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2010年5月27日


シカゴ連銀CFNAI

シカゴ連銀から、毎月末近くに発表される、CFNAI
(シフナイと発音します)について解説します。

既に、この指数について造詣の深い読者の方は、
読み飛ばして下さい。

指数は、Chicago Fed National Activity Indexの頭文字で、
CFNAIと呼んでいます。

85種類に及ぶ全米の月次経済指標を加重平均して算出しています。

指数には工夫が凝らされていて、指数が「0」で、
過去の経済成長トレンドと等しい経済成長スピードを、
示すように調整されています。

つまり、プラスの数値で、米国経済は、
過去の成長トレンドよりも早いスピードで拡大していることを示し、
マイナスの場合は、過去のトレンドを下回る
経済成長になっていることを示します。

85種類の経済指標は、大きく4分類されています。

生産と所得、雇用と労働時間、個人消費と住宅建設、
販売受注及び在庫の、4種類になっています。

過去のトレンドについての詳細な説明はありませんが、
FRBの考える、米国の潜在成長率と考えて良いと思います。

現状では、米国のGDPの潜在成長率は実質+2.5%程度と
考えられます。

月次データは、比較的大きなばらつきがあるため、
3ヶ月移動平均で傾向を見るため、その数値も発表されています。

3ヶ月移動平均が-0.70を下回ると、
景気後退が始まる可能性が高いと考えられています。

逆に-0.70を越すようになると、
景気後退が終了する可能性が高いと考えられています。

3ヶ月移動平均が、+0.70を越して2年が経過すると、
インフレを惹き起こす可能性が高いと言われています。

CFNAIは、ハーバード大学のジェームズ・ストック教授と、
プリンストン大学のマーク・ワトソン教授の研究成果が、
ベースとなっています。

今週初めに、4月CFNAIが+0.29と発表されました。
また、3ヶ月移動平均は-0.03でした。

毎月沢山の経済指標が発表されますが、
CFNAIを見ると、米国全体の経済活動の方向性が、
一目で把握できる利便性があります。

米国経済は、正式の発表はまだありませんが、
景気後退から抜け出し、成長しています。
その上、インフレの懸念はありません。

添付のチャート cfnai100527 は2000年からの
推移です。

緑色の棒グラフが月次データで、
赤色の折線グラフが3ヶ月移動平均です。

興味深い点は、米国株が史上最高値をつけた、
2007年の時点では、CFNAIは2005年末辺りで
トップをつけて、下落を始めていました。

同時に、今回のリーマン・ショック前後の景気後退が、
いかに深い谷を形成したかも分かります。

そして、米国経済はV字回復しているのも分かります。
しかし、最近の3ヶ月移動平均線の形が、
少し頭が丸くなり始めている感じもします…。

今後の月次経済指標の動向、CFNAI、
それに、ギリシャ発の欧州信用危機の展開を
注意深く見守りたいところです。


添付ファイル logdow100527 を参照して下さい。
ダウの日足チャートを、昨年3月底値から、
Y軸を対数表示したものです。

1)昨年6〜7月の調整後、紺色トレンド1を確認しました。
トレンド1は約3ヶ月有効でした…。

2)昨年10月のミニ調整でトレンド1はブレークされました。
ミニ調整後、赤色点線トレンド2を引いてみました。

しかし、厳密に言えば、10月終わり〜11月初めの安値が、
10月初めの安値を下回っていないので、
トレンド2は成立していないとも言えます・・・。
赤色の丸印の部分です。

直ぐに、日足がトレンド1に復活しましたので、
ミニ調整での安値は、誤差と考えても良いでしょう。

そうすると、トレンド1は11月下旬にブレークされました。
赤色トレンド2を無視して、紺色点線の部分です。
合計すると、トレンド1は、約4ヶ月半有効でした。

その後、しばらくはトレンドがない状態でした。

3)今年の1〜2月の調整で、緑色トレンド3が出現しました。
このトレンド3は、連休まで有効でした。

5月6日のフラッシュ・クラッシュの安値を下回り、
チャートでは、強気になれません

三尊天井を彷彿とさせる形状です。
ターゲット価格は8400〜500ドル辺りです。

そうなると、今回の強気相場は終了です。


次に、添付ファイル dow100527 を参照して下さい。
Y軸を通常にして作成したダウ日足チャートです。

トレンドも、対数チャートと同じように引けます。
対数チャートとの差は、ほとんどないように感じます。

唯一、決定的な差は、連休中の売りシグナルの
タイミングです。

通常のチャートでは、クラッシュで初めて売りシグナルが、
点灯しました。

対数チャートのシグナルのタイミングは早かったです。

これは大きなポイントだと思います。

短期でチャート分析する場合は、
Y軸を対数にする必要はあまりありません。

しかし、今回のような場合は、
対数チャートの威力が発揮されます。

長期で価格変動が大きな場合は、
対数チャートで分析するのも重要だと思います。

対数にするメリットは、価格変動の比率を
同じようにすることです。

私たちの日常生活では、値幅は実数値です。

例えば、日経平均が10000円から1000円上昇して、
11000円になる場合、1000円上昇が実感で、
10%上昇は頭の中で考えることです。

しかし、日経平均が8000円から1000円下落して、
7000円になる場合、1000円の下落が実感です。
-12.5%下落は実感ではないと思います。

この差を埋めるのが、対数です。

つまり、対数は、変動幅の比率を、
どのレベルでも等しくする方法です。


添付ファイルの nikkei100527 を参照して下さい。
日経平均日足の対数チャートです。
昨年3月の底値から見ています。

一言で、ダウよりも悪い形です。
強気にはなれなくなってしまいます。

長期の移動平均線も下向きです。

欧州や米国次第では、8000円割れも
視野に入れておく準備が必要です。


5月9日の定期配信で、Y軸が通常のドル円のチャートを
掲載しています。
トレンドを厳密に引いています。

しかし、対数チャートだと、風景が変わります。

添付の usdyen100527 を参照して下さい。

多少の誤差を考えると、
週足のトレンドは変わっていません

下げトレンドが生きています。

しかし、今は、ドル円は蚊帳の外です。


2010年5月27日 11:00記述


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