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2012年07月28日


輸送から見る米国経済


米国経済の現状を物流の側面から概観してみます。

私のホームページでも紹介していますが、月次の
指標では、ATAトラック貨物輸送指数、AAR鉄道
貨物輸送統計、西海岸コンテナ取扱量、航空輸送
統計、交通量トレンド等があります。

航空統計と交通量トレンドは少々発表タイミングが
遅く、最先端のトレンドは見にくいです

また、残念ながらセリディアンUCLA景況指数は
発表自体を止めてしまいました。
その理由は分かりません…。

トラック輸送は米国の輸送全体の約7割を担っていて、
最新のデータでは、季節調整後の数値で6月は
前月比+1.2%と前月の-1.0%をカバーしました。

しかし、季節調整無しの原数値では前年比-0.9%と
マイナスを示しています。
これは米国経済のトレンドと沿っていると思います。

また、鉄道貨物輸送では、今年の月次パターンは
例年と異なっています。
今年は全体としても前年よりも低調な状態です。

グラフは

http://www.yuji-hiramatsu.com/2012maguchart/120728.html

を参照して下さい。

細かいことですが、米国経済のダイナミズムと省エネや
経済性の観点から、トラックよりも鉄道輸送が見直されて
いることも事実です。

数年前では米国の物流の7割がトラックでしたが、
現時点では67%がトラックによるものだと全米トラック協会が
言っています。

しかし、モノの量的な比率は上記のような関係ですが、
金額ベースではトラックの優位性は変わりません。

つまり、物流収益の8割がトラック輸送だと協会では
考えています。

しかし、トラックの輸送料金が高いことは事実で、鉄道の
方が経済的であることに変化は無いです。
料金が高いので、収益が高いのです。

月次と週次の鉄道貨物輸送統計を見ると、今年の輸送量は
昨年よりも減少しています。

貨物車両数全体で、-1.8%と振るいませんが、貿易に
使用されるコンテナは+5.7%と健闘していると思います。

上記をまとめると、トラックと鉄道ともに前年を下回る輸送量で、
貿易は前年を下回らないトレンドを継続している模様です。

米国内輸送は低調、輸出入に関連する輸送は健闘と言うのが
米国の現状のようです。

また、少々古いデータですが、5月交通量トレンドでは、
前年比+2.3%と増加していますが、ピークからは大きく
下回り、前回ピークを抜けない最長記録を更新中です。

原油価格やガソリン価格上昇もこの指標を押し下げますが、
米国人の生活様式やスタイルの変化も影響しています。

例えば、トヨタ自動車の生産回復は、プリウス販売増に
見られる省エネ意識の盛り上がりです。
日米とも同じ現象ですが、日本は補助金と言う変な
税金投入も大きく影響しています。

個人的には特定産業に対する補助金は反対ですが、
銀行救済でも税金を投入しましたから…。
仕方ないのでしょうか?

また、住宅バブル崩壊で、米国では二世代同居が増加し、
個人所有の自動車数が減少している可能性や、車を
持たない都市部の人口増の可能性があります。

この辺りは生活スタイルや哲学の問題で、経済政策や
金融政策とは違う次元なのかも知れません。

米国は世界最大の経済大国ですが、ゆっくりと地位低下を
しています。

自分の地位が危なくなると、第二位の国を叩きます。
昔は日本でしたが、現在は中国です。
米中の争いが続きます。

次回は、物流と製造業についてです。


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2012年07月28日 09:00記述


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