平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年10月17日

来週の米国株式市場と日本株式市場(10月19日〜10月23日)


1)今週発表された経済指標等のまとめ


<米国>


項目                実数       予想      前月/前週/前期
9月小売売上          -1.5%      -2.1%         +2.2%
8月企業在庫          -1.5%      -0.9%         -1.1%
9月CPI              +0.2%      +0.2%         +0.4%
新規失業保険請求件数   51.4万件    52.5万件        52.4万件
9月鉱工業生産指数      +0.7%      +0.1%         +1.2%
9月設備稼働率         70.5%      69.7%         69.9%
10月消費者心理指数      69.4        73.5          73.5

(出所:ヤフー・ファイナンス)

小売売上は予想よりも良く、相場にはプラスの影響がありました。
雇用は少し改善してきて、市場に安心感が出ています。
物価も依然安定しています。


上表にはありませんが、フィラデルフィア連銀
ニューヨーク連銀の製造業景況指数が発表されました。

結果はマイナスとプラスで好対照でした。

生産関連の指標は好調でしたが、消費者心理にかげりが出ました。

節目を抜けた株式相場では、一部企業決算の失望とともに、
利益確定の理由にされました。

前回の定期配信でも述べましたが、
債券市場と株式市場の描く将来像は、正反対です。

経済指標でも、同じような異なった見方が顕在化しています。

製造業を中心とする生産面では、はっきりとリセッションから脱出して、
成長スピードもそこそこです。

一方、個人レベルでは、就業機会の少なさや失業の長期化で、
生活防衛モードです。

消費を抑制して貯蓄に回します。
負債を減らそうとしています。
このような状況では、景気回復には多くを望めません。

債券と株式、企業と個人、示唆しているシナリオのどちらかの勝敗は別として、
確実に言えることは、財政と金融の支援政策なしでは、
実体経済は極端に悪かったです。

現在そして近い将来の景気もかなり悪いです。

<日本>

8月の鉱工業生産指数確報値は、+1.6%と速報値から下方修正されました。

春以降、上昇幅が縮小しています。
生産面で少し、息切れ感もあるのかも知れません。


2)今週の株式相場展開


<米国>

インテルの好決算と、今後の強気見通しで、相場は上昇しました。

また、予想されてはいましたが、
JPモルガンゴールドマン・サックスの決算は良いものでした。

連日年初来高値をつけましたが、
市場の期待値はかなり高めになっている感じがします。

ダウは節目の1万ドルをつけました。
目標達成したと考える参加者と、投資家心理が好転して、
さらに上昇すると考える参加者の対峙です。

金曜日は、GEBOAの決算で下押しました。

消費者心理悪化も下げ要因となりました。

週間では、ダウが+1.33%、ナスダックが+0.82%、
S&P500が+1.51%、ダウ輸送株指数が3.80%でした。
先週に引き続き好調です。

決算も事前予想よりも良い数字を発表する企業数は多いです。
しかし、3ヶ月前ほどの「サプライズ」ではないような気がします。

<日本>

為替市場で円高が一服して、上値は重いものの、
米国市場に連れて、連騰しました。

1週間で日経平均は+2.41%、TOPIXは+0.35%と上昇しました。

日本株は出遅れているとのコメントが多いですが、
これが実力ではないでしょうか。

<中国>

絶好調だった国慶節期間中の景気から、相場はもっと上昇するかと、
思いましたが、上海総合指数は3000ポイントで頭打ちでした。

周総裁(中国人民銀行)の引き締め転換と取れる発言で、
市場は警戒しています。

バルチック海運指数は、好調持続です。


3)来週の主な経済指標等


<米国>

日付     項目                 予想      前月/前週/前期

20日(火)  9月住宅着工件数       61.5万戸        59.8万戸
20日(火)  9月生産者物価指数      -0.3%          +1.7%
21日(水)  ベージュ・ブック
22日(木)  新規失業保険請求件数    51.9万件        51.4万件
22日(木)  9月景気先行指数        +0.9%          +0.6%
23日(金)  9月中古住宅販売件数     535万戸        510万戸

