平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2010年06月10日


1)ドル余剰の別の視点

添付の moneyflow100610 を参照して下さい。

FRBと米国政府を中心に、ECB等のメイン・プレーヤーとの間の
ドルのやり取りを簡略化した図です。

米銀は、FRBへモーゲージ債を売却、
個人や企業の資金需要は低迷したまま、
リスクの高いヘッジ・ファンド等への投資も、
規制がかかる可能性があり、欧州銀は破綻リスクが高く、
国債を購入するしか道がない状況です。

日本や中国等の貿易黒字や経常黒字がある国は、
ユーロ危機で、通貨分散は困難となり、
米国国債を安心して購入するのみです。

ECBは傘下の銀行の信用問題を考えると、
現状の政策金利は、「高すぎる」と思います。
1日も早く、日米同様「ゼロ金利」にすべきです。
本当に、とんでもないことになってしまう可能性があります。

サブプライム・ローンで世界が大変な状況のときに、
利上げしたのはECBです(ブラック・マンデーの直前、
ドイツのブンデス・バンクが利上げしたことを思い出しました)。


ECBは現実が見えていないのです。
だらだらと政治的な議論を好み、決断しない組織です。

通常は、「禁じ手」ですが、国債買い入れを実施したことは、
ECBにしては珍しく良い政策でした。

しかし、ECBが欧州銀から資金回収する
市場操作をするのは、少々頭を傾げます。

為替介入と同じで、売った通貨を回収する手法を、
「不胎化」と言いますが、今回は大変な危機なので、
資金回収すべきではないと思います。

ユーロ安にして、危機を克服すべき時期だと思います。

ECBの政策を注視しておきましょう。
リーマン・ショック以降の「ドル余剰」にかわる、
大きなテーマ「ユーロ余剰」が出てくるものと思います。

今後、さらに大きな相場に発展しそうです。
今までのユーロ安も、そこそこ大きな下げでしたが、
「ユーロ余剰」でここから大きな下落が訪れるのではないでしょうか?

さて、話を元に戻します。

オバマ大統領が就任した直後、大型の景気対策を発表しましたが、
財政赤字増大懸念でブレーキがかかり、
初年度では、当初予定額の3分の1を消化したのみです。

欧州信用危機から、二番底を懸念する場合は、
オバマ政権は、さらに景気対策を打つはずです。

中間選挙もあり、財政赤字よりも、景気を重視しそうです。
表面上、米国債への需要は大きいです。
世界中で、財政赤字を増大させる、大競争時代ですから、
米国の財政赤字増大は、大同小異です。

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「ドル余剰」に変化はないのですが、少し、
米国経済がおかしい状況ではないかと感じます。

添付の m2100610 を参照して下さい。

米国のマネー・ストックのチャートです。
いわゆる、マネー・サプライです。
季節調整後のM2の残高のチャートです。

住宅バブルで湧いた米国経済でも、マネーは
非常に安定的な伸びでした。

さすがに、リーマン・ショックの影響は大きかったです
2008年終わりに、マネーが急激に増大したのは
一目瞭然です。

これが「ドル余剰」の一面です。

しかし、2010年に入って、マネーは増大していません。
マネーからは、「ドル余剰」ではなくなり始めています。

理由は2つです。

FRBがステルス戦闘機のように、見えない「出口戦略」に
着手していることです。

公定歩合を上げました。
モーゲージ債や政府機関債の購入を止めました。

「ステルス出口戦略」の可能性は否定できません。

もう1つの理由は、根深い問題です。

FRBのバランス・シートが膨張しているのは、
既にレポートして、チャートもご覧になっています。

もし、そのときのチャート等を再度ご覧になりたい方は、
メールでお教え下さい。

過去に比べ、倍以上に膨張したバランス・シートですから、
当然、お金はジャブジャブのはずです。

FRBは、ドル紙幣を市中に流通させたいと考えているのですが、
経済が、血液であるマネーを、必要としていない可能性があります。

ドル紙幣はFRBの金庫に直ぐに戻ってきてしまうのです。

これは、日本銀行が経験している状況と同じです。
デフレの恐怖です。

米国は、「ステルス・デフレ」と言う癌にかかっている
可能性が高いと思います。

個人的には、米国政府は景気刺激を、
早めに打つ時期ではないかと思います。

膨張したバランス・シートと伸びないマネー
整合性が乏しい状態です。

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2)米株への先行性

調査会社で、IBD/TIPPと言う会社があります。
毎月景気楽観度指数を算出して発表しています。

この指数は、全米900人以上の成人を無作為に抽出して、
毎月第1週に調査しているものを指数化しています。

いわゆる、ディフュージョン・インデックスで、50を境目に
好不況が判断できる指数です。

6月の指数は、前月の48.7から46.2へ低下しました。

この指数は、ミシガン大学消費者心理指数や、
コンファレンス・ボードの消費者信頼感に、
確度の高い先行性があると言われています

そのことから、今月の消費関連の指標は、
少し下向きになる可能性が高いことになります。

5月分小売売上ではありませんので、注意してください。

添付の dowibdtipp100610 を参照して下さい。

株価と同指数を比較しました。

理由は分からないのですが、2005年に何か
構造変化が米国を襲ったかも知れません。

株と指数の連動性は、2005年まではほとんど同時でした。
ところが、それ以降は、ズレが生じているように見えます。

IBD/TIPP景気楽観度指数が、株に対して
6〜9ヶ月程度先行しているように見えてしまいます。

この仮説が正しいとすると、6月までの数値からは、
少なくとも、夏までは米株は弱いことになります。

これが、当たれば、しばらく使えそうです…。

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3)2匹目のドジョウ

添付のチャート dow100610 を参照して下さい。

ダウの日足と週足チャートです。

チャートが煮詰まってきました。
先週のドル・ユーロと同じです。

日足では、ポジティブ・ダイバージェンスが発生しています。
RSIとMACDは上向きです。
日足はどちらかと言えば下向きです。

ウェッジ・フォーメーションでは、ダウは下げ。
テクニカルでは、ダウは上げ。

しかし、週足のMACDやRSIはまだ下を示唆しています。

近い内に、株価がさらに下げると、定義上「弱気相場入り」します。

ダウで9006ドル、ナスダックで2028ポイント、
S&P500で975ポイント、ダウ輸送株で3850ドルが、
それぞれのターゲットです。

因みに、日経平均では9126円です。

ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー等の
米国大手投資銀行は、強気維持です。

7月にかけて株は上昇し、年末まで高いと言っています。

因みに、アノマリーの「1月バロメータ」では、今年は下げですが…。

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上海株は昨日大きく上げました。
2500ポイントを意識した動きです。

添付のチャート shanghai100610 を参照して下さい。

三角保ち合いの、プライス・ターゲットは2338ポイント辺りです。
言いたいことは、チャートの通りです。


2010年06月10日 12:00記述


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