平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年12月07日

米国の雇用は増加するか


<仮説1:雇用回復から増加・金融政策は平時へ>


先週発表の11月の雇用統計は、
事前予想をはるかに上回る良い数字でした。

その上、2ヶ月連続して過去の数字に、
大幅な上方修正が加えられました。

人材派遣が大きく伸びた結果とのことですが、
派遣は労働市場に対して、先行性があると言われています。

正社員でなくとも、雇用が発生したことは事実のようです
(来月以降、修正が加えられる可能性は残りますが…)。

残業時間も少し伸びています。
残業時間も派遣同様に先行性があると言われています。

賃金もわずかですが伸びています。

マクロ経済が、既にリセッションから脱却したことは、
GDPの数字から判断できます。

正式には、全米経済研究所が事後的に景気サイクルを発表しています。
同組織のホーム・ページは参考までに、

http://www.nber.org/cycles.html

遅行指標と言われる雇用統計は、個人消費にとっては先行指標です。

経済を車の運転に例えると、前方に個人消費回復が見え、
バック・ミラーに雇用回復が見え始めている状況です。

GDPの7割超が個人消費ですから、経済は底打ちから回復、
そして成長へと動き出している可能性があります。

FRBは、緊急避難的な金融政策の解除に動きます。
これは「出口戦略」ですが、量的な緩和策である
一部債券の購入プログラムは終了予定か、既に終了しています。

次の注目はFF金利を、どのタイミングで、どのくらい引き上げるかです。
潜在成長力と潜在物価上昇率で、
経済成長に対して
ニュートラルなレベルまで、
政策金利が引き上げられるとすると、
1回に0.25%幅とすると2〜3回の利上げはあり得ます。

インフレ期待が加速する恐れがあるとFRBが判断すると、
1度で0.5%よりも大幅な利上げがあるかも知れません。

時期的には、今のペースで改善が進み雇用増になる可能性のある、
来年の第1四半期です。

考えられる出来事は、ドル・キャリー取引の手仕舞い、
ドル高、金や原油価格の下落、新興市場の動揺、米国債の下落、
米グローバル企業業績悪化、金利上昇幅と速度が
企業業績向上スピードに見合うかにより
バリュエーションから
株価下落も視野、国際不均衡是正頓挫等々です。

来年第1四半期に、雇用が増加し金融政策変更があるとすると、
今回の金融危機の引金を引いた、住宅市場の需要は旺盛で、
商業不動産は何事もなかったような状態になっているはずです。

もしそうでないとしても、政策決定者の目にはそう映っていると思います。

<仮説2:雇用は劇的に増加せず・低金利継続>

米国の経済指標は、日本よりも早いタイミングで発表されますが、
事後修正されることがよくあります。

来月以降、下方修正される可能性があります。

統計手法に問題があり、現実の姿をきちんと現していないことも考えられます。


現状の雇用は正社員ではなくパートタイムや人材派遣ですので、
所得増加は期待できません。

失業率は2桁です。
就業を諦めた労働者や延長失業保険を需給している人も多数います。

米国が過剰消費を是正する経済構造の転換中だとすると、
ニュー・ノーマル」を受入れざるを得ないと思います。

低成長・低インフレ・低金利です。

経済のさらなる悪化は止まりましたが、商業不動産問題はまだ燻ぶっていて、
FRBは慎重に緊急避難的な金融政策の解除をしなくてはなりません。

現状の延長線が、考えられる出来事だと思います。

ドル・キャリー取引継続、ドル安、金価格上昇、新興国バブル醸成、
米国債高値維持、米グローバル企業業績好調維持、
企業業績とバリュエーションの綱引き、国際不均衡是正進捗等々です。

マニピュレーションの臭い>


大きな政府で、経済への政治の介入頻度が高い民主党、
支持率の落ちてきたオバマ大統領、
アフガン増派で財政赤字削減ができない米国は、
仮説1と2のどちらを選ぶのでしょうか。

最大の米国債保有国、米国製品の輸入余力のある国、
米国の痛みを自国のバブルで癒せる可能性ある唯一の国、
米中のG2で重要事項を決めて行く世界の新体制、
米中2国は、仮説1と2のどちらを選ぶのでしょうか。

あってはならないことですが、今回の雇用統計は臭いがします。

読者の方は、どちらの仮説を取りますか。
折衷仮説ですか、それとも別の仮説ですか。


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