平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年10月24日

来週の米国株式市場と日本株式市場(10月26日〜10月30日)


1)今週発表された経済指標等のまとめ


<米国>

項目                実数        予想      前月/前週/前期

9月住宅着工件数       59.0万戸      61.5万戸       58.7万戸
9月生産者物価指数      -0.6%       -0.3%         +1.7%
新規失業保険請求件数   53.1万件      51.9万件       52.0万件
9月景気先行指数        +1.0%       +0.9%         +0.6%
9月中古住宅販売件数    557万戸      535万戸        509万戸

(出所:ブルームバーグ

雇用と住宅着工は、芳しくありませんでしたが、
景気先行指数は、予想を上回る数字でした。

また、週末の中古住宅販売は、とても良い数字で、
2年ぶりの高水準でした。

中古住宅販売の好調さは、11月末終了予定の、
初回購入者への8000ドル税控除の駆け込み効果との報道があります。

ただし、在庫も減少しましたので、今後には好影響でしょう。
差押さえが急増しないことが、前提条件ですが…。

マクロの経済指標は、為替や債券市場に、より大きな影響を与えていて、
ミクロの多くの企業決算は予想を上回り、株式相場に好影響を与えています。

<日本>

貿易統計は、市場にインパクトはありませんでした。
中国のGDPが注目されましたが、ほぼ予想通りの数字でした。


2)今週の株式相場展開


<米国>

ダウは節目の1万ドルで、ジグザグはしましたが、
主要指数は年初来高値を順調にクリアして、好調です。

しかし、直ちに1万ドルは通過点として、グングン上昇する力はなさそうです。

今後の相場は、結果論として、後で分かることです。
よくあるパターンで、高値付近で上下を繰り返しているのか、
踊り場を形成して、パワーを貯めてさらに上昇するのか。

意見は投資家のスタンスで違います。

週間では、ダウが-0.24%、ナスダックが-0.11%、S&P500が-0.74%、
と上下したものの、前週比で少しの下落に留まりました。

しかし、鉄道株の業績がさえないため、
アナリストからレーティングの引き下げがあった影響で、
ダウ輸送株指数は-5.42%と大きく下げました。

現在、ダウに先行性があると考えられている、
フィラデルフィアのSOX指数と、ダウ輸送株指数は、
チャート的には、もう少し下落すると、ダブル天井を形成しそうにも見えます。

<日本>

為替市場では、円高の方向が逆転し始めた感じです。
日本株の上値は重いものの、米国市場と中国市場に支えられて、
小幅上昇しました。

1週間で日経平均は+0.25%、TOPIXは+0.12%でした。

<中国>

一言、強いです。
先週指摘しておきましたが、逆三尊を形成した模様です。


3)来週の主な経済指標等


<米国>


日付    項目                   予想     前月/前週/前期
27日(火) 8月ケースシラー住宅価格指数   NA        +1.7
27日(火) 10月消費者信頼感指数       54.0         53.1
28日(水)
 9月耐久財受注           +1.5%        -2.4%
28日(水) 9月新築住宅販売         44.0万戸      42.9万戸
29日(木) 第3四半期GDP            +3.0%       -0.7%

29日(木) 新規失業保険請求件数     52.5万件      53.1万件
30日(金) 9月個人所得             ±0.0%       +0.2%
30日(金) 9月個人消費支出          -0.5%        +1.3%
30日(金) 10月シカゴPMI             48.5         46.1
30日(金) 10月消費者心理指数         70.0         69.4

