平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年11月14日

来週の米国株式市場と日本株式市場(11月16日〜11月20日)


1)今週発表された経済指標等のまとめ


<米国>

項目                 実数       予想    前月/前週/前期

新規失業保険請求       50.2万件     50.5万件    51.2万件
9月貿易統計          -365億ドル   -315億ドル   -308億ドル
11月消費者心理指数       66.0       72.0        70.6

(出所:マーケットウォッチ

失業保険請求件数は、確実に減少しています。
しかし、50万人以上の多数の労働者が職を失っていることも事実です。
就業を諦めた人も多いです。

正社員ではなく、パートタイム等の就労チャンスしかない人も多いです。

経済指標はどの側面を捉えるかで、反応は異なります。

議会は、住宅取得援助と失業保険給付の延長を可決しました。
政策支援が必要なことは明白だと思います。

ミシガン大学消費者心理指数は、予想外の2ヶ月連続の低下でした。
困難な雇用状況から消費が抑えられることを示唆する内容でした。


2)今週の株式相場展開


<米国>


ダウS&P500が高値を更新、堅調地合いが続きました。
何があっても、流動性が下支えして、相場は下げません。
当局が下げさせないようにしているからです。


前回指摘したように、FRBは「バブルは破裂するまではバブルではない」と
考えている、と同じような趣旨の発言を、
シカゴ連銀総裁のエバンス氏が「資産バブル対策を金融政策の
目標としない」と金曜日にしています。

週間騰落率を見ると、ダウで+2.46%、ナスダックで+2.62%、
S&P500で+2.26%、ダウ輸送株で+2.81%とすべて上昇しました。

<日本>

日経平均は-0.19%、TOPIXは-0.82%と、日本は蚊帳(かや)の外です。

<中国>

まとめて発表のあった経済指標は依然良好、
とくに鉱工業生産が絶好調で、相場は上下しましたが堅調でした。


3)来週の主な経済指標等


<米国>

日付    項目                 予想    前月/前週/前期

16日(月) 10月小売売上           +1.0%      -1.5%
17日(火) 10月生産者物価指数      +0.6%      -0.6%
17日(火) 10月鉱工業生産指数      +0.3%      +0.7%
18日(水) 10月消費者物価指数      +0.2%      +0.2%
18日(水) 10月住宅着工件数       59.0万戸     59.0万戸
19日(木) 新規失業保険請求件数    51.0万件     50.2万件

(出所:マーケットウォッチ

物価指標や生産や消費等、重要な経済指標が多く発表されます。
上表にはありませんが、ニューヨーク連銀フィラデルフィア連銀
製造業景況指数も発表されます。

物価については、何も心配する必要はないと思います。
むしろ、デフレを懸念したいくらいです。

生産面の回復は既に確認していますが、
その継続性が確認できるかがポイントだと思います。

良くない経済指標が出ても、相場にはあまり悪影響がないのが、
このところの傾向です。


4)来週の株式相場動向


<米国>

市場は経済指標の負の側面は見ずに、良い部分をクローズ・アップして、
資産バブルを正当化しようと腐心しています。

もちろん、豊富な流動性や投資待機資金の積み上がりや
株式需給は申し分ない状況です。

来週の短期シナリオです。

A)引き続き堅調で、年初来高値を更新する
B)高値で一進一退を繰返す(±2%程度)
C)下げ相場の展開になる

それぞれの確率は、Aが50%、Bが40%、Cが10%と考えます。

ここまでの流れでは、下げることは想像しにくい展開です。

<日本>

ジャパン・パッシング(無視)です。
米国と中国を追随しようと試みますが、ついて行けない状態です。
下値を探る展開を想定します。

<中国>

バブルの匂いはしても、金融緩和と財政出動は止まりません。
年初来高値に接近している、バルチック海運指数で示唆されるように、
上昇を続ける可能性が高いと思います。

人民元高に軌道修正されるようなことがあると、
相場はピーク・アウトする可能性があります。

しかし、中国は激しく抵抗すると思います。
米国の財政赤字削減とドルの安定を要求して、
人民元のドル・ペッグ制は止めようとしません。

<来週の一本勝負>

残念ながら、来週はとくにひらめくものがありません。


5)その他


金融財政当局は、資産価格が上昇することを望んでいます。
バブルの処理はバブルでしかできないのが、現在の資本主義の宿命です。

米国の貯蓄率の上昇には時間がかかり過ぎます。
政策当局者の任期が足りません。

マエストロと呼ばれた、グリーンスパン前FRB議長も、住宅バブルを、
フロス(小さな泡)と認識して、対処できませんでした。

現状ではまだマエストロの称号のないヘリコプター・ベンは、
バブルを作ることに一生懸命にならざるを得ません。

ベン・バーナンキ現FRB議長は、日本のデフレについて、
日銀券をヘリコプターでばら撒けば、デフレ・スパイラルから
脱出できると言ったことから、ヘリコプター・ベンと揶揄されていました。

世界の株式市場は、今年3月に大底を打って、上昇過程にあります。

米国のみでなく、アジアや新興国の資産価格の上昇が、
その本源的な価値を超えるところまで進むと、
回避できそうな状態であった二番底が、
将来出現する可能性が大きくなったような気がしています。


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