平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2010年05月16日


1)先週の相場概観

まだ、ギリシャの余震が続いています。

ゴールデン・ウィーク中に、大きく下落した世界の株価は、
EUとIMFの緊急支援基金設立で、ひとまず落着きました。

しかし、ユーロの下落が止まりません。
株価も戻しましたが、不安定です。

株価の週間ベースの騰落です。

ダウは、240ドル(2.3%)上昇しました。
日経平均は、98円(0.9%)上昇しました。
上海総合は、8ポイント(0.3%)上昇しました。

為替は、ドル円で、90銭(1%)ドル高円安でした。
ユーロは、週初、対ドルで1.3に乗せる場面もありましたが、
下げ止まらず、対ドルで1.23台へ突入しました。
結局、対ドルで2.8%の下落でした。

少なくとも、ギリシャ問題は解決しないと、市場参加者は、
考えている証です。

このままだと、ユーロは対ドルで、1.18を切るのは、
時間の問題でしょう。
パリティーの1を切ることも、十分あります。

ユーロがなくなるとは、性急には言えませんが、
そう考えている人は多いのではないでしょうか?


2)先週発表された経済指標と相場展開

添付の ecolendar100516 を参照して下さい。

エコ・ヒート・マップは、グリーンが少し勝っています。
経済指標の好転が続いています。

特筆すべきは2点あります。

個人消費が堅調です。
4月は、3月の反動で伸びが小さいと、
考えられていましたが、強かったです。

既に、説明していますが、カレンダーの関係で、
イースター(復活祭)休暇が、3月にずれ込んで、
3月の小売売上が大きくなり、その分4月は少なくなると、
大方の予想でした。