(出所:ブルームバーグ

引き続き市場は、マクロの経済指標よりも、
ミクロの企業決算を注目しています。

経済指標が予想よりも良い場合は、
相場をさらに押し上げる要因となります。

企業決算と経済指標の双方で、とくに製造業や生産面の指標には、
楽観論が主流になりつつあることは事実です。

値ごろ感から、住宅には需要が出ましたが、
失業率の高止まり、差押さえの増加が、
住宅市場にどのような影響を与えるのか、注目です。

今後数ヶ月の動向は目が離せません。

失業や住宅対策は、政府としては、
継続する方向で議会と協力すると思います。

住宅関係と雇用の指標が、予想に反して、
大きく悪化するケースでは、相場はかなり上昇しているため、
利益確定の理由付けにされる可能性があります。

<日本>

22日(木)の9月貿易統計が、少し注目される程度です。


4)来週の株式相場動向


<米国>

A)好決算の発表が継続して相場は上昇、年初来高値を更新する

B)事前予想のハードルが徐々に高くなり、例え好決算を発表しても、
  「ノー・サプライズ」で、市場の関心がマクロに戻る

C)達成感から、利益確定の動きが広まり、相場は下げる

それぞれの確率は、Aが40%、Bが40%、Cが20%と考えます。

強気の市場参加者の中には、さらに1割程度の上昇を見込む人もいます。

現金ポジションが大きく、節目を抜けたので、
投資家心理は好転して、あせって買いに入るとのこと。

米国では、強気市場で、最後に買うのは個人投資家と言うことになっています。

ときどき報告しています、AAIIの10月14日時点の調査では、
ブルが47.30%、ニュートラルが18.92%、
ベアが33.78%です。

ジャブジャブの過剰流動性相場です。
株式市場では強気の投資家は多いです。


原油価格が上昇しています。
金価格も最高値です。

程度の差はあっても、株式相場は安値から、
何10パーセントも上がっています。

少し前に見たような光景です。
デジャブです。

<日本>

上値を抑えていた円高の勢いは弱まりました。

日経平均と比較すると、TOPIX
パフォーマンスが悪いです。
亀井大臣のモラトリアム政策が、影を落としていることは事実ですが、
増資の可能性を気にしています。

国際会議での日本の発言力の弱さ、長期戦略の欠如から、
日本の金融機関は、さらに増資する必要性が出ています。
普通株での増資です。

来週も、米国の動きに一喜一憂しながら、
横目で中国市場を気にしながらの展開です。

<中国>


この2ヶ月間、上海総合指数は2700から3000ポイントのレンジです。

上に抜けると、逆三尊で3400ポイントより上値をトライしそうです。

為替の動向、リスク資産選考の強弱、経済が良い国の「出口戦略」等から、
反対に下値を探る可能性も否定できません。

<来週の一本勝負>

10月の戦略的な変更はありません。

ストラドル」です。「バイ・ボラティリティー」戦略が
有効ではないかと継続して考えています。

シカゴのVIX指数が10日連続下落して21.43を記録しています。
同指数は「恐怖指数」とも言われています。

昨年のリーマン・ショック後80以上をつけていましたが、
現状は「恐怖」が消え去りました。


近いうちに米国株が高値から5%下げると、その時点で、
売りから入りたいと思い始めています。

今回の企業決算と月初めの雇用統計は3ヶ月前と似た状況です。

前回6月から7月にかけての調整局面は極浅く短期間でした。

今回9月下旬に少し下げましたが、
市場では調整入りとの言葉は皆無でした。


あまのじゃくの筆者は、市場は少々楽観の度合いが強いと感じています。
しかし、売りから入るときも、リスクは限定した売りが望ましいと思います。


5)その他


米国の政府高官に対して、大変無礼な書き方だと、わきまえております。

最近のトーク・アップは耳障りです。

基軸通貨として、重要な責務を果たさなくてはならないドルですが、
どこかの国の自由民主党と同じく、制度疲労、用済み、賞味期限切れです。

「出口戦略」が取れない米国は、過剰流動性を市場に流し続けるしか、
方法はありません。

甘い基準のストレス・テストと、会計基準の変更で、
覆い隠している不良資産を、
資産価格の上昇で補うしか方法はありません。

見識のあるボルカー前FRB議長、現経済再生諮問会議議長が、
失業率が高止まっていても流動性を吸収すべきと言っても、
現在インフレの兆候は、まったくない状況です。

来年になって、インフレの兆候が出てくる可能性も極めて低いと思います。

言い換えれば、インフレの兆候が出てくるまでは、
米国はドル紙幣を印刷し続けます。

インフレの兆候が出てくるまでは、ドルは減価し続けます。

相場にはリズムがあります。
上下します。

今回のドル安円高局面も、一旦小休止のようです。

しかし、大きな相場の方向は、依然として下向きだと思います。
ドル安です。

筆者は、正直に「円」もドルと同じだと思っています。
国と地方が抱える借金は、どうにもならないところまで、
行ってしまいそうです。

米ドルには強含みむでしょうが、
他通貨にはなかなか優位性を発揮できそうもありません。

最後に、FDICは資金ショートしそうな状態です。

商業不動産の低迷は止まりません。
消費抑制で、消費者はショッピング・モールへ出向く回数は減っています。
商業不動産に融資している地銀の破綻も止まりません。

保険料前払いの要請をしています。
保険料率アップの可能性もあります。

450億ドル(約4兆円)と大きな金額ですから、
金融機関へのダメージは大きいです。

これを材料に相場が動く可能性はありますので、要注意です。

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