平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2010年07月18日


1)先週の相場概観

米国は決算発表シーズン入り、ここまでの結果は総じて良いです。
しかし、相場の勢いはなく、今年1月と4月と同じような展開です。

ダウは1週間で100ドル安の-1%の下落。
日経平均は円高が響き、177円安の-1.9%の下落。
上海総合指数は47ポイント安の-1.9%の下落。

株式相場は週の半ばまでは堅調でしたが、下げに転じました。

為替相場は、米国経済の成長鈍化に伴う、
金利低下とドル安が進みました。

円高の週になり、今年の最高値を更新しました。
先週末との比較で1.87円、率にして1.1%円高となりました。

欧州はストレス・テストに対する楽観が底流にあり、
通貨を含めて奇妙な落着きがあります。

金曜日に、バルチック海運指数がプラスになりました。
前日まで、9年ぶりの35連続安を記録していました。
下げ止まったかどうか、さっぱり分かりませんが、
連続安がストップしたことは事実です。

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2)先週発表された主な米国経済指標と相場展開

添付ファイルの ecolendar100718 を参照して下さい。

新規失業保険請求件数が、予想以上に減少しました。
これは良いニュースです。

鉱工業生産指数は、高温の影響で電力使用が大きく、
公益部門が指数を引っ張りましたが、
民間製造業は-0.4%で振るいませんでした。

また、PPIは-0.5%となり、物価が下落すると言う意味で、
緑色をつけましたが、デフレ懸念と言う意味では、
むしろピンク色にすべきかも知れません。

以上総合すると、予想段階では、経済を多少上向きで
考えているものの、実際は予想に届かない状態です。

米国経済の停滞感は否めない事実です。

金曜日に号外で説明しましたが、ファンダメンタルズではない、
株式相場の2つの重石が取れました。
ゴールドマン・サックスとSECの和解と
金融規制法案の上下院通過です。

また、金曜日に発表のあった金融機関の決算は、
それほど悪い内容ではなかったのですが、
ミシガン大学消費者心理指数速報値が相場の流れを
一変させてしまいました。

相場的には、前3日間、頭が重い展開でしたが、
金曜日1日で1週間のパフォーマンスが、
決定的になってしまいました。

中国は、例によってまとまって経済指標が出ました。
事前予想とは大きく離れず、サプライズはありませんでした。

あれだけ広大な国土で、日本の10倍の人口で、
経済指標の発表はスピーディーです。
何もかも「計画」通りです。

いつも、想定とは離れない結果が出ます。
違和感を覚えないのは中国人だけでしょうか?

経済指標では中国株は動きませんでした。
新規上場した中国農業銀行の初値がパッとせず、
不動産バブルに対する当局の姿勢に関する
報道や憶測で相場は上下しました。

週の初めは、節目の2500ポイントを意識したようですが、
持ちこたえられずに下落、しかし、この水準から大きく
下押すには材料不足でした。

一方、日本でも経済指標が数多く出ています。
政府が景気認識を前進させたものもありますが、
いつも通りに相場にはインパクトはありませんでした。

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3)今週発表予定の主な米国経済指標と相場展開

再度、 ecolendar100718 を参照して下さい。

経済指標の発表が少ない週です。

企業決算が多く、ミクロがマクロに優先される週ではないかと
感じますが、過去2回の決算発表期と同様に、
良い決算でも相場は、ポジティブに捉えない可能性が高そうです。

住宅関係の指標に要注目です。
税優遇が修了して以降、住宅関係の指標は
目を覆うべき惨憺たる内容です。

さらに悪化するとは早計に言えませんが、
回復過程に入るとはなおさら言えません。

添付の表にはありませんが、全米抵当貸付銀行協会の
住宅ローン申請件数も影響しそうです。
とにかく申請件数が低レベルです。

チャートは mba100718 です。

短期的には底が見えない状況です。
この指標は毎週発表されていますので、
住宅関係指標の先行指標と捉えています。

株式相場展開は、 dowdaily100718 を参照して下さい。

4月の高値前後で相場が変化しました。
ローソク足の長さが違います。
それだけ、現在の下落局面は
不安心理が増幅されているのだと思います。

マクロ指標が好転しない限り、強気にはなれません。
今週すんなり、安値を更新するとは言えませんが、
7月一杯でダウが9600ドルを割る可能性は、
かなり高いのではないかと思います。

そうなると、きれいな下げトレンドのチャートになります。
とにかく米国経済の成長スピードは非常に緩慢です。

日本株は、3連休明けが正念場になる可能性ありです。
週明けの米国が下げ、為替相場でドル安が継続するようだと、
以前示したように、日経平均は9000円を
死守する必要があります。

そうでなければ、昨年の安値が視野に入ります。
正念場です。

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4)米国債券市場が示唆するもの

添付のチャート tnote100718 を参照して下さい。
米国10年国債の利回りです。

筆者の相場のスタートは債券投資でした。
債券の利回りのチャートでは、あまり、チャート分析や
テクニカル分析を重要視しませんでしたが、
今回のきれいな三角保ち合いに、見とれてしまいました。

少し振り返ってみます。

債券利回りがボトムを打ったのは、株式相場よりも
約3ヶ月早かったです。

2008年12月には底を入れました。
その後利回りが急上昇したのは、「ドル余剰」です。

国債やモーゲージ債をどんどん買入れしたからです。
FRBがバランス・シートを拡大させたことが、
将来のインフレ懸念増大に繋がりました。

その後、株式相場は上昇して、はしゃいでいましたが、
債券相場は冷静でした。

4月以降は、経済指標の悪化を受けて金利低下、
見事な保ち合い離れを実現しました。

このときも、債券の方が株より早く天井を打っています。

先週発表されたCPI前年比は+1.1%、
GDP成長率を+2.0%とすると、大体3%になります。

とりあえず、止まって良いレベルでしょう。

今後、インフレ率が下落して、景気悪化がさらに
進むと、2%程度まで利回り低下があり得ます。

しばらくの間は、米国10年国債は3%前後で、
揉み合うと考えますが、実体経済の動向次第で、
利回りの低下が起こり、その場合の株価下落と、
ドル安は新局面に入ることさえあり得ます。

欧州は束の間のユーロ高ですが、実体は、
ユーロ安とドル安の綱引きです。

円安要因は、酷い政治状況と巨大な財政赤字です。
北朝鮮の暴発もあります。

しかし、ドル安とユーロ安の方が強い材料です。

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5)金価格が示唆するもの

添付の gold100718 を参照して下さい。

金はベア上昇ウェッジを下に抜けましたが、値幅が小さく、
本格的な調整局面に入ったとは言えないと思います。

短期的な小さな値動きです。

株価が調整している中で、金もリスク資産として、
敬遠されている可能性があります。

金はインフレ・ヘッジの商品としての性格と、
通貨としての性格があります。

ユーロの一時的な回復局面で、通貨としての性格が
少し薄れているのが現状です。

今週末のストレス・テストの公表次第で、
為替相場が大きく変わる可能性があります。

つい先日までの、ユーロ下落の規定路線への回帰です。
そうなると、金は息を吹き返す筈です。

しかし、株式相場がベア相場入りするような展開になると、
話はまた別の展開となります。

梅雨明けしましたが、相場はすっきり晴れません。


2010年07月18日 14:45記述


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