平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2010年01月23日

来週の米国株式市場と日本株式市場(01月25日〜01月29日)


1)今週発表された経済指標等のまとめ


<米国>

項目                 実数      予想    前月/前週/前期
12月住宅着工件数       55.7万戸    57.9万戸    58.0万戸
12月PPI              +0.2%     ±0.0%      +1.8%
新規失業保険請求件数    48.2万件    44.0万件    44.6万件
12月景気先行指数       +1.1%      +0.7%      +1.0%
1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
                    15.2       18.0        22.5

(出所:ブルームバーグ

12月住宅着工件数は、予想外に低調な数字でしたが、悪天候を理由に、
着工許可件数の伸びを評価するアナリストの声もあります。

PPIは想定の範囲内で、インパクトはありませんでした。
しかし、前年比では+4.4%となり少し気になります。

失業保険請求件数は、予想よりも悪化し、
雇用の改善が進んでいない数字です。

しかし、技術的な要因で、休暇で処理が貯まり、
件数が大きくなったと説明がなされています。

フィラデルフィア連銀指数は、プラスを保ってはいますが、
前月より景気回復が遅れている状態です。

今週は、経済指標よりも個別企業の決算が重要で、
市場の注目はそちらに向かっていました。

ただし、増益基調をかなり織込んでいるため、
ハードルは高くなっている様子です。
たとえ良い決算でも、材料出尽しとして売られるパターンでした。

何と言っても最大の変動要因は、経済指標や個別企業決算ではなく、
オバマ大統領の示した、新金融規制案でした。


2)今週の株式相場展開


<米国>

先週連休前にダウは100ドルの下げ、
今週連休明けは100ドル以上の上げで高値を更新しました。
ここまでは、「1月効果」が十分発揮されていて、「強い相場」でした。

翌日は再び100ドル以上の下げ、さらに、
オバマ大統領の新金融規制案が飛び出して、
200ドル以上の下げを演じました。

週末にも2日連続の200ドル超の下げとなりました。

後で分かることですが、相場が上下ギザギザと不安定な動きを示すと、
目先の天井や底になることが多いです。
さて今回はどうでしょうか。

ダウは昨年12月しばらくの間、10500ドルのレベルが抜けずに
重い感じでしたので、そこを上抜けるとサポートになり、
10500ドルは堅いのではないかと、心の中で思っていました。

しかし、オバマ大統領の会見であっさり10500ドルを割込みました。

普通は海外のことをほとんど気にかけない米国相場が、
中国の金融引き締めを気にしたことも下げに拍車をかけました。

米国製品を輸入する中国の内需刺激策は、
米国の経済成長には不可欠であることを、市場が認識しているのでしょう。

しかし、米国の相場は株でも債券でも、「唯我独尊」です。
それが、米国です。

週間ではダウで-4.12%、ナスダックで-3.611%、
S&P500で-3.90%、ダウ輸送株で-4.20%となり、
短期予想では高値を更新するまでは良かったものの、
大きく下げてしまい、大はずれでした。

多分に政治的な要素は、相場を考える上で
難しいものだと、いつも思います。

<日本>

週間騰落率は、日経平均は-3.57%、TOPIXは-2.63%でした。

先週末に、相場は節目にあったので休憩しやすいレベルでした。
外国人買いが継続しているので、比較的堅調さは維持しましたが、
米国と中国に左右されました。

<中国>

週間騰落率は-2.96%と下げました。

1月8日の手形金利引き上げ以降、預金準備率引き上げ、
融資抑制要求等、着々と引き締めを行っています。
しかし、決して本格的な引き締めではありませんので、
効果は限定的だと思います。

バブルは簡単には弾けません。


3)来週の主な経済指標等


<米国>
日付 項目                     予想    前月/前週/前期
25日 (月)12月中古住宅販売        590万戸      654万戸
26日 (火)FOMCミーティング開始
26日 (火)11月ケース・シラー住宅価格指数 NA       ±0.0%
26日 (火)1月消費者信頼感           53.5       52.9
27日 (水)12月新築住宅販売        37.0万戸     35.5万戸
27日 (水)FRB金融政策発表
28日 (木)12月耐久財受注          +1.6%       +0.2%
28日 (木)新規失業保険請求件数     44.0万件     48.2万件
29日 (金)第4四半期GDP           +4.5%      +2.2%
29日 (金)1月シカゴPMI             57.0        60.0
29日 (金)1月ミシガン大消費者心理確定値 73.0        72.8

(出所:ブルームバーグ

12月は悪天候で、住宅建設は低調でした。
初回住宅購入者への税控除が11月末から延長された始めての月です。
住宅販売の予想は通常月よりも幅があるような気がします。

また、住宅価格に関して先週、ロバート・シラー教授
「今後数ヶ月、住宅価格は下落する可能性」に触れていますので、
金融危機の最大の原因である住宅価格がどうなるのかは、
注意しておきたいです。

