平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2010年02月20日

来週の米国株式相場と日本株式相場(02月22日〜02月26日)


1)今週発表された経済指標等のまとめ


<米国>

項目                  実数     予想    前月/前週/前期
1月住宅着工件数         59.1万戸  58.0万戸     57.5万戸
1月鉱工業生産指数        +0.9%    +1.0%      +0.7%
新規失業保険請求件数     47.3万件   44.7万件    44.2万件
1月PPI                +1.4%    +0.9%      +0.2%
1月CPI                +0.2%    +0.3%      +0.1%

(出所:マーケット・ウォッチ

予想よりも早いタイミングで、公定歩合を0.25%引き上げて、
0.75%にしました。
「出口戦略」開始と考えて良いと思います。

先週の配信で、遠くない将来、
FRB公定歩合引き上げの可能性を書きました。
実際にその通りになりました。

現在の米国の金融政策では、公定歩合の重要性は極めて低い
FF金利フェデラル・ファンド金利が金融政策を代表しており、
日本の場合はコール・レートに相当する)とは言え、
やはり心理的な影響はあります。

上表にありませんが、ニューヨークフィラデルフィア連銀
製造業景況指数は好調継続でした。
製造業の回復は確かに続いています。

1月の天候は悪くなく、住宅着工は良い数字でした。

ただし、季節調整と言うものが月次の経済指標に
大きな影響を与え厄介です。

例年冬の厳しい天候で、住宅着工ができないことが多いため、
季節調整で「本来はもっと多い数字であるべし」として、
無調整の数字に上乗せされて、季節調整後の数字が発表されるので、
見かけ上良い数字になってしまいます。

雇用はまだ足踏み状態ですが、来月の雇用統計では、
オバマ政権は雇用が底打ちから回復傾向を見せる数字を
出してくるのでは?と邪推しています。

CPIが予想を下回り、インフレの落着きを示しています。

FRBが積極的な利上げをする根拠に乏しいことを、経済指標は示しています。
とくに、コア指数と言われる、食品とエネルギー(両者は価格変動が大きいため、
根本のインフレを見るときに、エコノミスト達は好んで使う指標)を除いた数字は、
82年以来の-0.1%とデフレに近い状態です。


2)今週の株式相場展開


<米国>

メイン・シナリオで、休暇明け静かな展開で横ばいと考え、
準メイン・シナリオが強気相場復活と考えていました。
そのためメイン・シナリオは外れています。

週間ではダウで+3.00%、ナスダックで+2.76%、S&P500で+3.13%、
ダウ輸送株で+3.65%と堅調な一週間でした。

経済指標では、CPIが相場を持上げた程度で、
ギリシャ問題や中国の金融引き締め等は、あまり気にしていないようでした。

公定歩合引き上げも、景気回復で「危機モード」から平時に戻る過程だと、
今のところ認識しているのだと思います。

蛇足ですが、金曜日のタイガー・ウッズの会見中は、
株式の取引はすごく低調だったようです。

<日本>

週間騰落率は、日経平均で+0.31%、TOPIXで-0.35%と小動きでした。
米国の公定歩合引き上げをネガティブに受け止め、
金曜日の下げが、前日までの上げを帳消しにしました。

<中国>

上海は一週間休場でした。
香港は春節明け後、水曜日はプラスで始まり、
預金準備率引き上げを消化した気配でした。
しかし、翌木曜日には売りが出て、
金曜日には米国の公定歩合引き上げの影響で、さらに下落しました。


3)来週の主な経済指標等


<米国>

日付    項目                   予想   前月/前週/前期
23日(火) 12月ケース・シラー住宅価格指数 NA       +0.4%
23日(火) 2月消費者態度指数         56.0       55.9
24日(水) 1月新築住宅販売         36.0万戸     34.2万戸
25日(木) 新規失業保険請求件数     46.0万件     47.3万件
25日(木) 1月耐久財受注           +1.5%      +1.0%
26日(金) 第4四半期GDP改定値       +5.7%      +5.7%
26日(金) 2月シカゴPMI             60.0       61.5
26日(金) 2月ミシガン大消費者心理指数   73.7       73.7
26日(金) 1月中古住宅販売          550万戸    545万戸

