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2013年08月10日


米ヤング・アダルトの状況


住宅バブル崩壊やリーマン・ショック以降の金融
危機で、米国はグレート・リセッションと言われる
深い景気の谷を経験し、FRBはゼロ金利と量的
緩和を実施しています。

しかし、表面的な経済指標は好転してきており、
量的緩和の効果が少し薄れてきている指摘も
あり、将来的なインフレを懸念する向きもいる
ことは事実です。

同時にバーナンキ議長の任期が来年1月に
終了することもあり、量的緩和縮小が5月以降
大きなテーマになっています。

確実に言える事実は、ドル余剰でドルが下落し、
米国の購買力は低下しましたが、輸出ドライブで
不況からは製造業が牽引する形で復活しました。

ゼロ金利と膨大なマネーで、リスク資産価格が
上昇し、その資金の一部はドル・キャリーでアジアの
国々の不動産価格や株価を押上げました。

米国は住宅市場の二番底を経て、株価と住宅価格
上昇で、いわゆる資産効果で景気拡大しています。

実体経済は本当に良いのでしょうか。
雇用も少しずつ改善していますが、正規雇用では
なくパートやアルバイトの雇用が増加していて、
雇用増はかなり見せかけの数字だと言えます。

個人的な結論を先に述べれば、FRBの量的緩和
縮小開始と終了は、米国経済に深刻な影響を与え、
バーナンキ後のFRBは再度金融緩和に走らなければ
いけない状況になる可能性が高いと考えます。

米国リスク資産(株式と住宅価格)は量的緩和なしで
高値をキープできないと思います。
リスク資産効果での景気拡大ですから、リスク資産
価格下落で景気後退に陥る危険があります。

6.5%の失業率と2%のインフレ率実現には、まだ
時間が必要で金融緩和が必要です。

しかし、その効果が薄くなっていることも事実で、
穿った見方をすると、次の不況のためにFRBは
金融政策の「のりしろ」を持ちたい筈ですから、
意識的にリスク資産価格下落を伴う量的緩和縮小に
出るとも考えられます。

どの道3回目のバブル相場の終焉もそれ程遠い
将来のことではありません。

今後、しばらくシリーズで米国の人口や雇用等の
問題について解説する予定です。

先日発表された雇用統計で、雇用者数は予想よりは
少なかったですが、失業率は低下しました。

労働参加率が低下したことが失業率低下の主な
理由で、時間給や労働時間の減少はあまり良い
ニュースではありません。

このような状態で量的緩和縮小すると、株価は
高値維持ができないのではと思いますが…。

米国では1946年から1964年に生まれた世代を
ベビー・ブーマーと呼んでいます。
その世代が労働市場から退出し始めていることも
大切な事実です。

その世代の子供がヤング・アダルトに当たります。
18歳から31歳までの層です。

その世代の3分の1以上半数くらいは就学中で、
親との同居が多いことは容易に想定できますが、
当然結婚して自分たちの独立した家計で自分たちの
住宅に居住している若者も多いです。

グラフは

http://www.yuji-hiramatsu.com/2013maguchart/130810.html

を参照して下さい。

もっとも重要な変化は、ヤング・アダルトは親との
同居が増加しています。
過去40年間で一番高い比率の36%の21.6
百万人が親と同居しています。

住宅バブル時期でも32%、グレート・リセッションが
終了した2009年でも34%でした。

親との同居が増加しているのは複雑な理由が
背後にあると思います。

住宅バブル時期に住宅価格が上昇し、住宅
取得が困難になったこともあります。

そこで、住宅を購入せずに親の住宅を改築して
同居するケースも増えています。

雇用環境が悪化して、正業に就けない若者が
増加していますので、経済的な理由から親との
同居が増加しています。

2007年には70%のヤング・アダルト世代は
就業していましたが、2012年には63%しか
就業していません。
当然、無職のヤング・アダルトは約半数が親と
同居しており、就業中は29%が同居しています。

職がなければ就学します。
これも当然の成り行きでしょう。
親はベビー・ブーマーでお金を持っています。
18歳から24歳の世代で、2007年には35%が
大学に就学していましたが、2012年には39%に
増加しています。

その世代で就学中は65%が親と同居で、就学して
いない若者は半数が同居です。

日本でも同じですが、若い世代の婚姻率も
低下しています。
2007年には30%が結婚していましたが、2012年は
25%です。

以上まとめると、雇用環境が悪く、就業できずに
就学します。
親と同居する若者が増加します。
親は小金持ちですから、就業費用を賄えます。
同居すべく改築費用も出せます。

結婚できない若者が増加しています。
職がないからです。

結婚しても、親との同居も増加しています。
当然改築を伴います。

このような流れはデフレ的だと思います。
2%のインフレを作り出すのは容易ではないです。
テクニカルにインフレを創出するしか残された
方法はなさそうです。

米国も日本と同じデフレ環境ではないでしょうか。
それでも米国は人口減少ではありません。


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2013年08月10日 09:00記述


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