平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年11月28日

来週の米国株式市場と日本株式市場(11月30日〜12月04日)


1)今週発表された経済指標等のまとめ


<米国>

項目                   実数     予想    前月/前週/前期

10月中古住宅販売         610万戸   574万戸     554万戸
第3四半期GDP改定値        +2.8%    +2.8%      +3.5%
9月ケース・シラー住宅価格指数  +0.3%    NA        +1.3%
11月消費者信頼感指数        49.5     45.5        48.7
新規失業保険請求件数      46.6万件   49.5万件     50.1万件
10月耐久財受注            -0.6%   +0.5%       +1.4%
10月個人所得             +0.2%    +0.1%       +0.2%
10月個人消費支出          +0.7%    +0.6%       -0.6%
11月消費者心理指数         67.4      67.0        66.0
10月新築住宅販売         43.0万戸   39.0万戸     40.5万戸

(出所:マーケット・ウォッチ

住宅関連の指標が強かった理由として、
住宅減税が継続するかどうか不透明だったため、
駆け込み需要が発生したとされています。

耐久財受注は予想よりも弱めの数字でした。
回復してきた生産面が少し足踏みするのか、
今後の生産に関する指標は注意です。

新規失業保険請求件数が、50万件を大きく下回り、
リーマン・ショック前の状況まで改善しました。

今回の数字は、集計時期から見て、
来週発表の雇用統計には直接影響しないと思いますが、
真っ暗な雇用に少し光が射し込むのか…。

米当局は来年の1-3月に、失業率のピークを迎えるとの予想です。


2)今週の株式相場展開


<米国>

最近よくあるパターン、週初めに大きく上昇して、
その後は高値を維持する展開でしたが、感謝祭の休場の間に、
ドバイ・ショック」が発生しました。

木曜日に、欧州で株価は大きく下落、
翌金曜日にはアジアで相場が下げました。

その後の欧州では、ドバイの影響はそれほどでもないとの観測から、
前日下げた銀行株等が上昇しました。

米国市場が休場明けで上下はしましたが、小幅の下落でした。

週間騰落率を見ると、ダウで-0.08%、ナスダックで-0.34%、
S&P500で+0.01%、ダウ輸送株で-0.57%と、週を通して見ると小動きでした。

シカゴで取引されている、VIX指数は25日(水)に
リーマン・ショック後安値の20.05を記録していました。

さすがに、ドバイ・ショックで変動率は上昇して、24.85で取引を終えました。

この急上昇は、落着くのか、さらに上昇するのかは注意して見ておくべきでしょう。

<日本>

世界の株高に背を向け、日本株は独り弱い展開を継続していました。

日経平均で9350円近辺の200日移動平均を意識して死守していましたが、
外的ショックと円高(ここまではドル安でしたが…)で、
相場はさらに、崩れました。

経済指標は発表されましたが、完全に無視です。
失業率、有効求人倍率、消費者物価指数等々でした…。


週間騰落率は、日経平均は-4.38%、TOPIXは-3.30%で、
やはり欧米諸国の株式市場とは一線を画した動きです。

金曜日引け後の日経平均先物市場で、9000円をつけました。

超目先、一旦は良いところまで押した感じもします。
一部のテクニカル指標でも、売られ過ぎのシグナルが出てはいますが、
これも為替と海外市場次第です。

<中国>

振れ幅の大きな相場です。
さすがに中国です。
スケールが大きく、上げるときも下げるときもダイナミックです。

週間騰落率は-6.41%でした。


3)来週の主な経済指標等


<米国>

日付    項目                予想    前月/前週/前期

30日(月) 11月シカゴPMI          53.0        54.2
1日(火)  11月ISM製造業景況指数   55.0        55.7
1日(火)  10月建設支出         -0.4%       +0.8%
1日(火)  11月新車販売台数      960万台     1050万台
2日(水)  11月ADP雇用報告       NA       -20.3万人
2日(水)  ベージュ・ブック
3日(木)  新規失業保険請求件数   48.5万件     46.6万件
3日(木)  11月ISM非製造業景況指数  52.0        50.6
4日(金)  11月NFP            -10.0万人     19.0万人
4日  11月失業率           10.2%       10.2%