(出所:ブルームバーグ

住宅関係の指標が発表されます。
ケース・シラー住宅価格指数と中古住宅販売が重要です。

以前、指数開発者のシラー教授が、
住宅価格はこの先少し伸び悩むのではないかと発言していますので、
今回とこれから数ヶ月の指数の動きは要注意です。
住宅関係の数字が良ければ、相場は素直に反応すると思います。

製造業の好調さが継続しているかの確認ができると思います。

GDP改定値は、過去の数字ですから、重要度は低いです。
このところの傾向で、速報値が大きく、
改定されるに従い、小さくなるのがGDPです。
さて、今回はどうなりますか…。

悪天候の影響が消費者心理にどのように反映されるか、読みにくいです。


4)来週の株式相場動向


<米国>

ドバイ、ギリシャと国の信用問題が、
波のように寄せたり引いたりしています。

しばらく沈静化するかも知れませんが、また問題は顕在化します。
それがいつか分かりませんが、問題が解決していないことは分かります。

とりあえず、「出口戦略」第一弾の公定歩合引き上げは、無事通過しました。
FF金利の引き上げが今直ぐに行われるとは考えにくいですが、
金融政策を平時に戻すことは確実です。
「低金利は株式相場の友達」ですから、
そのことだけは頭に入れて置いて下さい。

月曜日の春節明けの中国市場の動向は大切ですが、
唯我独尊の米国市場は無視するだろうと思います。

来週の短期シナリオです。

A)上昇継続としたいが、あえて、下落と見る。
 株価指数は今回の調整局面の安値と比較すると、
 既に6%以上上昇している。
 一休みしてよい値頃だと判断する。
 しかし、下げても限定的で2%程度下げる。
 ダウで200ドル程度の下げで10200ドル辺りと考える
B)上値追いの展開。1月高値に挑戦する。
 ダウで300ドル余りなので、十分達成可能である。
 率にして+3%程度である
C)大きく下落する。
 中国の金融引き締めが、予想以上に米国に影響を与える。
 今回の調整局面の安値にトライ。
 相場は5%程度下落する。ダウで1万ドル割れ

それぞれの確率は、Aが60%、Bが30%、Cが10%と考えます。

<日本>

金曜日の下げ過ぎの反動で、週初は高く始まると思いますが、
直ぐに上海市場がオープンします。
市場参加者は、上海がどのように反応するかを見たいと感じています。

日本の米国写真相場に変更はありません。
日経平均は心理的な節目の1万円は堅いですが、
どんどん上値を買って行く相場ではないと思います。

トヨタの動向も重要です。
生産調整が大きく長引くようだと、経済に与える影響は大きいです。

<中国>

この国の相場は、あまのじゃくに動くことが多いです。
春節前の預金準備率引き上げはもうすっかり忘れて、
3000ポイントを固めて、さらに上昇する可能性があります。

相場参加者は休暇中マージャンをやり過ぎて、
疲れてだるい相場になる可能性も否定できません。


5)その他


米国の製造業の回復とインフレ率の落着きは、
何を物語っているのかを、一つの角度から説明します。

米国のみならず、他の先進国でも同じことが言えます。

失業者も多く、新規の雇用はもたついています。
そのため、個人所得は増えません。
当然、個人消費は盛り上がりません。

需要と供給の関係で、インフレが決まります。
需要が少ないままなので、インフレにはなりにくい状態だと言えます。

一方、情報通信や技術の進歩で、製造業の生産効率は高いです。
新たな雇用をしなくても、ある程度の生産量を増やすことが可能です。
国内の需要が停滞しているので、製品を海外に輸出します。

ドル安なので、交易条件は良いです。
幸い、中国を筆頭に新興国の景気の立ち直りが早く、
米国製品を輸入してくれます。

100年に一度の金融危機は、新興国の内需の盛り上がりをテコにして、
米国の製造業を回復させ、グローバルに展開している
米国企業の業績を回復させ、米国の株価を上昇させます。

また、米国の輸出の増加で、貿易赤字を減らす効果があります。

株価の上昇で資産効果を生み、個人消費を上向かせることも可能です。
ドル安と新興国の内需はセットになっています。
米国が一番必要とするものなのです。

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