平松雄二の 株と為替に勝つ!
ホーム>過去のメルマガ>2010年02月17日
過去のメルマガ
2009年
2010年
チャートの小部屋
用語集
欧州信用危機小年表
まぐまぐ!過去のメルマガ
まぐまぐ!チャート

2010年02月17日

今後のシナリオ


1月中旬からの世界的な株価調整は1ヶ月が経過しました。
世界の株式市場は、昨年3月に大底を打った後、
急上昇し始めてそろそろ1年です。

その間、昨年6月から7月にかけて1ヶ月のミニ調整がありましたので、
今回の調整は2度目です。

株式相場は次の上昇局面に向かうのか、
それとも方向転換して以前の下げ相場に戻るのか、
または新たな下げ相場に突入するのかを考えてみたいと思います。

今後の相場観は、「米国住宅バブル崩壊」、「リーマン・ショック」、
「100年に一度の金融危機」と一連の大イベントで大きく下落した
株式相場をどのように捉えているかで、考え方が異なると思います。

<Aケース>

株式相場は10年に一度は大事件が発生して、
大きく下げることがあります。
今回の金融危機もその範疇であると考えられます。

1980年代のブラック・マンデー
1990年代のヘッジ・ファンLTCMの破綻やアジア通貨危機ロシア危機
そして今回の100年に一度の金融危機と大事件は数多くあり、
その度に株式相場は大きく下げています。

<Bケース>

世界の経済構造や資本主義に大きな構造変化が生じており、
1930年代の世界大恐慌に匹敵するほどの一大事であると認識できます。
そうすると、株式相場の回復にはかなりの長い時間が必要で、
昨年3月からの上昇相場は、本格的な強気相場ではなく、
ベア・マーケット・ラリーと考えられます。


<Aケースでの基本相場観>

大きな金融危機が起きてしまったので、昨年11月のドバイ・ショック
今回のギリシャに代表される欧州の信用問題は、
比較的小さな金融危機であると考えられます。
人類の英知で、数々の困難は必ず乗り越えられます。

小さなソブリン・リスク顕在化は、大地震の後の余震のようなもので、
株式相場は多少影響を受けますが、景気も最悪期を脱しており、
大きな流れは経済も株式相場も上向きであると言えます。

事実、昨年6月から7月の調整と今回の調整は、下落幅も小さく、
期間も1ヶ月程度で非常に軽微なものであると思います。

住宅関係や雇用等多少気がかりな経済指標はありますが、
全体としての経済は回復傾向にあり、
時間が経過すれば住宅や雇用も改善すると考えられます。

このような基本相場観に立つと、今回の調整局面はそろそろ終盤で、
次の上昇のスタートを切る時期は近いと言えます。

相場格言で「初押しは買え」と言うものがあります。
前回の6月から7月の調整はこの格言通りでした。

一足早く景気が浮上した中国等の新興国は、
「危機モード」を解除しだしています。

株式相場は金利低下が主要エンジンの金融相場から、
企業業績が牽引する業績相場へと移行する時期だと言えます。

<Bケースでの基本相場観>

米国がすべての分野でリーダーである時代は終わりました。
しかし、米国に代わる国は簡単には現れません。

そのため、米国を筆頭に欧州や中国等の多極的な世界が形成されています。

資本主義は、米国型の金融資本主義の反省から、
社会主義的な要素が多く入る可能性があります。

多極的な世界では、意思決定の統一には時間がかかります。
ときには、統一できなくてバラバラな政策運営がなされる場合もあります。

経済では、米国の過剰消費は行き詰り、
中国等の内需拡大に期待が寄せられています。

しかし、経済規模が違うので、新興国への過度な期待は無理だと言えます。

結果的に世界の経済成長スピードは、次の10年は過去10年よりも
低いのではないかと思われます。

金融危機で発生した民間部門の債務を、国の財政が肩代
わりしたものに過ぎません。

その上、危機回避をするために会計基準等に変更を加えています。
銀行や中央銀行の資産には、
顕在化していない大きな損失が存在すると考えられます。

以上のように見ると、昨年3月からの株価上昇は、
弱気相場の中での上昇相場に過ぎないのではないかと考えられます。

1930年代の大恐慌時代の株式相場のチャートをじっくり眺めて、
共通点も多くありそうです。

いろいろなことが以前の状態に戻ることはなく、
混沌とした状態が継続しそうです。

<結論>

読者の方は、AとBどちらの相場観に近いでしょうか?
当然のことながら、相場には絶対と言う言葉はありません。
AかBかに決め付けるのは危険です。

筆者は、どちらかと言うとBケースに軸足を置いて考えています。
昨年1月から3月くらいまでは、正直に90%以上の体重を
Bケースに乗せていましたが、現在では6対4でBケースです。

客観的に自己分析すると、実際に上昇している株式相場と、
回復傾向の米国経済指標に影響を受けています。

                    ページ・トップへ     ホームへ