平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2010年05月06日


Sell in May and Go away
(セル・イン・メイ・アンド・ゴウ・アウェイ)


読者の方は、この言葉を聞いたことがあると思います。
「5月に株を売って、どこかに行ってしまえ」と言う意味です。

米国株式市場で、使われるフレーズです。
この言葉は、「ハロウィン・インディケータ」の裏返しです。

ハロウィン・インディケータとは、
11月1日に株を買って、翌年4月30日まで保有すると、
良いパフォーマンスが得られることを表しています。

つまり、5月に入ってから、前年11月に買った株を、
売ることを意味します。

私が昨年6月に記述して、配信した、
「ナスダック8ヶ月ベストの法則」と、ほとんど同じことです。

どうして、5月に売るのかと言うと、

1)米国株は、夏よりも冬の方が、パフォーマンスが良い
2)相場変動が、夏よりも冬の方が低い傾向がある
3)1月効果が、冬の株相場に好影響を与えている

等々が考えられます。

1月効果は、「ジャニュアリー・イフェクト」とも言われ、
1月の米国株相場は上昇することが多いと言われます。

過去の経験則で、ハロウィン・インディケータも、1月効果も、
いわゆるアノマリーとして、知られています。

しかし、学術的な研究論文もあります。
残念ながら、英語です。

いくつかの論文のURLを、参考までに掲載しておきます。
じっくり読んで研究するのもよろしいかと思います。

http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=76248
http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=831985
http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=887861
http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=1593770

上述した、相場の変動性が、最近上昇しています。
添付ファイルの vix100506 を参照して下さい。

3月13日と4月28日に紹介している、VIX指数のチャートです。
VIX(ヴィックス)指数は、別名「恐怖指数」とも呼ばれています。

S&P500指数の変動率が、シカゴ・オプション取引所で
売買されているのがVIX指数です。

投資家が株を売って、相場が下落するときに、相場変動性が、
上昇します。
変動性が上昇すると、VIX指数が上昇します。

添付のチャートは、上段がVIX指数週足で、
下段がS&P500指数週足です。

逆相関がよく分かると思います。

「VIX指数が上昇=S&P500指数が下落」
「VIX指数が下落=S&P500指数が上昇」

の関係です。

米国株が大天井をつけた2007年以降、VIX指数は
総じて高い状態が継続しています。

これは、明らかに2007年までの相場と、現在の相場の
性質が違うことを物語っています。

赤色で示したように、VIX指数は長期間20を下回ることが
少ないです。

理由はともかく、何かの事件が発生し、VIX指数は上昇します。
それも、間欠泉のように、ある程度の時間が経過して、
VIX指数は噴きあがります。

紺色で示していますが、リーマン・ショックの時期を除いて、
VIX指数が30を超えると、相場は調整しています。

しかし、幸いなことに、30を超えての滞空時間は
短いことが特徴です。

株式相場に限らず、為替相場でもそうですが、相場上昇は、
ジリジリと時間をかけて上昇するケースが多いです。

逆に相場下落は、ストーンと下げます。

ドル円相場でも、多くの場合、ドル上昇はゆっくりで、
ドル安円高は、スピードが速いです。

そのため、変動性の指数であるVIX指数が上げると、
相場は下げることになります。

果たして、今回VIX指数は30を越えるかどうか、
注意して見ておきましょう。


ギリシャ問題は根が深いです。
まだまだ続きます。

ギリシャ問題が終わるのは、2つのシナリオです。

<最悪シナリオ>

比較的短期間で、終了するシナリオです。

ギリシャがデフォルト宣言
  ↓
欧州銀行が損失計上→欧州景気悪化
  ↓
政府が銀行救済す→第2のリーマン・ショック
  ↓
財政赤字拡大
  ↓
負のスパイラル再突入

当然、ギリシャはユーロを離脱して、新ドラクマを採用します。

そうでなければ、通貨ユーロは終わります。

世界的な景気後退が訪れ、欧米諸国は、財政赤字を
再度拡大して、乗り切ろうと努力しますが、力不足です。

打てる手段が多いのは、唯一中国です。
バブルを省みずに、金融緩和と財政出動を再開します。

中国のバブルで、世界が救われます。

結果として、株やリスク資産は大きく下落しますが、
各国の協力で、危機はなんとか乗り越えられると考えます。

また、中国は世界に恩を売ったため、人民元の切上げは、
しばらくの間ありません。


<ずるずるシナリオ>

長時間かかるシナリオです。

ギリシャへ緊急融資実行と財政赤字削減着手
  ↓
ギリシャが極度の景気後退へ陥る
  ↓
削減計画が大幅に狂う
  ↓
緊急融資増額申請と融資実行→ユーロ下落継続→ドイツ輸出増加
  ↓
ポルトガル融資申請→ユーロ下落継続
  ↓
ギリシャ破綻→ユーロ離脱
  ↓
ポルトガルが極度の景気後退
  ↓
削減計画が大幅に狂う
  ↓
緊急融資増額申請と融資実行→ユーロ下落継続→ドイツ輸出増加
  ↓
スペイン融資申請→他の国々にも波及

世界経済は時間をかけて大混乱に突入します。
ギリシャは小さ過ぎて、ギリシャ問題はなくなります。
しかし、他のもっと大きな問題に摩り替わります。

どちらにしても、ユーロは下落する可能性は高いです。
ユーロの下落で、ドイツの製造業の輸出は増加します。

ギリシャ問題でユーロが下げると、ドイツの国力がアップします。
結果的に、ドイツが問題国を支える財源が増加します。

ドイツはギリシャ等を助けなくてはならない役割です。
過去2回の世界大戦の十字架を引きずっています。

ドル安で、米国製造業が復活している現在、ギリシャ問題は
目の上のたんこぶです。

ギリシャのデフォルトの可能性は、直接米国にはマイナスの
影響は与えませんが、ユーロ安はボディーブローです。

現在の米国株安は、将来を織込みつつあると思います。
また、別の見方をすると、1年以上上昇している相場で、
市場参加者が、売る理由を探しているのかも知れません。

米国企業の業績は良いです。
しかし、欧州が景気後退に陥ると、米国企業の輸出が
減少します。

米国には、ドル安が必要なのですが…。

添付ファイルの usdeurodow100506 はドルユーロ相場と、
米国株の関係です。

「ドル安=米国株高」

の関係が見てとれます。


最後に、添付ファイルの dow100506 を参照して下さい。

少なくとも、チャートでは下げを示唆しています。

ダウの下げ幅はまだ小幅ですが、ナスダック、S&P500指数、
ダウ輸送株指数は全て、高値から5%の下げを記録しています。

ダウの5%下げは、10700ドルのレベルです。
一目均衡表の雲上限です。

そのレベルは、1月に調整する直前の高値です。
重要なサポートだと言えるでしょう。

それを下回ると、10%下げの、10100ドルが次の
ターゲットです。

最大に下げても15%下げまで見ていれば、十分だと
思いますが…。

15%下げは、9600ドルです。


一方、日本株にもマイナスです。

ギリシャ問題に端を発した、ユーロ安ですから、
日本企業にも負の影響があると思います。

欧州での売上が大きい企業の業績に、不安が生じます。
例えば、キャノン、任天堂、マツダ等々です。

同時に、負債が大きな企業は、信用問題が顕在化し、
売られる可能性があります。

十分注意したいところです。


2010年05月06日 18:30記述


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