平松雄二の 株と為替に勝つ!
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20100701


1)第2四半期終了、市場のパフォーマンス

世界的な株式相場の下落で、第2四半期が終了しました。
欧州財政危機が、米国に影響を与えていることは事実です。

そもそも、米国のサブプライム・ローン問題と、住宅バブルの破裂により、
米国の個人や金融機関が大きな損失を抱えたことが原因です。

金融秩序や信用市場が崩壊して、リーマン・ショックを経て、
世界中が「100年に一度」の大不況に見舞われました。

それを救ったのは、政府部門の財政赤字拡大と、
中央銀行の金融政策緩和でした。

しかし、実際に根本原因は解決していません。
巨大な流動性で、市場は一息ついているだけです。

質が悪いのは、ギリシャを発端として出てきた欧州の財政問題です。
政府が、民間の損失をカバーするために出動した、
財政赤字に焦点が当たってしまったのです。

それに怯えた、欧州各国は景気刺激よりも、
財政再建に大きく舵を取り出したのです。

先日のG8G20では、政策協調できなかった上に、
財政健全化を公式に認めてしまいました。

景気にマイナスのバイアスがかかるのは、自明の理です
歴史から学ぶことは、本当に難しいことです。

100年に一度」の大不況ではなく、近代から現代に至る人類史上、
3回目の大恐慌に突入する可能性があります。

添付のファイル soubahikaku100701 を参照して下さい。

見事にマイナスです。
月間でも年間でもマイナスです。

アノマリーの「1月バロメータ」は今のところ有効です。
同様に、「セル・イン・メイ・アンド・ゴウ・アウェイ」も有効です。

酷いパフォーマンスの中で、目立つのは、
ダウとダウ輸送株の健闘です。

それに、中国の惨憺たる下落です。

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2)三尊天井形成、ネック・ラインを切る

米国株の下げが続いています。
今までのところ、今週の株式相場を押下げた要因は、

6月消費者信頼感指数、6ADP雇用報告及び、
ムーディーズのスペイン格下げ示唆の3点です。

先週発表された、6月ミシガン大学消費者心理指数は、
速報段階と比較して、確報値は下落していませんでした。

しかし、今回のコンファレンス・ボードの発表した
6月消費者信頼感指数は、前月比10ポイントの大幅下落で、
相場の雰囲気はとても暗くなりました。

以前解説しています、IBD/TIPP景気楽観度指数の
消費者信頼感指数に対する先行性が、今回は発揮されました。

ADP雇用報告は、事前予想が6万人前後の増加でしたので、
実数値はそれを大きく下回り、金曜日に発表される
非農業部門雇用者数に対して市場の懸念が出ました。


しかし、米国政府が経済指標発表にあたり、
「鉛筆をなめる」ことは、十分あり得るシナリオです。

3点目のムーディーズの発表は、相場下落とは
あまり関係ないと思うのですが…、理由とされています。

フィッチは、既に528日に格下げを実施しており、
S&Pの格付けは、最上級ではありません。

手前味噌ですが、私のホームページに

「欧州信用危機小年表」を掲載しています。

欧州問題を俯瞰するときに、便利ではないかと思い、
作ってみました。

添付ファイルの dowdaily100701 を参照して下さい。
三尊天井は完成しました。
23日中に「デッド・クロス」発生です。

決め打ちするのは危険ですが、「弱気相場入り」の定義の、
高値から20%下落は近いです。

ダウ理論では、67日の引値を重要視している
テクニカル分析家がいました。
昨日それを下回って引けましたので、「売りシグナル」が

完全に発せられたと言えます。

ダウ理論は、100年以上前に、チャールズ・ダウが、

「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙上で執筆した、
米国最古の、テクニカル分析です。

しかし、「売りシグナル」等の基準を、
明確に残していないため、現在のダウ理論家の中でも、
売り買いの判断基準が分かれることがあります。

今回もそうした意見が割れている状態でしたが、
昨日解消して、「売り」になりました。

三尊天井の目標値の達成前には、定義上「弱気相場」に
突入することになりますので、フィデリティー・インベストメンツ等の
著名機関投資家がどのようなレポートを出すのか楽しみです。

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3)世界のGDP比較

添付ファイルの g7bricsgdp を参照して下さい。

1980年以降の、G7BRICs諸国と、その他世界の
名目GDPの推移をグラフにしました。
データはIMF発表のものです。

ドル表示にしてありますので、為替相場の変動により、
GDPの大きさは微妙に変化しますが、大きな流れは変化しません。

1990年代までは、世界経済の大部分はG7でした。
しかし、現状は違います。

G7は重要ですが、さらに比重を増す世界が出現しています。
小さなグループで、重要事項を決める時代は終わりました。

経済のベクトルが違い、経済の優先事項が違う時代です。

先進国の金融不況は、世界経済を巻き込む可能性ある、

恐慌へ変化する要素は十分あります。

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次に jucgdp を参照して下さい。
日米中の名目GDPの世界経済におけるウェートをグラフにしました。

今年、日本は中国にGDPの大きさで抜かれ、
世界第3位になります。

しかし、1人あたりGDPでは、日中の人口差は、
10倍ありますので、日本の方が10倍大きいです。

中国は、今後も発展しますが、日本にもチャンスがあります。
それほど悲観することはありません。

本当に心配すべきは、高齢化と人口減です。
ここに政策面で手を打たないと、将来は明るくなりません。

個人的な感想ですが、IMFと言う組織の性格上、
米国に少し思い入れのある推計値になっている気がします。

IMFは米国寄り、OECDは欧州寄りの性格です。

沖縄の米軍基地問題は、沖縄県の方々に、
大きな負担を強いていますが、民主党の無責任な外交で、
日米間に少なからずひびが入りました。

米中で重要事項を決めるG2体制になる必然性を表している
グラフになっていると感じます。

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最後に、 usbricsgdp を参照して下さい。
米国とBRICs諸国の名目GDPの推移を、IMF作成の

推計値も入れてグラフ化しました。

向こう数年で、米国とBRICs諸国の名目GDPは等しくなりそうです。
BRICs諸国の重要性は言うに及ばずですが、
米国の重要度は十分保てると思います。

為替相場を、「国」と言う商品についている「価格」と考えると、
ドルは捨てたものではなさそうです…。
しかし、それでも当面のドル円相場は、「ドル安」です。

「円高」です。


20100701日 13:00記述


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