「消費は美徳だ」と考えている人たちですから、
仕方ないことです。

ギリシャ問題に端を発した、株価下落が、今後、
米国の消費者心理に、どのような影響を与えるのか、
見ておきましょう。

ダウが、1万ドルを割らない状態が続くのであれば、
大したことはないと考えます。

もう1点、やはり製造業は好調です。

在庫を絞り込んだ結果、消費が少し上向くと、
売る商品・製品がなくなります。

生産者、卸売、小売段階で在庫を持たざるを得ません。
その結果、生産も上向きます。

今後発表される製造業関係の指標も、良いと思います。

懸念材料は、ドル高ユーロ安です。

現在の米国は、国策として、輸出を伸ばそうとしています。
ドル安で、米国製造業は、輸出競争力がつきました。

米国製品で、性能や品質で競争力を持っている産業は、
ごく一部です。

ドル安が、もっとも競争力を高める要因です。

現在の、ドル高ユーロ安は、ドイツの製造業にプラスです。
米国製品は、ドイツ製品の性能や品質に勝てません。

グローバルに展開している、米国企業の業績も、
ドル高で不利になります。

ドル高ユーロ安は、米国株にはマイナスに作用します。

経済指標が良い割に、株式相場はあまりパッとしません。
個人的には、雇用統計を受けての、相場下落が嫌です。

ダウを1000ドル急落させた犯人は不明です。

急落後のあや戻しの範囲を超えない上昇です。


3)今週発表予定の経済指標と相場展開予想

経済指標は ecolendar100516 を参照して下さい。

製造業関連は良い数値だと考えられます。
住宅関連もそこそこの数値で、物価に関しては、
相場にマイナスの影響はないです。

今は、経済指標よりも、財政問題の比重が高いので、
その帰趨を見守る姿勢だと思います。

株式相場については、 dow100516 を参照して下さい。

来週は、移動平均で見ると、10900〜10300の間で、
上下しそうです。

一目均衡表の雲の範囲内とも言えます。
その場合、10900〜10400の間で、しばらくは
明確なトレンドが出にくい相場です。

懸念材料は、RSIとMACDです。
今年の1月〜2月の調整場面と似てきました。

相場下落が続けば、5月6日の急落は、
誤発注やアルゴリズム取引による、人為的なものではなく、
相場の自然な流れで下げたことになります。

日足では、長い下ヒゲが出現して、下値にはかなりの
抵抗があると見えますが…。

ギリシャがダウを押し下げる可能性はあります。


添付のチャート oildaily100516 を参照して下さい。

原油価格の日足チャートです。
チャネルを形成していましたが、先週、明確に下抜けしました。

しかし、サポートも多くあり、世界経済が混乱しなければ、
下げ止まると思います。

メキシコ湾の原油流出事故は、将来的に供給懸念を起こす
性格の事故です。

また、季節性から、初夏になって、米国での
ガソリン需要が旺盛になり、ガソリン価格の上昇、
原油価格の上昇と、連想が働く時期です。

長期的なチャートは、 oillong100516 を参照して下さい。

上段は、原油価格の週足チャートです。
リーマン・ショック直前直後の大暴落幅の、
50%戻しは達成できました。

しかし、空いている窓は埋められませんでした。

紺色の曲線のチャネルが想定できます。
ボックス相場になりそうな感じがします…。

下段は、原油価格の月足チャートです。
こちらは、少し不気味な形です。

今月の大陰線が悪い足です。
まだ、5月は半ばで、終了していないのが、
心の平静さを保てる要因です。

赤色の点線は2003年までのレンジです。
米国の住宅バブル以前のレベルです。

住宅や株のバブルを否定して、
昔のレンジに収まる過程であるのであれば、
納得します。

しかし、BRICs諸国の経済発展は、どうなるのでしょう?
原油をがぶ飲みして、成長を続ける中国の需要は、
どうなるのでしょうか?

もし、ピンク色で示したように、三尊を形成して、
下落すると、本当に10〜40ドルのレンジになります。

世界経済は、大きな曲り角に来ているのでしょうか?

原油の長期チャートは、世界の株価チャートと、
ほとんど同じ形です。


目下、世界最強の通貨である、金価格を見てみましょう。

添付の goldusd100516 を参照して下さい。

上段が、金価格の月足チャートです。
下段が、ドル・インデックスです。

ドル・インデックスは、インターコンチネンタル取引所で、
取引されている、主要6通貨に対するドルの価値です。

金価格とドル・インデックスは逆相関の関係です。
ドルが上昇すれば、金価格は下落します。
ドルが下落すれば、金価格は上昇します。

理由は、金価格はドル建て表示だからです。
金の本源的な価値は不変ですから、ドルが下がれば、
ドル建ての金価格が上昇することで、調整されます。

具体例で見てみましょう。

チャート上の、A点はドル・インデックスが120です。
それに対応する金価格は、A'点で、約300ドルです。

B点のドル・インデックスは90です。
B'点の金価格は380ドルです。

ドルの減価を計算すると、
(90÷120−1)×100=−25%
2002年〜2004年の約2年間で、
ドルは、約25%下げたことになります。

一方、金の上昇を計算すると、
(380÷300−1)×100=+27%
金価格は、2年間で27%上昇し、その価値を
保ったと言えます。

これは、金が値上がりしたのではありません!

金の価値は変わらず、ドル建ての価格が、
上昇しただけです。

ドバイ・ショックまでは、金価格とドル・インデックスは
順当な動きでした。

ギリシャ・ショック以降の動きは、これまでとは
違っています。

ドル・インドックス上昇=金価格上昇です。

現在は、ドル高ではなく、ユーロ安です。

しかし、ドル・インデックスでは、ユーロの大幅な
下落に歩調を合わせて、ドル・インデックスが上昇して
いると考えられます。

つまり、ユーロ建ての金価格が変動することにより、
金の本源的な価値を保とうとする動きにも見えます

ユーロ安=ユーロ建て金価格上昇=ドル高
結果として、ドル建ての金価格上昇です。

実際は、どのように動いたかを計算して見ましょう。

添付のチャート eurogold100516 を参照して下さい。

今回の動きは明らかに違います。

金はインフレ・ヘッジや財産の保全目的ではなく、
ユーロ投資家にとっては、積極的に収益を
あげる対象のようでした。

欧州や中東の投資家は、ユーロ建てで資産を
保有するよりも、金の方が安全です。

根底で、欧州では何か起きています。

今の金価格が正当化できるのであれば、
ユーロはなくなります!

金価格のチャートでは、5月14日に、同事線が出ています。
もしかすると、方向転換があるかも知れません。

金相場はドル・ユーロ相場と同じくらい重要です。


2010年05月16日 12:30記述


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