平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年10月31日

来週の米国株式市場と日本株式市場(11月02日〜11月06日)


1)今週発表された経済指標等のまとめ


項目                  実数      予想      前月/前週/前期

8月ケースシラー住宅価格指数 +1.4%      NA         +1.7%
10月消費者信頼感指数      47.7       54.0          53.4
9月耐久財受注           +1.0%     +1.5%        -2.4%
新築住宅販売           40.2万戸    44.0万戸      41.7万戸

第3四半期GDP           +3.5%     +3.2%        -0.7%
新規失業保険請求件数     53.0万件    52.5万件      53.1万件
9月個人所得            ±0.0%     ±0.0%       +0.2%
9月個人消費支出          -0.5%     -0.5%        +1.4%
10月シカゴPMI            54.2       48.5          46.1
10月消費者心理指数        70.6       70.0          73.5

(出所:ブルームバーグ

住宅価格は底を打っている模様ですが、
銀行ローン組成に時間がかかり、
11月末で切れる予定の税控除に間に合わない可能性から、
購入が控えられ、新築住宅販売は予想を下回りました。

民間設備投資の先行指標である、
非国防資本財受注は+2.0%と好調でしたが、
消費者信頼感指数やリッチモンド連銀製造業景況感指数が、少し不振でした。

雇用はわずかに改善しました。
同じ日に発表されたGDPは、予想より強い数字で、
再度リスク選考が高まり、株・商品相場が上昇し、ドルと円が下げました。

週末のシカゴPMIは、新規受注と生産が伸び、
景気拡大の境目の50を越えました。

しかし、消費者心理が落ち、シカゴPMIの雇用が下げていたこと、
個人所得や消費が不振であることに、市場は敏感に反応しました。

以上、順を追って説明しましたが、まとめると

金融財政政策に支えられ、生産は少し回復、
消費も一時的に持直しました。

住宅価格の下落で需要は少し出ています。

しかし、雇用は低迷したままで、消費から貯蓄へと、
家計のリストラは継続中、
このところのマクロ経済の見方は変更する必要はありません。

<日本>

都区部と全国のCPIで、毎度のことデフレを確認しました。
若干好転した雇用状況ですが、企業内失業を考えると、
依然雇用は大きな負の側面を抱えたままです。

企業決算は、おおむね良好で、収益の上方修正が多かったですが、
今後についての見通しは、厳しいままだと感じます。


2)今週の株式相場展開


<米国>

予想を上回るGDPが発表される前までは、
ダウ指数のみ底堅かったですが、
ダウ指数以外の主要指標は高値から5%以上下落し、
テクニカル的にも重要なポイントを下回っていたので、
相場の雰囲気は暗くなっていました。

GDP発表以降、相場は大きく上昇、
再度上値をうかがう展開に戻ったかと思わせました。

ところが、週末に下落、相場は「いってこい」で、
GDPで上げた分以上下げてしまいました。

このような展開を想像するのは至難の業です。

ゴールドマン・サックス(以下”GS”)が、GDPの予想を直前に引下げ、
市場参加者に弱気のイメージを植付けていました。

しかし、実際GSは株価指数先物で、ロング・ポジションで、
上手く儲けたようです。
相場の世界によくある「騙し」でしょうか。
ボーナス前に稼いでおこうと考えたのでしょう。

