平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2010年5月20


上海総合指数とバルチック海運指数の関係


バルチック海運指数は、ロンドンのバルチック海運取引所が、
発表している不定期船の各種国際運賃指数です。

代表的な指数は、鉄鋼石や石炭等のばら積み船の運賃指数で、
バルチック・ドライ・インデックス(以下BDI)と呼ばれています。

近年、中国等新興国の経済成長が著しく、鉄鉱石等を大量に
輸入するため、海運市況も大幅に上昇したと言われています。

添付の shanghaibdi100520 を参照して下さい。

緑色の面グラフがBDIの推移です。

2007年と2008年には、BDIは1万ポイントを超える程の、
大暴騰を演じました。

しかし、逆にリーマン・ショック後は大暴落して、
2000ポイントを下回るレベルにまで下げました。

現在は、2003年から2004年と同じようなレベルに位置し、
リーマン・ショック後の底値から、回復過程に
あるように見えるチャートです。

一方、朱色の折線グラフは、上海総合指数の推移です。

株価は、2006年から急上昇し、米国のダウよりも先に天井を
つけて下落しました。

リーマン・ショック後、中国政府はいち早く経済対策を打ち、
株価は回復しましたが、昨年央以降は、再度下落基調です。

とくに、この1ヶ月の下落は急激なもので心配です。

中国は、経済成長が続いているため、諸物価が高騰するのは、
むしろ当然の状態だと考えられます。

しかし、不動産価格は許容範囲を超える上昇を示して、
中国当局は、不動産バブルを押え込もうと動いています。

株式市場は、金融引締めを嫌気して、下落しています。

米国を初め先進各国は、リーマン・ショック後、
財政支出を急拡大させて、景気を刺激しました。

財政赤字かどうかは別として、中国も大型の財政出動を
しました。

結果として、ジャブジャブの金余り現象が、
世界中で発生しています。

一部の投機資金が、不動産や株に流れて、価格上昇を
惹き起こしている、と考えるのが自然です。

世界中で規制が強化されているため、投機資金は、
規制が少ないところを探して、流れ込んでいます。

中国株とBDIの関係を調べました。

添付の shanghaibditable100520 を参照して下さい。 

相関係数が、年間70%以上の年にクリーム色を
つけました。

2001年、2005年、2006年、2007年、2009年です。

これらの年は、上海総合指数とBDIの年間騰落率が、
プラスの場合やマイナスの場合も存在します。

つまり、両者のパフォーマンスが正でも負でも、
相関関係が高いのです。

より長期間の相関では、2000年からでも60%を越す程度の
相関が見られます。

中国株が急上昇した、2006年から現在に至るまでの
相関は70%を越すものになっています。

結論的には、「中国株とBDIの相関は高い」。
「中国の鉄鉱石等の輸入増に伴う、BDI上昇は、
十分に正当化される」と言えます。

しかし、相場的には、どちらかの先行性を知りたい
ものです…。

中国の輸入増加=経済成長が原因で、
BDIの高騰は結果だと思いますが、
経済成長を知るための、経済指標を入手できるタイミングは、
最低でも1ヶ月のタイム・ラグがあります。

場合によっては、BDIの方が先に動くこともあり得ます。
しかし、常にBDIが中国株に先行することもありません。

先述しましたが、世界中で規制強化の嵐です。
ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー等の、
米国投資銀行等は、規制の目を逃れようと必死です。

原油や金等の商品相場に、実需を伴わない投機資金が
大量に流れ込みました。

米国の規制当局や欧州の規制当局は、投機的な動きを、
規制しようとしています。

FFRと言う、海上運賃の先物(先渡)商品があります。

FFRはForward Freight Agreementの略で、
船主間で将来の運賃の上下を想定して、差金決済する
契約のことです。

海運会社や商社等が、運賃の変動をヘッジする目的で、
先物(先渡)市場に参加するケースが多いのですが、
最近では、金融機関やファンド等の投機的な資金も
多く参入している模様です。

FFRと言う船主間で相対で取引される契約が、
まるで金融商品のように、売買され差金決済されているようです。

このFFRがBDIに大きく影響を与えているのも事実です。
つまり、ヘッジ目的のFFRと言う商品の値動きが、
BDIの変動を大きくしている可能性が高いのです。

世界経済が絶好調の、2007年時期は、船舶が不足していました。
しかし、2009年から2010年にかけて、大型船が多く
竣工しています。

船舶需給は緩和されています。

中国の鉄鉱石輸入が急増でもしない限り、船舶不足からの、
海上運賃の急上昇はないのです。

ところが、今年に入ってBDIは再度高騰しています。
この現象も、投機金流入が原因かも知れません。

中国株がバブル退治で、下落している最中の、
BDIの上昇は、ここまでの相関関係の高さを考えると、
少々不自然です。

BDIのチャートは、三尊を示唆している可能性があります。
三尊天井が機能するのであれば、BDIが上海総合指数に
追随して、2000ポイントを切る可能性があります。

因みに、今年の相関係数は、-51%です。

今後、高い相関関係を保つとすると、BDIは激しく
下落することが予想できます。

反対に、上海総合指数が暴騰することで、高い相関を
保つのかも知れません。

客観的には、BDIが下げると考えるのが自然だと思います。

BDIをチェックするURLを紹介します。

バルチック海運取引所
http://www.balticexchange.com/default.asp?action=article&ID=1

ブルームバーグ
http://www.bloomberg.com/apps/cbuilder?ticker1=BDIY:IND

ドライ・シップ社
http://www.dryships.com/pages/report.asp

結論として、「上海総合指数はBDIの先行指標ではない」し、
「BDIは上海総合指数の先行指標として、完全ではない」、
言えることは、「両者の相関は高い」です。

原因は、中国等新興国の経済成長=輸入増大です。
BDI上昇は結果です。

しかし、金融市場では、時として、結果が先に
表面化することもあるのです。


2010年5月20日 10:00記述


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