平松雄二の 株と為替に勝つ!
ホーム>過去のメルマガ>2010年02月13日
過去のメルマガ
2009年
2010年
チャートの小部屋
用語集
欧州信用危機小年表
まぐまぐ!過去のメルマガ
まぐまぐ!チャート

2010年02月13日

来週の米国株式相場と日本株式相場(02月15日〜02月19日)


1)今週発表された経済指標等のまとめ


<米国>

項目                  実数      予想    前月/前週/前期
12月貿易統計          -402億ドル   -375億ドル   -364億ドル
1月小売売上             +0.5%     +0.2%      -0.1%
新規失業保険請求件数     44.0万件    46.5万件     48.3万件
12月企業在庫            -0.2%     +0.1%      +0.4%
2月ミシガン大消費者心理指数  73.7       75.5        74.4

(出所:マーケット・ウォッチ

大雪で指標発表や議会のスケデュール等が大きく変更されましたが、
経済指標のサプライズはありませんでした。

失業保険請求件数は、年末年始の事務手続きの遅れが解消して
通常の数字に戻ったようです。

バーナンキFRB議長の議会証言の原稿が出され、遠くない将来、
公定歩合引き上げの可能性を示唆したものと考えられています。

現在の米国では金融政策上、公定歩合の重要性は極めて低いです。

消費者心理が少し下向きで、大雪の経済コストを考慮すると、
向こう1ヶ月程度の経済は多少ネガティブな局面を
迎える可能性はありそうです。


2)今週の株式相場展開


<米国>

ギリシャ救済の行方を見守った一週間でした。
先週金曜日のザラ場で下げ一服感が生じたと書きましたが、
そのようになりました。

しかし、これは一時的なことだと思います。
相場は警戒が必要な展開になっていると思います。

ダウは月曜日のみ節目の1万ドルを下回って引けましたが、
その後は1万ドルをかろうじて守っている状態です。

週間ではダウで+0.87%、ナスダックで+1.98%、S&P500で+0.87%、
ダウ輸送株で+2.48%とフラットな動きの中、
ハイテク株と輸送株の堅調さが目立っています。

月間騰落を見ると、ダウで+0.32%、ナスダックで+1.68%、
S&P500で+0.15%、ダウ輸送株で+9.57%と
前月末と比較すると堅調地合いですが、
一方、昨年末との比較ではすべての指数はマイナスです。

<日本>

週間騰落率は、日経平均で+0.35%、TOPIXで+0.38%と小動きでした。
両指数とも、前月末と昨年末との比較ではマイナス圏です。

昨年12月以降、外国人買いとして顕著だった、
国際投資家の資産配分比率の見直しで、
出遅れで昨年のパフォーマンスが悪かった日本株の再評価の動きは
帳消しとなった状態です。

個別には、日本最大の会社であるトヨタ株の
買戻しが目立っていました。

しかし、これで一連の品質問題が解決したとは言えないと思います。
大きな会社ですから、官僚的なのでしょう。
会社の上層部に情報が伝わらない組織になっていると思います。
今後まだ沢山の問題が出てくると思います。
米国のトヨタ叩きは始まったばかりです。

オバマ大統領の言うように、米国が5年間で輸出を倍増させるためには、
以前も何度も指摘していますが、相対的に安いドルが必要です。

その上、トヨタの力を少し弱めれば、
米国からの輸出が増加し輸入が減少します。
トヨタが米国の罠にはまってしまったと感じます。

<中国>

上海総合指数の週間騰落率は+2.68%とようやく下げ止まりです。

節目の3000ポイントを回復しました。
しかし、金曜日の引け後に1ヶ月で2度目となる
預金準備率の引き上げがありました。

その結果、金曜日の米国での中国株は下げて取引されています。
来週が休みでなければ、週初は大きく下落してスタートするところでした。


3)来週の主な経済指標等


<米国>

日付    項目                 予想    前月/前週/前期
17日(水) 1月住宅着工件数        58.0万戸     55.7万戸
17日(水) 1月鉱工業生産指数        +1.0%      +0.6%
18日(木) 新規失業保険請求件数    44.7万件     44.0万件
18日(木) 1月PPI                +0.9%      +0.2%
19日(金) 1月CPI                +0.3%      +0.1%