週間では、ダウが-2.60%、ナスダックが-5.08%、
S&P500が-4.02%、ダウ輸送株指数は-5.04%と2週連続で下げました。

ザラ場高値から、金曜日の安値を比較すると、
ダウが-4.30%、ナスダックが-6.87%、S&P500が-6.17%、
ダウ輸送株指数が-11.69%です。


ダウだけが5%未満の下げ幅です。
輸送株に至っては、調整局面の平均値である-10%に既に到達しています。


ダウに先行性があると考えられている、フィラデルフィアのSOX指数と、
ダウ輸送株指数は、ダブル天井を形成しました。

ダウも木曜日の陽線を、金曜日の陰線がかぶせ、チャート的にも、
下落を示唆しています。

最後に、シカゴのCBOEで取引されている、VIX指数
7月8日以来30に乗せました。

<日本>


週初めは、為替相場の影響もあり、珍しく海外市場と比較して堅調でした。
しかし、不穏な米国市場の動きから、日経平均は節目の1万円を切りました。

翌日には、GDP発表後の米国株の上げを受け、日本株も上昇し、
再度1万円を回復、振れの大きな展開が続いています。

週間で日経平均は-2.41%、TOPIXは-0.82%でした。

銀行株に足を引っ張られていたTOPIXが相対的に回復してきました。

日経平均は、ユニクロのファーストリテイリング株の上昇で、
全体指数が持上げられている状態ですが、
このようなことは長くは続きません。

<中国>

逆三尊が形成されて、高値を付けに行くかと思いましたが、
世界的な株安に押されて、節目の3000ポイントを割込みました。

世界中の株式市場は振れの大きな、
ボラティリティーの高い状態が続いています。
10月の戦略である、「バイ・ボラティリティー」の
ストラドル」は正しかったようです。


3)来週の主な経済指標等



<米国>

日付    項目                  予想      前月/前週/前期

2日(月)  10月新車販売台数        730万台       670万台
2日(月)  10月ISM製造業景況指数     53.0         52.6
2日(月)  9月建設支出            -0.2%        +0.8%
3日(火)  FOMC開催
3日(火)  9月製造業受注           +1.0%        -0.8%
4日(水)  10月ADP雇用報告
4日(水)  10月ISM非製造業景況指数    51.6         50.9
4日(水)  FOMC議事録
5日(木)  新規失業保険請求件数     52.3万件       53.0万件
6日(金)  10月失業率             9.9%         9.8%
6日(金)  10月NFP             -17.5万人       -26.3万人
6日(金)  10月消費者信用残高     -100億ドル      -120億ドル

(出所:ブルームバーグ

来週も多くの経済指標が発表されます。
個別の指標で右往左往しそうですが、重要なものは、雇用統計です。
失業率が10%に乗せると、心理的な圧迫感は大きそうです。

FOMCで出口戦略に言及があるかどうかに、関心が集まっています。


4)来週の株式相場動向


<米国>

3月に大底を打った強力な強気相場に曲り角が来ました。
6月から7月にかけて、ミニ調整局面以来の下げです。


新興国の市場も不穏な動きです。
デカップリング論」が喧伝されると、相場は転機を迎えます。
2007年も同じでした。

確かに、今の米国には世界経済を牽引する力はありません。
中国だけが元気です。
しかし、中国だけでは力が足りません。

100年に一度の危機と騒がれた状態から、短期間でよく上昇しました。
休んでも良い時期です。
政策当局が、気を抜くと本当に二番底が来るかも知れません。

金利は低く、流動性はジャブジャブにしておかないと、
リスク資産価格は上昇しません。

来週のシナリオです。


A)高値から10%を目処に下げる
B)経済指標が予想を上回り、下げ渋る
C)過剰流動性は健在で、高値を狙う

それぞれの確率は、Aが60%、Bが30%、Cが10%と考えます。

<日本>

週初めは、米国市場の下落を受け、
日経平均は1万円を切ってスタートします。
その後は、いつもと同じで、米国や中国市場を見ながらの展開です。

リスク回避の流れが加速するようだと、円が一時的に買われ、
株式相場にはネガティブに作用しますので、
下げ幅は米国より大きくなる可能性があります。

<中国>

中国版ナスダックの異常人気で、少しバブルを警戒しそうです。

3400ポイントの高値トライはお預けになりました。

<来週の一本勝負>

久しぶりに「売り」から入れる相場つきになりました。
下値は、10%の調整幅と見ておくと良いのではないでしょうか。

強気の参加者は多いです。
投資待機資金も豊富です。
経済指標は改善しています。

金融財政はまだまだ相場にはフレンドリーです。

二番底に向かうのであれば、天井を打って、
相場は20%以上下げると思いますが、二番底は時期尚早だと思います…。

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