平松雄二の 株と為替に勝つ!
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2010年10月31日


1)先週及び先月の相場概観

先週は、FRB(連邦準備制度理事会)の量的緩和の規模に市場の
関心は移り、FRB理事の発言や報道で、相場は上下しました。

1週間を通して見ると、株価指数は大きく変動しませんでした。
あえて日本だけは、為替の影響をもろに受けて下落しました。

ダウ工業株平均は、-14ドルで-0.1%でしたが、
他の株価指数は小幅の上昇でした。

日経平均は、-224円で-2.4%と下落し、
上海総合指数は、+4ポイントで+0.1%でした。

為替相場は、対ドルで80円すれすれまでの円高が
進み、史上最高値更新は目前です。

高値更新をピン・ポイントで当てることは困難です。
心理的な壁である80円フラットや日銀の介入警戒感等で
簡単には高値を更新しないのではないかと思います。

しかし、実際にはあっさりと80円を割り込むかも知れません。
日々の動きはよく分からないものですが、ドル安の
要因は継続していますので、方向はドル安です。

添付の soubahikaku101031 を参照して下さい。
株価指数や為替相場のパフォーマンス表です。

このような添付ファイルが良いのか、エクセルのシートが
良いのか迷っています。

項目は沢山追加できますが、多過ぎても焦点ボケして、
あまり意味がないように思います。

株価や為替に影響するものをまとめて、一覧で便利な
フォーマットを作ろうと試行錯誤中です。

読者の方で、何かご意見があればお教え下さい。

話を元に戻します。
10月の相場総括です。

米国株式相場は好調です。
バーナンキ発言(議会で量的緩和示唆)以降、
2ヶ月連続の大幅上昇です。

春に急落して、二番底やベア三尊天井を意識した時期と
比較すると大違いで、年初来高値は目前です。

アノマリーで言えば、今年の1月相場は下落しましたので、
「1月効果」で、今年の株式相場は昨年末との比較では、
マイナスになることが多いと言われます。

そうすると、ダウで年末までに少なくとも700ドルは
下落することになりますが、どうでしょうか。

「ハロウィン・インディケータ」と言う、アノマリーもあります。
ハロウィン後に株を買い、翌年5月初めに売ると、
良い成果が得られると経験的言われます。

そうすると、来週は株を買う週になります。

もう一つアノマリーを、中間選挙の年の6〜7月に
株式相場は底をつけることが多く、翌年(大統領選の前年)の
パフォーマンスが一番良いと言われます。

そうすると、今年の夏の間に株を買っておけば、来年は
相場が上昇して利益が得られると言うことでしたが…。

中国は10月に株価上昇しましたが、年初来騰落では
日本も中国もマイナスです。

米国の長期金利は、年初来大きく下落していますが、
10月は上下したものの大きな動きはありませんでした。

為替は、ドル安傾向がはっきりしています。
円はドルやユーロに対しても強い状態です。

商品では、金や銅が大きく上昇していますが、
原油の上昇幅は限定的です。

バルチック海運指数は年初来2桁の下落率です。
大型船舶の供給過剰が言われていますが、中国や
新興国の経済実態が、資産価格上昇に見合っているのか
そうではないのか、判断に迷うところです。

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2)先週発表された米国の経済指標と相場展開

添付の ecolendar101031 を参照して下さい。
先週は重要指標目白押しでした。

エコ・ヒート・マップでは、全体が緑色勝ちですから、
発表された経済指標は、事前予想を上回る
良い結果だったと言えます。

マクロ的に解説すれば、雇用がはっきり改善しない中で、
住宅市場の低迷は継続中です。

しかし、製造業の落込みは、ドル安に伴う交易条件の
改善で、止まったように見えます。

金利が低下したため、住宅ローンの借換により、
新たに消費に回せる資金が生まれ、消費者は
節約しながらも、消費は底堅い状況です。
株価上昇で、資産効果も消費増加に多少プラスの
効果を上げていると考えられます。