(出所:ブルームバーグ・一部マーケット・ウォッチ

製造業が一休みして、非製造業が少し上向きのイメージでしょうか。

表面的に雇用は改善傾向です。
クリスマス商戦の行方も気になります。


4)来週の株式相場動向


<米国>

先週も指摘しましたが、引き続きダウ等の大型優良株に資金が集まっていて、
小型株等のパフォーマンスが相対的に見劣りしています。

過去の例からは、一部の銘柄に資金が集中して高値を保つ場合、
相場の転換期がそろそろ近いことが多いので、要注意です。

今までに何度か紹介している、インベスターズ・インテリジェンス・サーベイの、
今週のブル・ベア・レシオは、とうとう2.88(非常に強気)になりました。

この水準は、2007年秋に、ダウで14000ドルに突っかけて
最高値をつけた時期に記録したレベルと同じです。

冷静に考えれば、少し腰が引けるところです。

米国のニュース・レターの執筆者は株式相場に強気です。

相場が高いので、強気の記事を書かないと読者が納得せず、
レターの売上げが落ちるので、強気を装っているのかどうか、
本心は分かりません。

また、米国投資銀行のアナリストストラテジスト達も強気であることは、
各種のメディアを読めば容易に分かります。

投資銀行は、巨額のボーナスを得るために、
市場を欺くことは朝飯前です。

常套手段です。

100%常にそうとは言えませんが、彼らが強気を言えば売りポジションに、
弱気を言えば買いポジションに、傾けているのです。

為替相場でも、シティ・バンクや他の米銀等はドル高を喧伝していました。
晩夏から初秋に、ドル円で90円台の時、
年末には100円を越えるとレポートしていました。

昔の読み物ですが、「ライアーズ・ポーカー」そのものです。

来週の短期シナリオです。

A)高値で一進一退を繰返す(±2%以内)
B)相場は少し(3%程度)調整局面に入る展開になる
C)引き続き堅調で、年初来高値を更新する

それぞれの確率は、Aが60%、Bが30%、Cが10%と考えます。

いつものように雇用統計次第です。
雇用統計に限らず、経済指標が良ければ素直に上昇し、
悪ければゼロ金利継続・ドル安・リスク資産高・米国株高の図式が再確認されます。

基本的に米国はドバイなんか見ていません。

米国市場には影響ないと考えるべきだと思います。

<日本>

超目先は「コツン」と来たかも知れません。

外部環境が静かであれば、自律反発の場面です。
しかし、チャート的には7月安値を切りましたので、
次の目標は3月です。

二番底ではなかった可能性が出てきました。

消去法で買われる円、国民が選んだ民主党政権、
デフレ、財政悪化、勿論少子高齢化に変化はありません。

少しは明るいニュースが欲しいものです。

偉大な投資家であるテンプルトン氏の有名な言葉を思い出したいです。

「強気相場は悲観のなかに生まれ、懐疑のなかで育ち、
楽観のなかで成熟し、幸福感のなかで消えてゆく…。」

<中国>

新興国であるドバイの資金繰りが、
他の新興国のクレジットまで影響が及ぶ可能性は否定できません。

中国当局は、積極財政と金融緩和の継続を強調して、
市場の落着きと回復を画策すると思います。

このことが、さらなるバブルの引金になることも省みずに、
資産価格の上昇を容認せざるを得ないと思います。

今週下げた反動で、来週は上昇する可能性が高いと思います。

たとえ、欧米や香港の株式市場が下落しても、上海の一人旅はあり得ます。

<来週の一本勝負>

金曜日の欧米株式市場は、落着きを取戻したように見えます。

もし、ドバイ問題が今後も尾を引き、
新興国への資金フローに変化が出てくると、少しシナリオにも変化が生じます。

好調な新興国株式市場に、ドバイ問題とベトナム問題(通貨切下げ)の2つが
悪影響を与える可能性が大いにあります。

勿論、ブラジルの課税も多少影響はあります。
新興国株式市場は、20%以上の調整が
年末にかけて起きることも想定すべき時期です。

先進国の中央銀行が金融緩和を継続し、政府が財政を拡大しても、
新興国のウェイトは益々大きくなっています。

結果として米国の目論見が頓挫することもあり得ます。

米国の痛みは、新興国とくに中国のバブルによって和らげることが可能だからです。
米国の立場では、中国はバブルを膨張させて、
米国からの輸入を継続して増加させなくてはならないのです。

市場は、分水嶺に近いのではないかと感じます。
上昇継続か下落に転じるか。

どちらの可能性もあります。
リスク・ヘッジしてオプション料を支払う取引に終始したい局面です。


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