平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2009年12月17日

資産運用の実際(その7)


5-2.資産配分の定期的見直し


前回説明したような資産配分比率を叩き台に、
運用者それぞれの運用目的や基本的な考えを加味して
配分比率に変更を加えます。

その際に重要になるのがシナリオです。

繰返し一定の方法で作成されたシナリオを使い、
当初の資産配分で期待される収益を計算して、
資産配分比率に微修正を加える場合もあります。
この方法の一例は次回以降に説明する予定です。

今回は上述のような資産配分比率の変更の仕方を
説明するのではなく、いったん決めた資産配分を、どのようなタイミングで、
どのように見直しをすれば良いのか。

また、資産配分を変更することが必要な場合は、どのように変更するのか、
それらのヒントを提供しようと思います。

<日常の投資成果のチェックの方法や頻度>

決定した資産配分に基づき、実際に投資行動を起こします。
できあがったポートフォリオ、または構築途中のポートフォリオの状態を、
毎日チェックすることがもっとも望ましいことですが、
時間の制約もあります。

できれば、一週間に一度の週末は現状を
きちんと把握しておきたいものです。

エクセルの計算シートなどを利用して、
株式や為替等の価格情報をシートにインポートすると、
手軽にポートフォリオの実態が掴めると思います。

また、取引している証券会社や銀行等のサービスや、
資産管理用のアプリケーション・ソフト等を利用しても、
現状把握が可能だと思いますので好みの方法で行うようにしてください。

確定拠出年金の積立て等をしている人は、
運用会社や資産管理会社からのレポートでも、
自分のポートフォリオの状況が定期的に分かると思います。

最近は相場変動が激しいですが、
サブ・プライム問題やリーマン・ショック以前も、
相場変動は既に大きくなっていました。

1980年代の、プラザ合意での強烈な円高以降は、為替市場のみならず、
世界中の株式や債券市場のボラティリティーは高くなっているように感じます。

変動が大きく激しい時代は、これからも継続すると思われますので、
ポートフォリオの状態は定期的にチェックしておかなくてはいけません。

資産クラスの銘柄ごとに、時価評価額を計算します。
まれに、引け値や終値がない場合があります。

そのような時は、ビッド・アスクビッド・サイド
(買いサイドの価格または買い気配値等)で時価評価します。

各銘柄の時価評価額を資産クラスごとに合計します。

その合計値が、ポートフォリオ全体で何パーセントになるかを計算します。
その後、当初の決定された各資産クラスの配分比率と比較します。

たとえば、当初日本株に20%の配分をしたものの、
時価評価の結果、ポートフォリオ全体に占める割合が18%となったとします。

これには少なくとも二つの場合があります。

一つ目は、単純に日本株が下落をして全体に対する比率が低下してしまう場合。

もう一つは、日本株のパフォーマンスは好調だったのですが、
外国株が日本株よりもさらに値上がりして、ポートフォリオ全体が拡大して、
結果的に日本株の比率が相対的に低下する場合です。

<シナリオとポートフォリオ見直しのタイミング>

今回、シリーズで書いている「資産運用の実際」は、
長期運用のスタンスです。

実際の資産配分の見直しは、極端に大きな変動がない限りは、
年一回程度の見直しが適切だと思います。

とても短いサイクルでポートフォリオを変更する場合でも、
半年に一度が限度だと思います。


昨年のリーマン・ショックのような時に、下げ相場で売ろうにも売れない相場では、
あわてて売却してもろくなことはありません。

なるべく、決めたサイクルでの見直しにする方が良いと思います。

また、確定拠出年金等の積立て運用している場合は、
資産配分の見直しタイミングが、予め運用会社や資産管理会社や
自分が勤務している会社等で決められていることがあります。

そのような場合は、そのタイミングに従う他はありませんが、

できれば、年一回程度の資産配分の変更にしたいものです。

年に一度の資産配分見直し時期は、
シナリオの見直し時期と重ねることが通常です。

普段の投資成果のチェックを週一回や月一回している場合とは異なり、
年一回の見直しでは、できる限り時間をかけて丁寧に、シナリオを再検討します。

経済成長率・インフレ率・金利・株価・為替等の予想が
適切であったかどうかをチェックします。

作成した3通りのシナリオのうち、どのシナリオが一番現実的であったか、
シナリオを作り変える必要性の有無等を慎重に確認します。

その結果、既存シナリオを継続して使うことにする場合、
次のステップは、ポートフォリオの変更です。


ポートフォリオ変更の可能性>

資産配分比率そのものは変更しないとしても、
各市場の上下により、各資産クラスの比率が変化しています。

その場合、ポートフォリオの凸凹にカンナをかける作業です。
筆者の意見では、2〜3%程度の凸凹は
そのままにしておく方が良いと考えています。

たとえば、当初22%の配分比率が、
1年を経過して22%に成長していたとします。

2%分を利益確定の売却で現金化して、他の資産を購入するには、
売りと買い両方で手数料を支払うことがあります。

手数料を減らすことは、パフォーマンス向上に大きな役割を演じます。

そのため、変動幅が5%程度以上になっている場合に、
資産配分比率に沿ったポートフォリオの変更を
加えることを薦めたいと思います。

採用するシナリオが変更される場合、
資産配分比率も同時に変更されるケースが多いと思います。

変更後のシナリオで決められる資産配分比率と、
時価評価で計算された各資産クラスの全体に対する比率を比較します。

上述と同様に、それぞれの差が2%程度であれば、
そのまま継続して保有する方が、ベターではないかと思います。

説明するまでもありませんが、変更されたシナリオに基づき、
保有しようとする株式の銘柄や通貨や債券の年限等も変更すべき場合は、
手数料は考慮せずにポートフォリオの変更を加えるべきだと思います。

資産クラスの投資を、ETFインデックス・ファンドで行っている
投資家のポートフォリオ変更は比較的容易です。

しかし、株式投資等が個別銘柄で構成されている場合、
資産配分比率の変更に伴う売却は簡単ではありません。

機械的に上昇率の高いものから利喰いの形で売却する方法があります。
相場は上がれば下げるものなので、
感情移入せずに機械的にポートフォリオの調整を実行することも重要です。

その逆に、上がってないものから売る場合もあり得ます。
自分の見込み違いで、想定ほど株価が上昇しないことも多いです。

パフォーマンスが上がらないものを思い切って売却し、
より儲かる可能性のあるものを残す方法です。

その上、株価や株数等で実際に調整するケースも出てきます。

基本は、自分でルールを決めて、
そのルールに従い同じことを繰返すことが大切です。

運用プロセスを頑固に堅持することが重要です。
また、個別銘柄を選択した時の原点に立ち戻って、
配分比率の変更をするべきだと思います。


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