結果として、米国経済はゆっくりとしたスピードで
成長しており、直ちに景気後退やデフレ経済に
陥る危険性は小さいと考えられます。

そうした経済指標で、株式相場は、今週開催される
FOMC(連邦公開市場委員会)での量的緩和の規模に
焦点が移り、動けない状態でした。

為替市場は、円高が進み、ユーロは対ドルで目先の
天井(?)を打ったようにも感じています。

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3)今週発表される経済指標と相場展開

再度 ecolendar101031 を参照して下さい。
雇用統計の週です。

11月3日まではFOMC待ちで動けません。
その後、雇用統計待ちになります。

事前に量的緩和の規模は想像できませんが、
報道されているところを総合して考えると、
5000億ドル以上の規模であれば、株式相場は
プラスの反応を示すと思われます。

為替は、「ドル余剰」のドル安が継続するものと思います。
規模が小さいと逆で、材料出尽しで株は売られ、
ドルは少し買い戻されると考えるのが常識的な線でしょう。

マクロ経済指標は、悪化の一途でないことは事実で、
FRBが金融緩和を前のめりに進める根拠は、
現時点では乏しいのではないかと考えます。

隠蔽体質のECBや欧州諸国と同様に、FRBや米国も
あからさまにできない何かを隠しているので、
金融緩和を急いでいるのでしょうか。

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4)金利と株価の関係

添付の ustsp500101031 を参照して下さい。
S&P500指数と米国10年債利回り比較チャートです。

基本的なことを再確認します。

通常、金利が下がれば株価は上昇し、
金利が上昇すれば株価は下落します。

株式を償還年限が無限に長い債券と考えます。
クーポン(表面金利)は配当金です。
債券の特徴は、金利が上昇すると債券価格が下落し、
金利が下落すると債券価格は上昇します。

株と債券は金融商品と言うカテゴリーでは同じです。

しかし、株価はさらに複雑な要素が加わります。
業績=企業収益です。
企業活動の結果、利益が多く出たり少なかったり、
時には赤字になったり倒産したりします。

株価は、景気の鏡と言う側面がありますから、
景気後退すると、金利が低下しても株価が
下落することもよくある現象です。
その逆も真です。

添付のチャートでは、パターン1とパターン2としています。
金利水準が通常の場合、FRBが金利を変動させることで、
株価や経済に影響力を行使することが可能です。

金利を上げると、景気過熱を防ぎ、株価は下落します。
金利を下げると、景気を刺激して、株価は上昇します。
パターン1です。

ところが、現状ではゼロ金利です。
FRBが影響を及ぼす短期金利は動かせない状態です。
もう一つの手段である、マネーの量を増減させます。

パターン2です。
量的緩和すれば長期金利が上昇し、株価は上昇します。
インフレ期待を増幅させる作戦です。

表面的に10年債の利回りが上昇すれば株価は上昇します。
人々のインフレ期待が大きくなります。
経済を通常の状態にさせる手段だと言えます。

金利は為替に影響を与えます。
米国金利が上昇すれば、ドル高要因です。
量的緩和で「ドル余剰」となり、ドル安ですが、
金利上昇で、相殺されます。

しかし、実質金利も重要です。
本当に米国のインフレ率が上昇するようなことになると、
米国の実質金利は下落して、ドル安要因になります。

日本は世界最強のデフレ国家です。
日本の実質金利は高いので、円高要因は不動です。

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5)為替相場と株式相場

先週は大きな動きはなく、チャートに変化なしです。
当然考え方にも変化なしです。
念のため、為替と株式相場のチャートを添付しておきます。

添付の usdindexdaily101031 はドル・インデックス
日足チャートです。

下落トレンド解消までの道のりは長いですが、
下落が止まったように見えてしまいます。

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添付の dowdaily101031 はダウ工業株平均の
日足チャートです。

ベア上昇ウェッジが煮詰まり、下に動き始めたように
見えてしまいますが、FOMC次第です。


2010年10月31日 13:45記述


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