FOMCでは金融政策の変更はないと思いますが、
発表される議事録の行間を読みたいと思います。

個別企業の決算も続きます。
しかし、相場の方向を左右する政治的な動きの方に注意が向きそうです。
バーナンキFRB議長の再任問題もあります。

もし、相場が下げたがっているのであれば、
指標も決算も悪い側面を探して、売り込むようになるはずです。


4)来週の株式相場動向


<米国>

高値からの調整幅を計算すると、
すべての主要指数は5%以上の下げとなりました。

昨年3月からの強烈な上昇相場では、久しぶりの調整局面です。
比較的大きな調整は、昨年6月から7月にかけてのものでした。

通常では、5%調整すると平均的には10%の調整になると言われています。
今回のブル相場は、調整幅は浅く、期間的にも短いのが特徴です。

最大10%調整するとして、ダウは9657ドル、ナスダックは2094ポイント、
S&P500は1035ポイント、ダウ輸送株指数は3839ドルが
それぞれ目標値となります。

しかし、今回のブル相場の特徴を加味すると、
目標値まで行かずに調整終了となる可能性が一番高いと考えられます。

その上、今週の下げで、既に安値を示現してしまっていて、
来週以降は下げないこともあり得ます。

それほど今回のブル相場は強烈なものだと思います。

ただし、相場に予断は禁物ですから、相場の下げまたは、
ベア相場入りに備えておく必要はあります。

さて、来週の短期シナリオは、いつもに増して難しいです。

A)高値から5%下げたので、いったん停止場面になる
 相場の振れ幅は大きくなる可能性はあるが、
 週間での指数の上下は±2%以内に収まる
B)さらに下値を探る展開になる
 過去の調整幅の平均の高値から-10%まで、だらだらと下落する
 しかし、スピードが速く10%下げる場合は、
 そこでとりあえず調整終了で、その後切り返す局面も見られる
C)今週末で調整は終了している
 来週からは企業決算の増益を評価してじり高傾向に復帰する

それぞれの確率は、Aが60%、Bが30%、Cが10%と考えます。

<日本>

外国人買いは非常に大きいです。
しかし、このハイペースは長くは続かないと思います。
昨年の日本株のパフォーマンスが悪かったので、
国際投資家の資産配分の調整で、日本株が買われていると判断できます。

米国株の調整が続くようだと、外国人買いも止まり、
日経平均で1万円前後を目処に調整となりそうです。

また、為替でドル安になるようだと、
日本株の下げはもう少し大きくなるかも知れません。

2月以降は、国内本社へ海外子会社からの送金が増え(レパトリエーション)、
円高になる季節ですから。

<中国>

本格的でない中途半端な引き締め政策を、継続するものだと思います。
成長至上主義の御旗は降ろせません。
上海万博も近いです。

米国の過剰消費が期待できない現在、輸出はできず、
大規模な財政出動に伴う内需拡大をしないと、
国内は大変な状況になってしまいます。

ギリシャ等の信用問題で、ユーロが下げると、
ドルにリンクしている人民元は高くなって、
中国は苛立っていると思います。

せっかくバブル対策のポーズをとっているのに、
余計なユーロ安ドル高で、予定が狂ってしまいます。

相場もその辺のことを分かっているので、
今週下げた分は来週取戻す動きになりそうです。

少々不謹慎ですが、1週ごとの上げ下げの繰り返しは続いています。
今週は下げの週でしたので、来週は・・・。

バブルはまだまだ継続中です。
一部の報道で、上海の不動産価格は今月に入り1割くらい下げたとのこと、
本当でしょうか?


5)その他


今年は中間選挙があります。

先日のマサチューセッツ州の上院補欠選挙で、共和党に負けました。
医療保険改革に行方に疑問符がつきました。

米国株式相場は財政赤字拡大に歯止めがかかるとして、
ヘルスケア等の株が上昇しましたが、一過性の動きでした。

オバマ大統領の支持率は低迷したままです。
バーナンキFRB議長の再任が、すっきりしません。

これは大きな問題ですが、最終的には再任で落着くものと期待しています。
ジャブジャブの流動性で株式相場は高く、
金融機関幹部の報酬に批判の目が集まっています。

政治家の人気取りと言えば言い過ぎですが、
新金融規制案はかなり厳しいものです。

そのままの形で法律として日の目を見るかは不確定ですが、
ネガティブ・インパクトは十分でした。

内容は、自己勘定でリスクを取り過ぎないようにすること、
ヘッジ・ファンドへの投資はもってのほかです。

しばらくは、リスクを敬遠する相場にならざるを得ない状況です。

金利の低いドルを借りて、リスク資産に投資する「ドル・キャリー」取引が、
難しくなることが予想されます。

為替面では需給面でドル高要因となります。
資源国通貨は弱含むことも予想できます。
リスク資産として、株式相場や新興国の資産価格や商品相場は
警戒感を持たれると考えられます。

ドル円では、本来はニュートラルですが、
リスク回避で一瞬、円が買われることがあります。

今後の日本銀行の金融政策が注目され、
FRBに負けずに国債買い入れ等の流動性注入で金融緩和を一歩進めると、
「円キャリー」の動きが出てくることも予想されます。
円にとっては強弱両面ありそうです。

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