平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年12月02日

資産運用の実際(その6)


5-1.資産配分の具体例


以下に、資産配分の比率の一例を示します。

スタート地点での、各資産クラスの配分比率の叩き台です。
そのため、実際に運用する人の、運用目的や経済シナリオや
本人の基本的な考え方により、配分比率は変化します。

<まとまった金額の資産配分例>

まとまった金額の資産運用では、
将来のリスクに備えて現金を保有する場合が多いです。

日本株20%、外国株(新興国株を含む)20%、日本国債20%、
外国国債20%、現金20%としてみます。

国内外の株式と債券がそれぞれ40%、現金が20%です。

国内資産が60%、海外資産が40%です。

日本株投資においても、海外売上げ比率の高い会社や
海外保有資産が大きい会社への投資は、
厳密に言えば、完璧な日本国内投資とは言えませんが、
ここでは、分類上、日本株投資として国内資産にします。

<定期的な積立て運用の資産配分例>

確定拠出年金等の積立て型の資産運用の場合は、
現金比率をゼロとして、日本株25%、外国株(新興国を含む)25%、
日本国債25%、外国国債25%としてみます。

国内外の株式と債券は、国内外の配分比率と同様、各50%です。

株式や海外の配分比率を、
まとまった金額の運用よりも少し大きくしているのは、

積立て型の運用の方が、より長期運用のケースが多く、
より大きなリスクが取れる場合が多いからです。

また、運用する人の年齢も、
相対的に低いケースが多いのではないかと思われるからです。

<日本の経済成長に疑問の方の資産配分例>

日本経済は構造的にデフレが解消できず、
将来的に日本の成長力に疑問を持っている人は、
当然のこと海外投資の資産配分を増やします。

本来は、運用する人が、実際に海外で就職したり起業したりして、
新興国を含む海外の経済成長の恩恵に預かるべきなのでしょうが、
それもなかなか難しいことです。

決して万人向きではありません。

そこで、自分の虎の子に旅をさせます。
つまり、自己資産に海外運用と言う出稼ぎをしてもらうのです。

まとまった金額の運用の場合は、日本株10%、外国株(新興国株を含む)30%、
日本国債10%、外国国債30%、現金20%としてみます。

日本国内資産は40%、海外資産は60%となりますが、
もっと海外比率を増加させたい場合は、現金比率の20%を、
日本円ポジションを10%、外貨ポジションを10%として、
国内30%、海外70%とする方法もあると思います。

積立て型の運用で、現金比率をゼロとする場合は、
日本株20%、外国株(新興国株を含む)30%、日本国債20%、外国国債30%で、
国内外の比率は、国内資産が40%、海外資産が60%となります。

海外資産にもっとウェートを置きたい場合は、日本株15%、
外国株(新興国株を含む)35%、日本国債15%、海外国債35%です。
国内資産30%、海外資産70%となります。

代替資産の組入れ>

伝統的な金融資産運用だけでは、
資産運用リターンが期待通りに得られない時代に突入しました。

その理由は、第一に、世界経済の構造変化があります。

BRICs諸国等の台頭で、伝統的で国際的な資源配分の地図が
大きく塗り替えられました。

農産物価格や資源価格は、先進国の経済活動が低迷していても、
新興国の潜在需要が大きいので、下落せずに上昇傾向です。

第二に、ドルの地位低下が顕著になっています。

米国の貿易収支の赤字と財政赤字の増大により、ドル余剰が大きく、
基軸通貨としての絶対的な立場が徐々に弱まっています。

海外投資が米ドル中心から米国以外の国へと変化しています。

その上、金融危機からの脱却のため、
非伝統的な金融政策を発動してゼロ金利になっていることも一因です。

国際商品価格はドル建て表示が圧倒的に多いです。
国際商品の価値が不変だとすると、
ドルが下落すれば、商品価格は上昇せざるを得ない側面も見逃せません。

新興国の需要増もありますので、ドル安と需給で、
ドル表示の国際商品価格は上昇する傾向が強まっています。

第三に、金融イノベーションがあります。

内外の証券取引所に、多種多様なETFが上場していて、
国際商品市場へ投資することが容易になりました。

日本においても、金や原油に投資するETFが購入可能です。
FX取引やCFD取引も、金融イノベーションにより取引可能となっています。

直接的に、金融イノベーションの成果だとは言えませんが、
REIT代替資産の一つと考えられます。

流動性や利回りや投資金額等から考えると、直接不動産投資するよりも、
REITの方が優れている点も多いのではないかと思います。

絶対利回りを追求する、いわゆるヘッジ・ファンドも代替資産です。

一部の証券会社ではヘッジ・ファンドの投資信託を販売しています。
その投資信託を購入することにより、
小口でヘッジ・ファンドの投資が可能になっています。

筆者の個人的な意見では、現時点で代替資産資産配分は、
10%程度、最大でも20%に抑えておきたいと思います。

現代投資理論の世界では、代替資産の運用は、
伝統的な金融資産と比較して、歴史的がまだ短いのではないか
と言う認識が根底にあるからです。

そのため、代替資産に大きな比率を配分することに少々躊躇します。

しかし、これは米国で生まれた現代投資理論が、
統計学や数学を駆使して、確率論的に安定し平均した、
期待収益を獲得することが目的で、構築された考え方が基礎にあるため、
今後の新しい世界展開に、現代投資理論が馴染めるのかどうかに、
疑問を持っています。

つまり、現在の経済体制や経済秩序が、
既存の欧米流の哲学ややり方が根本となっていますが、
今後、新興国が経済の主流を占める世の中になると、
コペルニクス的な変化が起きるかも知れないと感じているからです。

結論として、時代の変化とともに、
代替資産の配分比率も増大するものだと強く信じます。

次回は、資産配分の見直し等について説明する予定です。


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