(出所:ブルームバーグ

企業決算の峠は越えました。

ミクロからマクロの経済指標へ重心が移行する週になります。

雇用・所得・消費等が改善するのか。
企業業績や生産面の向上は、既に目の前に現れていますので、
次に関心が移ります。

<日本>

29日(木)9月鉱工業生産と30日(金)9月CPI及び、
企業決算が多く発表されます。


4)来週の株式相場動向


<米国>

政策金利や短期金利の動向に敏感な、
2年国債の利回りがジワリ上昇しました。

気の早い市場参加者は、来年第1四半期の、
政策金利変更を読み込み始めています。

たとえ、FF金利が0.5%に引き上げられても、今回の金融危機までの、
史上最低金利であることは事実です。

十分に緩和的であると思いますが、金利の方向性で、
弱気に傾くのはよく理解できます。

資産運用会社のPIMCOの、ビル・グロス氏は、
債券ファンドでモーゲージ債を売却しています。

同氏は、米国経済の回復には懐疑的で、
金利は上昇しないと考えていました。

当然、株式市場の調整の可能性も指摘していました。

過去に何度か言及していますが、債券市場と株式市場では、
景気の見方とインフレの考え方が、正反対でした。

どちらかのシナリオが間違っているような気配でしたが、
両者から歩み寄る形で決着するのでしょうか。

金価格の上昇は、ドルが下落し、
金の通貨としての側面を強く意識した動きでした。
その上、財政赤字の増大で、将来のインフレ懸念から、
ヘッジ目的で金が買われたことも事実です。

原油価格や他の商品価格の上昇は、
ドル安はもちろんですが、新興国の経済成長が基本です。

一時期下落していた、バルチック海運指数もかなり上げてきました。

為替市場の方向転換や、債券市場の不穏な動きを考えて、
株式相場を占います。

3つのシナリオです。


A)ドル安反転が契機となり、株価バリュエーションが割高になっているのに、
  市場はようやく気づく。S&P500指数で見ると、株価収益率は21倍近辺まで
  買われている。低金利の下支えが少し揺らぐ。結果として、
  相場は下げ方向に動く
B)決算の数字が、引き続き好調で、下げない
C)個人投資家からの資金フローが流入し、金利上昇やドル高は気にせずに、
  年初来高値を更新し続ける

それぞれの確率は、Aが40%、Bが40%、Cが20%と考えます。

<日本>

企業決算発表が多く、このことを口実に、
膠着状態になる可能性はありますが、来週も今週に引き続き、
米国の動きに一喜一憂しながら、
横目で中国市場を気にしながらの展開です。

上値は限定的ですが、相場の方向は少し上向きのようです。

<中国>

上海総合指数は、逆三尊が完成した模様です。

3400ポイントより高値をトライしそうです。
突然、経済金融政策を引き締めることはないと思います。
現状維持であれば、高値トライです。

政策変更があれば、波乱の可能性は残ります。

<来週の一本勝負>

ダウ輸送株指数SOX指数が、ダブル天井をつけるかどうか見ものです。

輸送株は足が速いですから、既に高値からは5%以上下げています。
その動きが他の主要株式指数に影響を与えるかどうかです。

少し、株式相場は調整したがっているように感じます。
売っても良い時期かも…。


5)その他


為替は円高局面が終了したのではないかと感じます。
ドルは円以外の通貨(特にユーロ)に対しては減価していますが、
円に対しては減価しにくくなっています。

日米景気のベクトルは、米国の方が先に上向きでしょうから、
日本は出遅れです。

物価上昇の側面でも、日本は米国以上に物価上昇は考えられませんから、

来年の遅い時期には、政策金利差も復活するでしょう。

財政赤字の問題も、根底には存在します。
政権交代は実現しましたが、期待感が萎んできています。
安全保障でも、米国は民主党政権に対して少々不信感もありそうです。
外人投資家が継続して、日本株を大きく買い越すのか、
小さな疑問符がつくかも知れません。

新興国の経済成長が、先進国経済にプラスの影響を与えています。
日本は、地理的には有利な状況です。
日本のグローバル企業は「コバンザメ」作戦でしょうか。

世界経済が、ダブル・ディップするような状況や、
リスク資産市場が不調になると、円は避難先として
再度買われる展開となりそうですが、
果たしてそうなるでしょうか。

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