平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2010年01月16日

来週の米国株式市場と日本株式市場(01月18日〜01月22日)


1)今週発表された経済指標等のまとめ


<米国>

項目                 実数       予想    前月/前週/前期
11月貿易統計         -364億ドル   -350億ドル   -332億ドル
ベージュ・ブック
新規失業保険請求件数    44.4万件    43.7万件     43.3万件
12月小売売上           -0.3%     +0.4%       +1.8%
12月CPI               +0.1%     +0.1%       +0.4%
12月鉱工業生産指数       +0.6%     +0.6%       +0.8%
1月消費者心理指数        72.8       74.0        72.5

(出所:ブルームバーグ

地区連銀報告では、12連銀中10連銀が景気の改善を示しましたが、
消費は依然として慎重で、雇用は軟調との報告でした。

12月小売売上は予想に反してマイナスでしたが、
前月が上方修正されました。
2ヶ月平均すると+0.7%とそこそこの伸びではないでしょうか。
数字の振れは、統計作業での季節調整の困難さを示すものでしょう。

失業保険請求は、改善の足踏み状態が続いています。
あえて早とちりで言えば、根っこの雇用は11月で頭打ちして、
その後若干減少気味。

しかし、今後は国勢調査のため、
公的部門が臨時雇いを大幅に増やしますので、
春にかけて見かけ上、雇用改善の動きと考えます。

ミシガン大学の消費者心理指数が予想を下回り、
今週は経済指標全般的に景気拡大に慎重な見方が増えたと思います。

上表にはありませんが、ニューヨーク連銀製造業景況指数も発表され、
良い結果でした。


2)今週の株式相場展開


<米国>

発表された経済指標は、期待ほど堅調ではなく、
リスク志向が少し後退したと言えます。

その結果、為替はドルと円が他通貨に対して強くなり、
原油等の商品相場は弱含みになりました。

長期金利の上昇圧力は減退して、債券相場は強くなりました。
金利低下は本来、株式相場にはプラスに働きますが、
リスク志向の後退と個別企業の第4四半期決算が、
相場に影響を与えました。

先陣を切ったアルコアは失望、
インテルアナリスト予想を上回るものでした。

JPモルガンの表面の数字は良かったものの、
個人金融部門が赤字で、不良債権の引き当ても増加、
雇用不安で所得が伸びず、住宅差し押さえも高水準。
カード・ローン等の焦げ付きも心配で、貸し出し増加にはつながりません。

過去2年間、企業収益が減退していましたが、
久しぶりの増益決算と市場の期待は大きいと思います。

言い方を変えれば、昨年の7月決算時はアナリスト予想が低く、
サプライズの連続でしたが、今回はハードルが高く設定されているので、
素直に好決算で買われにくい展開です。

個人的には、それでも米国企業の底力はあると感じます。

1月効果」は継続中です。
週末こそロング・ウィークエンド(3連休)で、
利益確定の売りが出て下げましたが、
前日までは連日高値を更新していました。
非常に堅調な相場だと思います。

週間ではダウで-0.08%、ナスダックで-1.26%、S&P500で-0.78%、
ダウ輸送株で-0.98%と前週との比較では少し下げましたが、
ほとんど横ばいでした。

見方を変えると、「行ってこい」の可能性もありますが、
高値を連日で更新していたので、堅調だと言えると思います。

短期想定シナリオ通りでした。

<日本>

今週も出遅れのTOPIXの上昇が目立ちました。
外国人投資家の買い越し額も大幅で、相場を持上げました。
昨年は日本株のパフォーマンスが悪かったので、
ポートフォリオの比率変更で、日本株のウェートを少し増やしたと思います。
いわゆる、リターン・リバーサルの動きです。

週間騰落率は、日経平均は+1.70%、TOPIXは+2.67%でした。

多少懸念したJAL問題は無事通過したようです。

<中国>

週間騰落率は+0.98%と小幅上昇。
上昇する順番の週であることは正解でした。

中国人民銀行が前週の手形レート引き上げに続き、
預金準備率の引き上げを実施しました。
しかし、本格的な引き締めではありませんので、
相場にはまったくと言って良いほど影響はないと思います。

