平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2010年06月03日


米国雇用統計発表を前に

6月2日、バイデン米副大統領が、4日発表予定の5月雇用統計に関して、
「NFP(非農業部門雇用者数)は、前月を上回る増加が示される」との、
インサイダー情報を伝えたとのことです。

昨日は、オバマ大統領が、ピッツバーグ・カーネギー・メロン大学での講演で、
「5月の雇用統計は、雇用増が予想される」と発言しました。

正副大統領が、揃ってインサイダー情報の暴露です。
金曜日のNFPは大きな数値なのでしょう。


今回発表されるNFPには、国勢調査のための臨時雇いが、
約40万人程度含まれると予想されています。

そのため、民間部門の雇用者数増が、前月並みであっても
60万人近い雇用者増の数値が発表されると考えられます。

内容はともかく、60万人増のインパクトは決して小さくありません。
市場は既に、NFPについては50〜60万人増を織込んだ状態です。

そこで、雇用統計発表後の、超短期シナリオを考えて見ます。


<ケース1:NFPが+50〜60万人の場合>

大きな数値ですが、相場を一気に押し上げるインパクトは、
既に乏しくなっています。

市場参加者は、直ぐに民間部門の数値をチェックします。
それが前月並みであれば、相場は大きく動かないと思います。
為替も米国株も、動意に欠けます。

失業率も想定の±0.1%であれば、なおさら相場は動きません。

次に、労働時間の増減と時間給を、市場参加者はチェックします。
雇用者増加数が50万人に近く、労働時間数が少し増加していれば、
相場は、企業は雇用せずに労働時間の延長によってカバーしたと、
判断して少し弱含む方向になると思います。
ドル売り、米国株売り、米国債券買いです。

雇用者増加数は60万人に近く、労働時間数が増加していれば、
相場は、少し強気に傾くと考えます。
ドル買い、米国株買い、米国債券売りです。


<ケース2:NFPが+60万人以上の場合>

民間部門の数値に関係なく、初動は強気です。
ドル円だと、少なくとも1円程度は上に跳ねると思います。
米国株もダウで少なくとも+100ドルくらいの上昇は見込めます。

労働時間や時間給等は後付の理由にされるだけです。
とりあえず、ショート・カバーとネット・ロングの買いが、
売りを凌駕すると思います。


<ケース3:NFPが+50万人未満の場合>

ドルは、対円と対ユーロで、一瞬売られると思います。
その後は、買戻しが入るのではないでしょうか。

NFPよりは、欧州の悪いニュースの方が、ユーロ売りの
インパクトが大きいです。

その日の欧州の悪いニュースの有無に注意です。

しかし、さすがにここまで売られたユーロですから、
かなり打たれ強くはなっています。

蛇足ですが、ドル・ユーロの月足は、5月まで
6ヶ月連続の陰線です。
1ヵ月くらいのお休みがあっても良いでしょう。
ソブリンと銀行の信用危機は、解決しません。
長いテーマです。

米国株は、その日の欧州市場の動向や、アジアの動向を
気にはしますが、米国独自の動きになると思います。

リターン・リバーサルではありませんが、午前中の動きと
逆の動きを、引け間際に見せることが多いです。

米国株が午前中高ければ、午後は下げる展開に、
逆に午前中安ければ、引けは高くなる展開です。

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理由はともかく、雇用は増加しています。
製造業から非製造業への拡がりがどうかです。

しかし、ユーロ安ドル高で、米国の輸出が伸びず、
製造業に少し陰りが出ると、良くありません。

内需が強い米国でも、欧州信用危機を契機の株安は、
逆資産効果と言わなくとも、消費を少し
抑制する可能性はあります。

個人消費について、ICSC-GSやレッドブックの週次
データでは、前年比2%程度の伸びです。

5月はメモリアル・デーのカレンダーでのシフトの影響で、
売上が6月にズレています。

住宅関連指標も4月分までは、とても良い内容です。
税金控除の終了が4月末だったので、駆け込み需要です。

その証拠に、MBA住宅ローン申請指数は、悪いです。
4週間前と比較すると、40%以上落込んでいます。

今後、持直すのか、そんなに楽観はできないレベルです。

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添付の foreclosure100603 チャートを参照して下さい。

米国の差押え物件数の推移です、
Realty Trac社のデータです。

過去1年間の差押え件数は高止まりしています。
そのため、前年比では改善を示し始めています。

しかし、中古住宅販売は改善していますが、在庫水準が
高くなっています。

先週発表された数値では、販売は577万戸で、
前月比+7.6%と好調でした。
税金控除の終了の駆け込み需要と解説されました。
販売に対する在庫比率は、前月の8.1ヶ月から、
8.4ヶ月へと悪化しました。

これは在庫増です。
差押えは在庫増の要因です。
今後も、差押えによる供給がある程度高い水準で
継続すると考えられます。

最近の傾向で、「戦略的債務不履行」があるとのことです。
これは、住宅ローンを抱える人が、自動車ローンや
クレジット・カード・ローンはきちんと支払うのですが、
住宅ローンの支払いを故意に止めてしまうことです。

その大きな理由として、住宅価格とローン残高の関係が
あげられています。

不動産バブル崩壊で、住宅価格が下落して久しいです。
住宅価格よりもローン残高が大きい場合、
「アンダー・ウォーター」と呼びます。
いわゆる、「水面下」です。

アンダー・ウォーターとは
住宅価格<ローン残高
の状態です。

ある調査によると、実際にアンダー・ウォーターでも、
60%の住宅ローン保有者は、現在の家に住み続けると回答しています。
大多数は、住んでいる家を放り出さずに住むと回答しています。
しかし、ローンを払い続けるのかどうかは別問題です。

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添付の dow100603 を参照して下さい。

ダウの日足チャートです。
目先は、下値を確認して、相場は上向きのようです。

10000〜10300ドルの狭いレンジが直ぐに目につきます。
上値の抵抗も多く存在します。

それにしても、最近の北朝鮮は静かです。
何か不気味です。
何もなければ良いのですが…。


2010年06月03日 10:30記述


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