平松雄二の 株と為替に勝つ!
ホーム>過去のメルマガ>2010年07月29日
過去のメルマガ
2009年
2010年
チャートの小部屋
用語集
欧州信用危機小年表
まぐまぐ!過去のメルマガ
まぐまぐ!チャート

2010年07月29日


1)米国株式相場途中経過

昨日公表された、ベージュブック(FOMCでの議論の叩き台)は、
景気回復に若干の懸念が示され、バーナンキFRB議長が、
先日の議会証言で使った、「異常なほど不透明」や、大方の
経済指標と軌を同じくするものでした。

新築一戸建住宅販売やケース・シラー住宅価格指数が、
事前予想よりは悪くなかったことから、株式相場は無邪気に
上昇トレンドに戻りました。

過去2ヶ月以上、ベア派が相場を仕切っていたので、
ブル派もこれで溜飲が下がったと思います。

前回の号外で、バートン・ビッグス氏に大変失礼ながら、
逆指標として引用しましたが、昨日の米国株相場までは、
なんとなく相場の雰囲気は当たっていそうです…。

ここまで、米国経済の減速を示している経済指標は、

シカゴ連銀CFNAI:水面下に低下
ダラス連銀製造業景況指数:殆どの指標は低下
新築一戸建住宅販売:月次で増加だが絶対値は史上最低レベル
リッチモンド連銀製造業景況指数:低下
シカゴ連銀CFMMI:低下
ABCニュース消費者信頼感指数:低下で今年最低水準
ATAトラック貨物指数:2ヶ月連続低下し景気回復後初
ICSCとレッドブック大型店売上:横ばいと低下
耐久財受注:予想外のマイナス

予想より良かった指標は、

ケース・シラー住宅価格指数:月次は上昇だが今後の下落を想定
MBA住宅ローン申請件数:上昇するも14〜5年前のレベル

となっていますが、好調なミクロの企業決算が、
相場参加者のマインドを支配して、相場は強いです。

夏休みでもあり、ストレス・テストと言うイベントも
無事通過しました。
テスト内容は信用していませんが、相場が正しいのでしょう!?
落着いた展開です。

******************************************************

添付の dowweekly100729 を参照して下さい。
中長期の米国株チャートです。

結論は、ゆっくりした下落チャネルに入っていると思います。
通貨としてのドル、米国の経済力の総体を、
如実に示しているチャートだと思います。

過去1年間の投資家の平均コストを表す
50週移動平均線に絡んで動いています。

また、チャネルの上部に近づき始めたので、
頭が重くなる時期がそう遠くないと感じます。

しかし、積極的に売りから仕掛けるには、
時期尚早だろうと思います。

******************************************************

次に dowdaily100729 を参照して下さい。
ダウの日足チャートです。

短期相場は50日移動平均線に絡むことが多いです。
現状は上昇トレンドです。
先々週金曜日の「孕み線」はセオリー通りでした。

10600ドルが重そうに見えますが、
強気で見ると、ブル下降ウェッジにも見え、
次の動きはさらに上昇するとも見えます。

テクニカル的にも総じて良好なチャートですが、
目を凝らすと、MACDヒストグラムでダイバージェンスが
発生しています。

もし今後相場が下落するときは、50日移動平均線に
戻ろうとして、材料にされるかも知れません…。

******************************************************

2)為替相場

添付ファイル usdeuro100729 を参照して下さい。
ドル・ユーロ日足チャートです。

数ヶ月前までは、「リーマン・ショック前」に戻ることが、
相場のテーマになることが多かったですが、
現在の旬なテーマは「5月相場に戻る」です。

ストレス・テストの内容は別として、イベントが終了して、
相場は夏休み気分です。

ユーロは5月の水準に戻りました。
思い切って突っ込んだ3ヶ月を帳消しにしました。

現状は、明確な上昇トレンドです。

ギリシャ10年国債の利回りは10.2%と、
高止まりしたままです。
昨年末にギリシャの債務問題が発覚したときは、
6%にも乗せていなかったのです。

ロンドンの銀行間取引市場の、ユーロ3ヶ月ものの
金利は0.8%台で、昨年9月の水準です。

少なくとも、為替相場以外は、警戒心を
緩めていないことも事実です。

ユーロに対して弱気の色眼鏡で見ると、
ベア上昇ウェッジを形成中にも見えてしまいます…。

また、下落が続いていた上海総合指数も、
節目の2600ポイントまで急速に戻しました。

******************************************************

3)「5月相場」に戻ったもの、戻っていないもの

添付の marketinmay100729 を参照して下さい。
小さなチャートで申し訳ないです。

金価格・銅価格・原油価格・VIX指数のチャートです。
全て5月に戻りました。

米国株相場の格言・アノマリーの一つである
「セル・イン・メイ・アンド・ゴウ・アウェイ」は、
十分に機能していましたが、元に戻ったものも多いです。
これは、格言が間違っていたとは言えません。

******************************************************

次に different100729 を参照して下さい。
このチャートも小さくて申し訳ないです。
5月相場に戻っていないものです。

鉄鉱石の価格と歩調を合わせて、
バルチック海運指数は、少し戻しています。

木材価格も戻し気味です。

しかし、下落のスピードと幅に比較すると、
戻りは、今までのところ、限定的です。

このような戻しを、「デッド・キャット・バウンス」と言います。
生きた猫は上から落ちても、勢いよく跳ね返りますが、
猫の死体は、大きくは跳ね返らないことを指します。

相場をやっている方には、米国債の利回りが、
一番重要な局面ではないかと思います。

債券相場は「ダマシがない」と思います。
昨年来、株式相場が正しいのか、債券相場が正しいのか、
見方の分かれる局面が何度かありました。

結論的には、債券相場の方が間違っていなかったと思います。
歴史的に低い現状の米国債の利回りは、
米国経済の足踏みとデフレ状況を表しています。

日本の置かれた状況は厳しいです。
しかし、流動性バブルに浮かれた米国の状況も、
日本に負けず劣らず厳しいものがあります。
あえて、嘘でコーティングされた欧州の厳しさは
そのうち馬脚を現すと考えます。


2010年07月29日 11:30記述


                    ページ・トップへ     ホームへ