって資金を増やす目的なのか。

また、運用期間の長短や資金の多寡に直接関係無く、その他の条件で、
定期的な収入の有無、扶養家族の有無、
住居は自己所有か賃貸か等々、千差万別です。

そのため、なるべく単純化して説明しようと思います。

<短期の運用>


子供の入学資金や学費等を積み立てる目的の場合、
それほど運用期間は長くないものです。

通常、期間数年の運用は短期の運用です。
そのため、価格変動の小さい資産クラスを選びます。

たとえば、定期預金や短期の債券等です。

自動車を購入するために、資金を積み立てようとする場合も、
短期運用に該当すると思います。

ただし、ローンを組んで自動車を購入するケースの方が多いかも知れません。

<中期の運用>

マンションや住宅購入の頭金を貯めようとする目的で、
5年〜10年程度の中期の運用期間の場合も、
価格変動の比較的少ない資産クラス
たとえば定期預金、中短期の債券及び電力株等の配当利回りの高い公益株を
選ぶケースが多いと思います。

配当利回りが高い株式は、成熟企業であることが多く、
安定したキャッシュフローを株主に還元するケースが多いです。

結果として、株価の変動は新興企業等の成長企業と比較して、
小さくなる傾向があります。

蛇足ですが、ネット証券会社で提供されている、
銘柄選択のための「スクリーニング」機能を使用して、
配当利回りの高い銘柄を検索すると、業績が悪いにもかかわらず、
配当を据え置いている企業が見受けられます。

そのため、株価が下落して、極端に配当利回りが高くなります。
そのような企業は、非常に高い確率で、後日配当を下げますので、
結果として低い配当利回りになりますので、注意してください。

<長期の運用>

サラリーマン(自営業の場合も同様)で、
定年後(引退後)の生活資金を確保するために、
10年を超える長期で運用する場合、
将来のインフレ・リスクに打ち勝たなければいけません。

通常は株式や不動産等の資産配分を、大きくすると思います。

1990年のバブル崩壊以降、20年近く経過しました。
「20年近く」は当然長期間です。
その間、日本はインフレではなくデフレでした。

1980年代後半のバブル期に、「長期の運用」として、まとまった資金を、
国内株式や国内不動産のみに振り向けた投資家の投資成果は、
容易に推測できます。

この点では、長期運用では株式や不動産の配分を大きくすると言う、
理論や教科書は通用しませんでした。

しかし、バブル期以降の期間でも、分散投資として、
海外資産をある程度保有していれば、
国内資産のみで運用しているケースよりは、資産の目減りは小さいはずです。

つまり、国際分散投資をすれば、為替変動と言う大きなリスクも、
長期運用であれば十分に果実があると考えられます。

時間は、株式や為替等の大きな価格変動を、乗り越えることが可能です。
その上、不動産のような、流動性が乏しい資産クラスでも、
時間は有効に働きます。

ここまでの説明は、分散投資をすることを前提に記述してきました。

しかし、相場を当てることが、天才的に上手い投資家には、
分散投資は不要です。

株式でも為替でも、価格変動が大きな、単一の資産クラスの売買で、
十分に大きな投資成果をあげることが可能です。

分散投資すると、反対に投資成果が低下してしまいます。
資産配分は、単一の資産クラスと現金ポジションで、
必要十分条件を満たします。

大部分の投資家は、残念ながら「天才」ではありません。
そのため、分散投資をする必要があります。


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