資産バブルは継続中です。


3)来週の主な経済指標等


<米国>

日付    項目                 予想     前月/前週/前期
20日(水) 12月住宅着工件数       57.9万戸      57.4万戸
20日(水) 12月PPI              ±0.0%       +1.8%
21日(木) 新規失業保険請求件数    44.0万件      44.4万件
21日(木) 12月景気先行指数        +0.7%       +0.9%
21日(木) 1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
                            18.0         20.4

(出所:ブルームバーグ

来週は祝日もあり、今週に続いて経済指標の発表が比較的少ない週です。
注目は、住宅着工件数と失業保険請求件数です。
物価の注目度は低いです。

個別企業決算が重要な週です。


4)来週の株式相場動向


<米国>

企業は在庫を減らしたため、わずかな消費や輸出でも、
減少させた生産は上向くと言うこれまでの流れは不変です。
生産を増加させても雇用は増加させません。
これも変わりません。

変わったものは、リーマン・ショックからの金融危機を、
膨大な財政支出と金融緩和と過剰流動性で乗り切って、
資産価格が上昇したことくらいです。

いまのところ、資産価格上昇と言うモルヒネは効いています。
後は実体経済が、資産価格の上昇を正当化できるまでに
回復拡大することです。

さて、来週の短期シナリオは、今週と同じです。

A)相場は引き続き堅調で、高値を維持して横ばい展開(±2%以内)
B)高値更新を継続する(+3%超)
C)頭が重くなり、少し下げる(-3%程度)が、調整(-5%超)にはならない

それぞれの確率は、Aが50%、Bが40%、Cが10%と考えます。

<日本>

欧州の一部の国の信用問題は継続して意識されそうです。

日本の債務増大はまだそれほど関心を持たれていないようです。
世界から日本の財政赤字は大丈夫だと思われているのか、
無視されているのか、本当はどちらなのでしょうか。

為替はチャート・ポイントを抜けて少し円高になるかどうかです。
現状のドル余剰は不変ですから、ドル安円高になりそうですが…。
また、2〜3月は日本企業のレパトリエーションの季節でもあります。

古い体質の政治に、さらに動きが出るかも知れません。
「過去の人」になれば、株式相場や為替相場には影響なしですが、
直ぐに「過去の人」にはならないほどの、権力者ですから…。

外国人買いが継続するか、
相場はそろそろ節目で良いところまで来ました。
お休みしてもおかしくないです。

<中国>

新たな引き締め策が出るかどうか注目です。

来週は下げる週の順番ですが、

21日にはGDP等沢山の経済指標が発表予定です。
どの指標も成長を裏付けるものになると予想されています。
その結果、相場は上昇すると考える方が自然です。


5)その他


インベスターズ・インテリジェンス・サーベイ」の1月12日では、
ブルが53.4、ベアが15.9、ブル・ベア・レシオが3.36
(2.00以上は過度の強気)となり、昨年末の高レベルを抜きました。

ダウが史上最高値を記録した07年07月のレベルを上回る
「危険水域」です。
しかし、07年07月時点でのブルは、60.0を越すほどでしたので、
まだ少し余裕があります。
しかし、長期的には危ない水準であることは覚えておきたいです。

S&Pケース・シラー住宅価格指数の開発者である
ロバート・シラー教授が、今後数ヶ月住宅価格は
下落する恐れがあると言っています。

住宅価格が下落することにより、ローン残高が住宅価格を
上回るオーバー・ローンも多く、銀行の貸し出し姿勢は慎重になり、
住宅差し押さえは減少せず、
米国経済が二番底になる可能性も排除できないとのことです。

しかし、その場合には、オバマ大統領は景気対策を
さらに大胆に出してくると思います。
景気対策のための財政支出は、
予定の3分の1しか使っていないので、まだ残っています。

景気対策予算を作成し国債を発行、FRBがその国債を引き受け、
グリーン・バック(ドル紙幣)を増刷する昨年からのやり方に
変化が生じるとは到底思えません。

ドルは市場に沢山あるのです。
リスク志向が高まり、金や原油等の商品へ、高金利通貨へ、株式市場へ、
成長するアジアの国々へ流れ込む構造に変化が生じるのでしょうか。

やはり米国はバブルを一生懸命に作り出しているのです。

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