平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年11月11日

資産運用の実際(その5)


4-1.分散投資とアセット・アロケーション


日本では、昔から、財産三分法の考え方があります。

三分の一が証券(株や債券)へ、三分の一が不動産へ、
そして、三分の一が現金(銀行預金等)へ資産配分する方法です。

この考え方は、長期投資における、資産配分そのものだと思います。
大変参考になると思います。

また、米国では、「100から自分の年齢を引いた差を、
株式投資の配分比率」とする考え方があります。

例えば、現在40歳だとすると、長期投資での株式の配分は、
金融資産の60%になります。

運用期間が長くなれば、それだけ多くのリスクが取れると、
理解すべき教えだと思います。

長期の資産運用は、ある目的のために、
定期的に資金を積み立てて運用したり、
まとまった資金を運用したりすることですから、
短期的な相場変動には、一喜一憂せずに、
きちんとアセット・アロケーションをして、
ポートフォリオを構築することが大切なことです。

しかし、そうは言っても人間は弱いものです。

ドキドキ、ハラハラするものです。金融市場の変動も大きく、
「100年に一度」の危機では、長期投資だと悠然と構えていられるほど、
精神力は強くないものだと思います。

事実、日本の株価指数は、1989年末からのバブル崩壊以降、
まったく醜いパフォーマンスだと言っても、過言ではありません。

バブル崩壊後の20年間は長期です。
長期投資だから株式投資…、本当に理論を信じて良いのでしょうか。
筆者も大きく悩むところです。

しかし、「現代ポートフォリオ理論」等の理論が、
間違っているのではないと思います。

日本経済を取り巻くマクロ環境に大きな変化が生じ、
環境変化に適応できなかった企業や政治に、
より大きな問題があると思います。

比喩は良くないかも知れませんが、
自動車と交通事故の関係と似ていると思います。

欠陥車ではない自動車でも、運転者のミスや気象変動等で
事故を引き起こすことがあります…。

自動車が投資理論で、運転者や気象変動等がマクロ環境です。


4-2.現実的なアセット・アロケーションの準備


資産クラスの大きな分類は、株式・債券・現金の3種類です。
それぞれを少し詳細に見てみましょう。

<株式>

日本株と外国株に分類できます。
外国株は、先進国と新興国の株に分けることも可能です。
ここでは、外国株は先進国の株を指すこととします。

また、ある程度成熟した大手企業の株に対して、
成長株と言う分け方もあります。

転換社債もある意味で株式の一部です。

現物株式や投資信託を購入する代わりに、
CFDを売買するケースもあると思いますが、
長期投資では現物株や投資信託を選択すると思います。

個別銘柄を購入する場合と、株価指数に投資する場合もあります。
株価指数の場合は、普通のファンドかETFが考えられます。

投資信託と不動産の性格をあわせ持つ、REITの分類は、
株とは別に、独立してREITで分類するか、
不動産等と一緒に分類すべきだと思います。

あまり精緻に分類しても、投資成果には大きな意味を持ちませんから、
せいぜい、日本株と外国株、
それに新興国の株を加えるだけで十分だと思います。

<債券>

債券は資本市場が成熟した国の方が、
いろいろな種類の債券が存在します。

新興国の債券市場は、国債がほとんどで、企業の資金需要は、
株式発行による資金調達や銀行融資等でまかなわれています。

当然、新興国の中には、債券市場が未発達で存在しない国もあります。

先進国の債券は、国債・政府機関債・地方債・モーゲージ債
アセット・バック債券・社債等々、非常に多くの種類の債券が存在しますが、
米国がもっとも複雑で多種類の債券が存在します。

悪名高いサブプライム・ローンも、債券やファンドに組み入れられて
世界中に販売されていました…。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスS&Pのような格付け会社が、
発行体の債券利払いや償還が履行できる確度について、
格付けを付与しています。

その格付けによって、投資適格かどうか、
つまり、運用会社として、その債券を購入できるかどうかが、
決まる場合があります(多くの運用会社では、
運用資産の性格や法律や内部規定等で、
低格付け債を購入できない場合があります)。

投資信託の場合は、約款で投資対象を決めていますので、
低格付け債券を組入れ可能なファンドは多数存在します。

低格付け債券の場合は、利払いが滞ったり、
元本が償還されなかったりすることがあり得ますので、
通常は利回りが高い債券です。

このような債券を、ジャンク債と呼びます。

社債の分類で、投資適格債ジャンク債と分けることもあります。

現実的に、個人投資家が資産クラスとして債券に投資する場合は、
国債のみで十分だと思います。

日本と外国の国債、外国は米国や他の先進国の国債で十分だと思います。

株と同様に、通貨上昇やその国の将来性を買うと言う意味で、
新興国の国債も入れて良いと思います。

しかし、筆者は新興国へ投資するには、
債券よりは株式の方がより良いのではないかと、考えています。

個別の債券を、自分で選んで購入する場合もあるとは思いますが、
投資信託を購入するケースの方が多いと思います。

<現金>

相場に大きな変動が起きたときのために、現金ポジションを持ちます。
通常は日本円の現金で、銀行預金やMRFMMFです。

場合によっては、外貨で現金ポジションを持つこともありますが、
純粋な意味で、円の現金が良いと考えます。

外貨の現金(定期預金やMMF)は、
外国債券の一部だと考えるべきではないかと思います。

長期に積立てながら運用する場合、現金を保有しないことも多くあります。
定期的な積立ては、ある意味で現金を定期的に保有するのと同じことです。

よって、ある程度まとまった資金の運用のケースでは、
ポートフォリオに現金を保有するようにします。

積み立ての場合は、現金ポジションは保有せずに、
フル投資することが多いと思われます。

<まとめ>

資産配分するアセット・クラスは、日本株・外国株と新興国の株、
日本と外国の国債および現金です。

それに、自分の資産全体を考えて、不動産やREITを加えても良いでしょう。


具体的に、それぞれどのくらいの比率にするかは、次回に説明します。
これは、あくまでもスタート地点でのアセット・アロケーションです。


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