(出所:マーケット・ウォッチ

物価指標が予想外に大幅に上昇しなければ、
相場には影響がないものと思います。

住宅指標では悪天候が理由にされることもあり得ますが、
来週は経済指標での相場変動要因が
今週に引き続き小さな週だと思います。


4)来週の株式相場動向


<米国>

過去の平均的な調整率は10%程度なので、
ダウで9700ドル割れ、ナスダックで2100ポイント割れ、
S&P500で1040ポイント割れ、
ダウ輸送株指数で3900ドル割れが目処になります。

この2週間のザラ場安値は、ダウで9835ドル、
ナスダックで2100ポイント、S&P500で1044ポイント、
ダウ輸送株で3742ドルと良いところまで下げました。

とくにダウ輸送株は既に上記の目処に到達しました。

さらに細かく見ると、ダウ輸送株は安値から瞬時5%の戻り高値を
記録しましたので、なるべく早い時期に先月の高値を抜かなければ、
次の動きは下になります。
つまり、安値の3742ドルを下抜く動きになるわけです。

具体策のないギリシャ救済合意で時間稼ぎをしています。
ユーロ相場がそのことを素直に反映していると思います。
株式相場は奇妙な静けさの中で、次に備えている感じです。

来週の短期シナリオです。

A)月曜日が休みで、火曜日以降も静かな展開。
 欧州の信用問題は悪化せず、相場は上下しても2%までの動きになる
B)昨年からの強気相場は継続。既に調整は終了していて、
 きっかけさえあれば3%程度上昇する
C)根深い信用問題が参加者の売りを誘い、ジリジリと安い相場になる。
 下げ幅は2〜3%程度か

それぞれの確率は、Aが50%、Bが30%、Cが20%と考えます。

<日本>

週初は米国が休場、中国本土は来週全部休場で、
静かな始まりになると思います。

中国の「危機モード」解除のスピードと幅が気になります。
米国への輸出が伸びない中で、
日本の輸出産業は中国頼みの側面が強いです

このところの為替が緩慢な動きで、株式相場は助かっています。
しかし、レパトリの季節であることは、忘れないようにしておきたいです。

海外の信用問題が悪化しなければ、横ばいの相場展開となると予想します。

<中国>

旧正月で、来週1週間は休場です。
休み前の預金準備率の引き上げの相場へのマイナス効果は、
再来週の相場では薄まると思います。

北京の商業ビルの空室率が5割程度ではないかとのことです。

もしも、不動産バブルが少しでも変調をきたすと、
影響は小さくないと考えます。
原油や銅等の資源価格と、株式や不動産等の資産価格が
世界的にネガティブな方向へ向かう可能性は捨て切れません。

要注意です。


5)その他


ギリシャの問題は、対岸の火事ではありません。
膨らみ続ける国債発行を止める時期もいずれやってきます。

その場合の経済へのデフレ効果は小さくありません。
日本での資産価格の再調整局面はあると考えておいた方が無難です。

例えは悪いですが、ギリシャの財政・信用問題はゴキブリと同じです。
ゴキブリが1匹出れば、1匹だけでは済みません。

EUが(あえて言えばドイツが)ギリシャを救済することは、
2年前を思い出してください。

JPモルガン銀行がベア・スターンズ証券を救済合併しました。
ドイツがJPモルガン銀行で、ギリシャがベア・スターンズ証券です。
バンク・オブ・アメリカ銀行に救済されたメリル・リンチ証券は
ポルトガルでしょうか?
それともスペインでしょうか?

最後にリーマン・ブラザーズ証券はどの国になるのでしょうか?

金融機関である民間の膨大な債務を、
国が肩代わりした今回の財政問題は世界共通です。
解決策は3通りです。

一つ目は、世界同時モラトリアムを実施する方法です。

二つ目は、「出口戦略」を完全に放棄して、
過剰流動性で新たなバブルを作り出す現状の政策を
さらに推し進める方法です。

バブルの処理はバブルで埋める手法です。
バブルが崩壊すれば一時期は悲惨ですが、
別のバブルに酔いしれるバブルの連鎖を作り出せればハッピーです。

米国の狙いはこれです。

最後に、債務は時間をかけて返済する方法です。

消費を抑制し貯蓄率を上昇させます。
米国が本来進むべき道ですが、米国は我慢できないのです。
日本や欧州でもこれが必要です。

しかし、生産が落込みますので、成長できません。
中国等の新興国に消費して貰わないと上手く機能しない構図です。

資本主義の欠陥かも知れません。

                    ページ・トップへ     ホームへ